クリニックブログ

2019.09.08更新

先日腰の痛みについて話しをさせて頂きました。 腰が痛む場合は、下肢の痛みやしびれを伴うこともあります。 今回は、下肢の痛みについて、話しをさせて頂きます。

下肢の痛みは、大きく分けて腰の痛みを伴う腰椎疾患、動脈硬化症などの血管疾患、糖尿病などによる末梢神経障害によるものに分類します。

  

・腰椎疾患による痛み

 腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などにより、腰から下肢にかけての神経を圧迫することにより生じる痛みで、坐骨神経痛と呼ばれます。

 痛みの範囲により、腰のどの部位がおかしいのか診断できます。 

皮膚分節2

*頭の下からお尻までの椎骨は上から順に頚椎(C)7個、胸椎(T)12個、腰椎(L)5個、仙椎(S)5個並んでいます。

 

・血管疾患による痛み

 血管は動脈と静脈の2種類があります。

 動脈によるものとして多いのは、閉塞性動脈硬化症です。糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病や喫煙歴などがある方は注意が必要です。初期は一定距離を歩くとふくらはぎなどの締めつけ感や痛みが出現しますが、休むと症状は改善します。しかし症状が進行しますと安静時にも痛みが出現し足の冷たい感じ(冷感)や皮膚が壊死したりします。

 静脈によるものとして多いのは、下肢静脈瘤が多いです。足の血管の蛇行を肉眼的に認めます。

 

・末梢神経障害による痛み

 下肢を支配する神経が障害を受けることにより痛みや運動障害が起こります。

 原因としては圧迫によるものや糖尿病などによる動脈硬化により神経を栄養する血管のトラブルによるものが多いです。

 ほか、帯状疱疹というウイルス感染に伴う痛みがあり、皮膚変化を伴う場合は抗ウイルス剤による治療が必要となります。

 

下肢の痛みも原因により、治療法が変わってきます。 当院では、お話・診察・検査(エコー検査、MRI検査、採血)により痛みの原因を探り、リハビリテーションや内服薬による治療を患者さんに合わせて行っています。 お困りの場合はいつでもご相談下さい。

投稿者: おばた内科クリニック

2019.08.25更新

腰の痛みはよくある症状で、多くの方が一度や二度は経験されているかと思います。腰の痛みに片側あるいは両側に痛みが広がることもあります。中には命に関わる病気が隠れていることもあるため、迅速な診断と治療が必要となることがあります。

腰の痛みは大きく分けて、急性腰痛・亜急性腰痛と慢性腰痛に分類されます。

 

急性腰痛・亜急性腰痛

 発症から4週間未満の痛みを急性腰痛、4週間以上3ヶ月未満を亜急性腰痛と言います。 急性腰痛には、感染性脊椎炎などの感染症によるものが含まれますので、注意が必要です。また、高齢者に多い圧迫骨折には多発性骨髄腫や、悪性腫瘍の骨転移なども含まれますので、注意が必要です。

  腰椎椎間関節性腰痛

   全腰痛の占める頻度として、若年者で15%、高齢者で40%以上を占め、高齢者に多い原因として、椎間板が細くなることにより、椎間関節に負担がかかることが考えられえいます。

  腰椎椎間板性腰痛

   若年者から50歳までの若い年齢層で多くみられます。椎間板内に神経はありませんが、周りの組織の損傷などにより痛みが生じます。

 

慢性腰痛

 発症から3ヶ月以上継続する場合を慢性腰痛と言います。 慢性疼痛においては、筋肉への負荷のバランスが悪くなっており、筋肉の痙攣などによって痛みが生じてきます。また、長期間の痛みによって精神的にも負担となりますと、体を動かせない事によって更に痛みが強くなることがあります。

 

腰痛の治療で大事なことは、痛みが出た時に十分な治療を行い、痛みが長く続かないようにすることです。 痛みが長期化すると慢性疼痛に移行し、治療がより難しくなってきますので、痛みが出現した場合は早期診断・治療をおすすめします。

腰椎圧迫骨折

投稿者: おばた内科クリニック

2019.08.11更新

糖尿病は血管性認知症(脳梗塞や脳出血による認知症)の危険因子のみならず、アルツハイマー型認知症との関係も指摘されています。

デンマークのBispebjerg-Frederiksberg病院のJørgen Rungby氏らは2019年6月アメリカ糖尿病学会にて、糖尿病治療薬と認知症の関係を検討し、一部の糖尿病治療薬が認知症の発症リスクを軽減させる可能性について報告しました。

