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高尿酸血症・痛風について その2(治療:薬物療法)

[2020.01.19]

高尿酸血症の治療は?

 血清尿酸値は痛風関節炎の再発予防を目的として6.0mg/dl以下を目標としますが、5.0mg/dl以下にコントロールすることが、より早期に痛風結節を縮小するのに重要であるとされています。

 なお、無症候性高尿酸血症患者であっても、8.0mg/dl以上から治療開始を考慮します。

 注意点は、尿酸降下薬開始後に痛風関節炎が生じる事があることで、予防のために 尿酸降下薬は低用量からはじめて徐々に増量します。 尿酸値を下げることにより、なぜ痛風発作が惹起されるかは、結晶脱落説が有力とされていますが、明確な理由は分かっていません 。また、コルヒチンカバーと言って、尿酸降下薬開始後に生じる痛風関節炎の予防目的に、コルヒチンを0.5〜1.0mg/日を尿酸降下薬開始後3〜6ヶ月間併用することがあります。

 

痛風関節炎発症時は?

 無治療の場合、最初の3日間の疼痛の強さは変わらず7日後も大半で疼痛が持続すると報告されています。

 アメリカリウマチ学会のガイドラインでは、NSAIDとコルヒチン、あるいは経口グルココルチコイドとコルヒチンの併用を勧めています。

 本邦では、第一選択の薬物治療としてNSAID、ステロイド、コルヒチンのいずれかを用いますが、どの治療で開始するかは定まっていません。

 一方で前兆がある場合はコルヒチンの投与を行うことで発作への移行を抑制できる場合があるとされます。

 痛風関節炎が消失したら、一定の期間をおいてから尿酸降下薬を開始します。

 NSAID:Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drug *抗炎症作用、鎮痛作用、解熱作用を有する薬剤

  どのNSAIDが有効性に優劣があると結果は出ていませんが、急性痛風関節炎に対してNSAIDは十分量投与する必要があります。

  なお、高用量のアセチルサリチル酸(アスピリンなど)は尿酸排泄促進作用により、血清尿酸値が低下するため急性痛風関節炎には避けるのが望ましいです。

  NSAIDパルス療法;NSAIDを比較的高用量を短期間に限って用いることが有用とされています。

   ナプロキセン(ナイキサン)の場合、300mgを3時間ごとに3回、1日だけ服用します。

   激痛が軽減した後も関節の痛みが持続し、日常生活に支障をきたす場合は、常用量(400〜600mg/日)を継続します。

 コルヒチン

  高用量投与法は副作用の出現頻度が極めて高く、低用量が推奨されます。まずコルヒチン1mg服用し、その1時間後にさらに0.5mg服用します。翌日以降も残存する疼痛に対しては、0.5〜1.0mg/日を服用し、疼痛が改善したら速やかに中止します。

  有効性のエビデンスは発症12時間以内の症例に投与した場合に得られています。

  副作用として消化器症状が多く、頻度は少ないが重篤なものに骨髄抑制、横紋筋融解症、末梢神経障害が報告させています。

 グルココルチコイド

NSAIDと同等に有効  20〜30mg/日を目安とし、3〜5日間投与すれば良いとされています。

 

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