クリニックブログ

2019.07.14更新

足の付根(股関節、大腿骨近位部)や背骨の骨折(脆弱性骨折)を起こすと生活機能が低下し、骨折前の状態まで回復するのは難しいと言われ、場合によっては寝たきりになる可能性が高まります。
平成28年の厚生労働省の「国民生活基礎調査」によりますと、要介護者等について、介護が必要になった主な原因についてみると、「認知症」が18.7%と最も多く、次いで、「脳血管疾患(脳卒中)」15.1%、「高齢による衰弱」13.8%、「骨折・転倒」12.5%となっています。
よって、いかに骨折を防ぐかが大事となり、骨折の原因となり得る骨粗鬆症の有無を調べる骨検診が必要です。

介護の原因疾患

 

特に以下の点に当てはまる方は骨検診を受けられることをおすすめします。

・身長が2cm以上低下した
・壁に沿って立った時に後頭部との間に隙間がある
・骨粗鬆症のご家族がいる
・糖尿病である
・慢性腎臓病である
・慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)である
・閉経している
 *骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版より

原発性骨粗鬆症の診断手順(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版より)

骨粗鬆症の診断手順

投稿者: おばた内科クリニック

2019.06.30更新

湿度があがり、気温も上昇してきた今、注意しないといけないのは食中毒です。
食中毒に関する注意点を述べさせて頂きたいと思います。

・色や匂いで判断できる?
→判断できない
色や匂いが変わっているということは腐敗を意味します。
食中毒は、サルモネラや腸炎ビブリオ、ブドウ球菌、腸管出血性大腸菌であるO157や寄生虫であるアニサキスやウイルスであるノロウイルスなどですので、細菌やウイルスがついても色や匂いは変わりませんので、注意が必要です。

・冷蔵庫に入れているから大丈夫?
→安心とは限らない
食中毒を起こす細菌の多くは高温になると増殖が活発になり、10度以下であれば増殖のスピードは遅くなりますので、冷蔵庫での保存は効果的です。
ですが、室温が高い状態で10秒ほど冷蔵庫を開けていると、庫内の温度は10度ほど上昇し、元に戻るのに15分ほどかかると言われていますので、開閉はスムーズに行う必要があります。

・刺し身は真水で洗う
腸炎ビブリオ菌は、塩分のあるところで増殖しますので、刺し身は真水で洗い、すぐに食べる必要があります。

・お肉はよく焼いてから食べる
牛や豚などのを畜場で処理する過程で腸内にいる腸管出血性大腸菌やサルモネラなどの細菌がお肉に付着したり、E型肝炎ウイルスなどのウイルスや寄生虫が感染する場合があります。
お肉やレバーなどの内蔵は、よく加熱してから食べましょう。

・カレーはお温めておけば、室温で保存で大丈夫?
→加熱したあとは冷却し、冷蔵庫で保存
カレーなどの煮込み料理で注意しないといけないのはウェルシュ菌による食中毒です。
ウェルシュ菌は、酸素のないところで増殖し、芽胞といった植物のたねのようなものを作ります。この芽胞がやっかいなもので、摂氏100度での1〜6時間の加熱に耐えることです。
よって、加熱は十分に行う、室温では放置せずに速やかに冷却し10度以下に保存することを心がけて下さい。

・手を怪我している時は特に注意する
手に怪我をしていて、化膿など感染している場合、ブドウ球菌が付着していることがあります。
ブドウ球菌は食中毒の原因となります。
ブドウ球菌は毒素を作り、この毒素は摂氏100度での30分の加熱にも耐え、ブドウ球菌による食中毒は体に入った3時間後から起こり、腹痛や下痢などの症状が特に強いため、怪我をしている時は、手袋をするくらいが良いかもしれません。

投稿者: おばた内科クリニック

2019.06.16更新

アミロイドβはアルツハイマー型認知症の原因の1つとされています。

2013年アメリカのワシントン大学の研究班が「JAMA Neurology」誌に発表した論文によると、入眠困難や中途覚醒、早朝覚醒などがある睡眠が不安定な人は、睡眠が安定している人に比べてアミロイドβの蓄積が5.6倍ということがわかりました。

よって、いかに睡眠の質を上げるのかが大事ですが、最近の研究では昼寝の習慣がある人はアルツハイマー型認知症になりにくいとされています。
注意点は、1時間以上の昼寝の習慣は、逆にアルツハイマー型認知症になりやすいという事です。

認知症患者さんは体内時計の調節障害がより強く現れ、深部体温やメラトニン分泌リズムが平坦化・不規則化して昼夜の差が不明瞭になるため、昼夜逆転による日中の過剰な眠気、夜間の不眠や中途覚醒などの睡眠障害が高い頻度で認められます。
その傾向は午後1~3時にかけて最も強く現れると報告されていますので、眠気の出たお昼間に20〜30分程度昼寝をすることをおすすめします。