研究は、2型糖尿病患者17万6250例を対象とし、糖尿病治療薬が認知症発症リスクに与える影響を検討しました。 糖尿病治療薬として、インスリン、メトホルミン、SU薬またはグリニド系薬、チアゾリジン系薬、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬、アカルボースに分類。

結果は糖尿病治療薬の使用者では、GLP-1受容体作動薬とSGLT2阻害薬でリスクが半減。 糖尿病治療薬の使用歴がない者では、メトホルミン、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬でリスクが低減していました。なお、これらの治療薬の使用量増加に伴い認知症発症のリスクは低減することが示唆されましたが、治療薬を複数用いても効果は認められませんでした。

糖尿病治療薬と認知症 Medical Tribuneより抜粋 https://medical-tribune.co.jp/news/2019/0612520413/

Rungby氏は「2型糖尿病患者において、メトホルミン、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬の使用は認知症リスクの低下と関連していた」と結論しました。

注意点は、高齢者糖尿病の特徴として、発汗・動悸・手のふるえなどの低血糖症状が目立たず、ふらふらする・動作がぎこちない・目がかすむなどの非典型的な症状が出やすいことです。2017年に報告された「高齢者糖尿病診療ガイドライン」では、重症低血糖が心配されるインスリン、SU薬またはグリニド系薬の使用がある患者さんでは、血糖コントロール目標として、認知機能が正常な方でもHbA1cは8.0%未満とし7.0%以下にならないようにする。中等度以上の認知症がある患者さんでは7.5%以下にならないように加減している事です。

現在糖尿病の診断、あるいは糖尿病予備群の診断がある患者さんで、認知症が心配としてもご自身の判断で薬は調整せずに、かかりつけの先生に相談されて下さい。

投稿者: おばた内科クリニック

2019.07.27更新

イギリスのエクセター大学のAnne Corbett氏らは、クロスワードパズルや数独が高齢者の脳の老化を防ぐ効果があることを報告しました。

この研究は、認知機能が正常な50〜93歳の男女1万9,078人を対象に、オンライン上で実施したもので、参加者には毎年、クロスワードパズルや数字のパズルを行う頻度について尋ねたほか、複数の認知機能テストを行い、記憶力や注意力、判断力、実行力などを評価しました。

その結果、これらのパズルを1日1回以上行う人では、たまに行う人や全く行わない人に比べて認知機能テストの成績が高いことが分かりました。

注意点は、これらのパズルを行うと脳の老化を防ぐ効果がありますが、アルツハイマー型認知症などの認知症を予防できることを示したわけではない事です。

アルツハイマー型認知症は認知症を発症する20年以上前から、脳の病変が生じはじめていることが分かっています。 認知症の根本的な治療が困難な現在においては、体を動かすなどの身体的な老化の衰えを予防しつつ、パズルを解くなどの脳の活動も習慣的に行うことが大事と考えます。

参考文献

Brooker H, et al. Int J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov 15.

Brooker H, et al. Int J Geriatr Psychiatry. 2019 Feb 11.

投稿者: おばた内科クリニック

2019.07.14更新

足の付根(股関節、大腿骨近位部)や背骨の骨折(脆弱性骨折)を起こすと生活機能が低下し、骨折前の状態まで回復するのは難しいと言われ、場合によっては寝たきりになる可能性が高まります。
平成28年の厚生労働省の「国民生活基礎調査」によりますと、要介護者等について、介護が必要になった主な原因についてみると、「認知症」が18.7%と最も多く、次いで、「脳血管疾患(脳卒中)」15.1%、「高齢による衰弱」13.8%、「骨折・転倒」12.5%となっています。
よって、いかに骨折を防ぐかが大事となり、骨折の原因となり得る骨粗鬆症の有無を調べる骨検診が必要です。

介護の原因疾患

 

特に以下の点に当てはまる方は骨検診を受けられることをおすすめします。

・身長が2cm以上低下した
・壁に沿って立った時に後頭部との間に隙間がある
・骨粗鬆症のご家族がいる
・糖尿病である
・慢性腎臓病である
・慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)である
・閉経している
 *骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版より

原発性骨粗鬆症の診断手順(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版より)

骨粗鬆症の診断手順

投稿者: おばた内科クリニック

2019.06.30更新

湿度があがり、気温も上昇してきた今、注意しないといけないのは食中毒です。
食中毒に関する注意点を述べさせて頂きたいと思います。

・色や匂いで判断できる?
→判断できない
色や匂いが変わっているということは腐敗を意味します。
食中毒は、サルモネラや腸炎ビブリオ、ブドウ球菌、腸管出血性大腸菌であるO157や寄生虫であるアニサキスやウイルスであるノロウイルスなどですので、細菌やウイルスがついても色や匂いは変わりませんので、注意が必要です。

・冷蔵庫に入れているから大丈夫?
→安心とは限らない
食中毒を起こす細菌の多くは高温になると増殖が活発になり、10度以下であれば増殖のスピードは遅くなりますので、冷蔵庫での保存は効果的です。
ですが、室温が高い状態で10秒ほど冷蔵庫を開けていると、庫内の温度は10度ほど上昇し、元に戻るのに15分ほどかかると言われていますので、開閉はスムーズに行う必要があります。

・刺し身は真水で洗う
腸炎ビブリオ菌は、塩分のあるところで増殖しますので、刺し身は真水で洗い、すぐに食べる必要があります。

・お肉はよく焼いてから食べる
牛や豚などのを畜場で処理する過程で腸内にいる腸管出血性大腸菌やサルモネラなどの細菌がお肉に付着したり、E型肝炎ウイルスなどのウイルスや寄生虫が感染する場合があります。
お肉やレバーなどの内蔵は、よく加熱してから食べましょう。

・カレーはお温めておけば、室温で保存で大丈夫?
→加熱したあとは冷却し、冷蔵庫で保存
カレーなどの煮込み料理で注意しないといけないのはウェルシュ菌による食中毒です。
ウェルシュ菌は、酸素のないところで増殖し、芽胞といった植物のたねのようなものを作ります。この芽胞がやっかいなもので、摂氏100度での1〜6時間の加熱に耐えることです。
よって、加熱は十分に行う、室温では放置せずに速やかに冷却し10度以下に保存することを心がけて下さい。

・手を怪我している時は特に注意する
手に怪我をしていて、化膿など感染している場合、ブドウ球菌が付着していることがあります。
ブドウ球菌は食中毒の原因となります。
ブドウ球菌は毒素を作り、この毒素は摂氏100度での30分の加熱にも耐え、ブドウ球菌による食中毒は体に入った3時間後から起こり、腹痛や下痢などの症状が特に強いため、怪我をしている時は、手袋をするくらいが良いかもしれません。

投稿者: おばた内科クリニック

2019.06.16更新

アミロイドβはアルツハイマー型認知症の原因の1つとされています。

2013年アメリカのワシントン大学の研究班が「JAMA Neurology」誌に発表した論文によると、入眠困難や中途覚醒、早朝覚醒などがある睡眠が不安定な人は、睡眠が安定している人に比べてアミロイドβの蓄積が5.6倍ということがわかりました。

よって、いかに睡眠の質を上げるのかが大事ですが、最近の研究では昼寝の習慣がある人はアルツハイマー型認知症になりにくいとされています。
注意点は、1時間以上の昼寝の習慣は、逆にアルツハイマー型認知症になりやすいという事です。

認知症患者さんは体内時計の調節障害がより強く現れ、深部体温やメラトニン分泌リズムが平坦化・不規則化して昼夜の差が不明瞭になるため、昼夜逆転による日中の過剰な眠気、夜間の不眠や中途覚醒などの睡眠障害が高い頻度で認められます。
その傾向は午後1~3時にかけて最も強く現れると報告されていますので、眠気の出たお昼間に20〜30分程度昼寝をすることをおすすめします。

20〜30分で起きる自信がない方は、カフェインは飲んでから15分ほどして効果が出てきますので、昼寝の直前に紅茶やコーヒーなどを飲むと良いかもしれません。

短時間の昼寝は脳疲労の軽減と機能回復をもたらし、就寝までの覚醒状態を適正に維持する効果が期待できます。

また、昼間に適度な運動を行うことはメラトニン分泌を介した睡眠周期の調節を正常にして、睡眠・覚醒パターンを規則化するのに有効であることが示唆されていますので、睡眠のリズムがうまくいっていない方は、昼寝を20〜30分程度行い、その後適度な運動を行うことがベストのようです。