20〜30分で起きる自信がない方は、カフェインは飲んでから15分ほどして効果が出てきますので、昼寝の直前に紅茶やコーヒーなどを飲むと良いかもしれません。

短時間の昼寝は脳疲労の軽減と機能回復をもたらし、就寝までの覚醒状態を適正に維持する効果が期待できます。

また、昼間に適度な運動を行うことはメラトニン分泌を介した睡眠周期の調節を正常にして、睡眠・覚醒パターンを規則化するのに有効であることが示唆されていますので、睡眠のリズムがうまくいっていない方は、昼寝を20〜30分程度行い、その後適度な運動を行うことがベストのようです。

高齢者での激しい運動は逆効果となる報告があり、適正な運動強度は散歩や屋内での掃除、階段昇降程度とされています。

投稿者: おばた内科クリニック

2019.06.02更新

認知症の症状には記憶障害などの中核症状と、徘徊や妄想などの周辺症状があります。

患者さまやご家族の環境にもよりますが、中核症状には薬物治療や食事・運動療法が中心となりますが、周辺症状はご家族や施設スタッフでの対応によって落ち着かれる事かありますので、活用されてみてください。

 

周辺症状:拒否

 

ポイント

 食事、入浴、介護などを受け入れてくれない、抵抗される

 

対応

・拒否があっても介護者側が過剰に反応しない

・無理強いをしない

・関わる側や環境の問題を見直す「この人なら任せていい」という安心感が得られるよう、1日を通しての接し方を配慮する

・要望・希望に耳を傾け、可能であれば、本人の満足感を満たせるよう支える

・落ち着いたところで再び声をかけてみる

・本人の好みのことに誘い、本人にとっての自然な流れで食事、入浴などに移れないか考えてみる

投稿者: おばた内科クリニック

2019.05.19更新

認知症の症状には記憶障害などの中核症状と、徘徊や妄想などの周辺症状があります。
患者さまやご家族の環境にもよりますが、中核症状には薬物治療や食事・運動療法が中心となりますが、周辺症状はご家族や施設スタッフでの対応によって落ち着かれる事かありますので、活用されてみてください。

周辺症状:攻撃的言動

ポイント
 自尊心が傷つけられたとき、考え方などに行き違いがあるときなどに攻撃的になることがあります

対応
 施設スタッフ側の言動のほうにむしろ課題がないか、接し方を徹底的に見直す
 患者さんに「味方」と感じてもらう
 体調が悪い事(便秘、不眠、風邪、膀胱炎など)により攻撃的になることがありますので、病院受診や薬の調整などを考える
 不満、怒り、不安、恐怖、過去の悔しかったことに固執しているなどが原因となっていることもありますので、攻撃的言動のみに振り回されず、背景を知る
 相手に関わる側が嫌悪感や恐怖を持ってしまっていないか見直す
 無理に関わろうとしない、距離をとる、相性のいいスタッフと交代する
 安心や自信の機会づくり

起こり

投稿者: おばた内科クリニック

2019.04.29更新

急性心筋梗塞患者さんでは腎機能障害を伴っている事が多く、この腎機能障害が死亡率や心臓血管障害に伴う死亡の悪化にも繋がっているとされています。

東北大学の上月正博氏らは、急性心筋梗塞患者さんを対象に運動がもたらす腎機能への影響を検討し、急性心筋梗塞発症後に身体活動量を高く保つことは、腎機能障害の抑制に繋がる結果を報告しました。

入院中に運動療法や生活指導、カウンセリングなどの包括的なリハビリテーションを実施された心筋梗塞後の41人の患者さん(男性35例、平均年齢67.5±12.6歳)を対象に退院時と退院3ヶ月後に採血、尿検査、身体機能検査を行い、運動と腎機能の関係を検討。 退院後の運動量の評価として、活動量計を装着し1日の歩数を記録。

1日の歩数と3メッツ超の身体活動時間によって、活動量を低いグループと高いグループに分類。 運動量の低いグループ:2,335±1,219歩/日、18.3±11.0分/日、21例 運動量の高いグループ:7,102±2,365歩/日、56.8±24.1分/日、20例 *3メッツ超の活動の目安は、子供さんや犬を連れての歩行、屋内の掃除、階段昇降程度です。

検討結果は、運動量の低いグループでは腎機能が悪化(eGFR2.9mL/分/1.73m2低下)していたのに対し、高いグループでは腎機能の改善(eGFR6.7mL/分/1.73m2増加)を認めました。 常日頃の運動により、腎機能障害の改善が期待でき、死亡率や心臓血管障害に伴う死亡率の改善も期待されますので、散歩などの運動を心がけるのが良いと思います。

PLoS One. 2019 Feb 19;14(2):e0212100. doi: 10.1371/journal.pone.0212100. eCollection 2019.