高齢者での激しい運動は逆効果となる報告があり、適正な運動強度は散歩や屋内での掃除、階段昇降程度とされています。

投稿者: おばた内科クリニック

2019.06.02更新

認知症の症状には記憶障害などの中核症状と、徘徊や妄想などの周辺症状があります。

患者さまやご家族の環境にもよりますが、中核症状には薬物治療や食事・運動療法が中心となりますが、周辺症状はご家族や施設スタッフでの対応によって落ち着かれる事かありますので、活用されてみてください。

 

周辺症状:拒否

 

ポイント

 食事、入浴、介護などを受け入れてくれない、抵抗される

 

対応

・拒否があっても介護者側が過剰に反応しない

・無理強いをしない

・関わる側や環境の問題を見直す「この人なら任せていい」という安心感が得られるよう、1日を通しての接し方を配慮する

・要望・希望に耳を傾け、可能であれば、本人の満足感を満たせるよう支える

・落ち着いたところで再び声をかけてみる

・本人の好みのことに誘い、本人にとっての自然な流れで食事、入浴などに移れないか考えてみる

投稿者: おばた内科クリニック

2019.05.19更新

認知症の症状には記憶障害などの中核症状と、徘徊や妄想などの周辺症状があります。
患者さまやご家族の環境にもよりますが、中核症状には薬物治療や食事・運動療法が中心となりますが、周辺症状はご家族や施設スタッフでの対応によって落ち着かれる事かありますので、活用されてみてください。

周辺症状:攻撃的言動

ポイント
 自尊心が傷つけられたとき、考え方などに行き違いがあるときなどに攻撃的になることがあります

対応
 施設スタッフ側の言動のほうにむしろ課題がないか、接し方を徹底的に見直す
 患者さんに「味方」と感じてもらう
 体調が悪い事(便秘、不眠、風邪、膀胱炎など)により攻撃的になることがありますので、病院受診や薬の調整などを考える
 不満、怒り、不安、恐怖、過去の悔しかったことに固執しているなどが原因となっていることもありますので、攻撃的言動のみに振り回されず、背景を知る
 相手に関わる側が嫌悪感や恐怖を持ってしまっていないか見直す
 無理に関わろうとしない、距離をとる、相性のいいスタッフと交代する
 安心や自信の機会づくり

起こり

投稿者: おばた内科クリニック

2019.04.29更新

急性心筋梗塞患者さんでは腎機能障害を伴っている事が多く、この腎機能障害が死亡率や心臓血管障害に伴う死亡の悪化にも繋がっているとされています。

東北大学の上月正博氏らは、急性心筋梗塞患者さんを対象に運動がもたらす腎機能への影響を検討し、急性心筋梗塞発症後に身体活動量を高く保つことは、腎機能障害の抑制に繋がる結果を報告しました。

入院中に運動療法や生活指導、カウンセリングなどの包括的なリハビリテーションを実施された心筋梗塞後の41人の患者さん(男性35例、平均年齢67.5±12.6歳)を対象に退院時と退院3ヶ月後に採血、尿検査、身体機能検査を行い、運動と腎機能の関係を検討。 退院後の運動量の評価として、活動量計を装着し1日の歩数を記録。

1日の歩数と3メッツ超の身体活動時間によって、活動量を低いグループと高いグループに分類。 運動量の低いグループ:2,335±1,219歩/日、18.3±11.0分/日、21例 運動量の高いグループ:7,102±2,365歩/日、56.8±24.1分/日、20例 *3メッツ超の活動の目安は、子供さんや犬を連れての歩行、屋内の掃除、階段昇降程度です。

検討結果は、運動量の低いグループでは腎機能が悪化(eGFR2.9mL/分/1.73m2低下)していたのに対し、高いグループでは腎機能の改善(eGFR6.7mL/分/1.73m2増加)を認めました。 常日頃の運動により、腎機能障害の改善が期待でき、死亡率や心臓血管障害に伴う死亡率の改善も期待されますので、散歩などの運動を心がけるのが良いと思います。

PLoS One. 2019 Feb 19;14(2):e0212100. doi: 10.1371/journal.pone.0212100. eCollection 2019.

投稿者: おばた内科クリニック

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