投稿者: おばた内科クリニック

2019.04.14更新

2019年4月13日土曜日にBiVi天神におきまして「第21回七隈アルツハイマー病・パーキンソン病研究会」が開催されました。

基礎と臨床から報告があり、結論からご報告させて頂きますと、「ラベンダー精油と八味地黄丸は認知症治療に期待できる」ということです。

 

・睡眠不足による海馬の病態生理学的変化に対するラベンダー精油の効果

  福岡大学薬学部 臨床薬物治療学教室 村田 雄介先生

 これまでもアルツハイマー病患者さまにアロマセラピーの有用性が報告させていましたが、どのような作用が有効であるのかは不明な点がありました。

 今回の報告では、ラベンダー暴露により、

 ・神経栄養の経路が活性化される

 ・神経損傷が抑えられる

 ・神経新生が促進される

 などの可能性が示唆されました。

 

・脳における糖尿病関連因子に対する八味地黄丸の効果 アルツハイマー病との関連1

  福岡大学薬学部臨床疾患薬理学教室 福留 凌太先生

 脳GLP-1受容体に対する八味地黄丸の効果 アルツハイマー病との関連2

  福岡大学薬学部臨床疾患薬理学教室 比嘉 可南子先生

 八味地黄丸は糖尿病や高血圧治療に用いられていますが、福岡大学薬学部臨床疾患薬理学教室での研究によりアルツハイマー型認知症による認知機能障害の改善が期待されています。

 今回の報告にて、八味地黄丸が糖尿病による血管内皮細胞障害や神経細胞障害の進行を抑制を抑制することにより、空間記憶障害の進行が抑制された可能性が報告されました。

現在アルツハイマー型認知症に対する根本的な治療薬はありませんが、今後の認知症発生や改善を期待する方法としてラベンダーや八味地黄丸も考えて良いと思います。

注意点としては、八味地黄丸は薬であることから副作用出現の可能性もあり、使用をご希望される方は主治医の先生にまず相談されて下さい。

投稿者: おばた内科クリニック

2019.03.30更新

東北大学は3月14日、世界初のアルツハイマー型認知症に対する超音波治療の医師主導治験において安全性が確認でき、本格治験へ進むことを発表しました。
アルツハイマー型認知症は症状を改善させる事が期待できる薬剤がいくつかありますが、根本的な治療法は確立されていません。
この治療法の有効性が認められれば、世界初のアルツハイマー型認知症に対する根本的な治療法となることが期待されますので期待しています。

以下要約を記載させて頂きます。
 アルツハイマー型認知症は、認知症の原因となる代表的な病気ですが、症状の改善を期待させる事が出来る治療法はいくつかありますが、根本的な治療法は確立されていません。
低出力パルス超音波は、近年細胞や組織障害が少ない治療法として注目されています。
東北大学の下川教授らのグループは、この低出力パルス波超音波を全脳に照射することにより、認知症モデルマウスのアルツハイマー型認知症の原因とされているアミロイドβの蓄積を著明に減少させたことを報告しました。
同グループは、2018年6月よりまず安全性の評価を中心とした治験を行い、2019年3月11日に開催された安全評価委員会で安全性が確認されたことから、2019年4月より有効性を確認するための治験を開始することを報告しました。

▼関連リンク
・東北大学 プレスリリース
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2019/03/press-20190314-01-shimokawa.html

投稿者: おばた内科クリニック

2019.03.17更新

周辺症状:夕暮れ症候群 に対する豆知識


認知症の症状には記憶障害などの中核症状と、徘徊や妄想などの周辺症状があります。
患者さまやご家族の環境にもよりますが、中核症状には薬物治療や食事・運動療法が中心となりますが、周辺症状はご家族での対応によって落ち着かれる事かありますので、活用されてみてください。
今回はお昼間は穏やかに過ごされているのですが、夕方や夜になると落ち着かれなくなったり、不機嫌になってしまう「夕暮れ症候群」についてお話をさせて頂きます。

ポイント
 夕方になると落ち着かない、不機嫌になる

対応
 ・1日全体の活動や刺激のバランスを点検する。
  特に、午後の疲れすぎや不安が高まらないよう、過ごし方を見直す

 ・ケアする側のストレスをやわらげ、ゆったりした雰囲気づくりを心がける

 ・夕暮れどきのひとときを一緒に過ごす役のスタッフを決めたり、本人の仕事や楽しみごとをつくる

 ・症状が出はじめるタイミング、シグナルがないかを心がけ、早めに不安や不穏の緩和を心がける

投稿者: おばた内科クリニック

2019.03.02更新

認知症の症状には記憶障害などの中核症状と、徘徊や妄想などの周辺症状があります。

患者さまやご家族の環境にもよりますが、中核症状には薬物治療や食事・運動療法が中心となりますが、周辺症状はご家族での対応によって落ち着かれる事かありますので、活用されてみてください。

 

ポイント
 現実にはないものを見た(幻覚)、聞いた(幻聴)という

対応
 ・介護者があわてたり、奇異な受け止め方をしない
 ・否定せず、安心するような受け答えをする
 ・幻覚の原因と思われるものを、何であるか知らせてあげたり、触らせて確認させたりする
 ・幻覚の原因となるものを置かない、壁にかけないなどして環境を整える

投稿者: おばた内科クリニック

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