クリニックブログ

2018.10.14更新

症状
 前兆の最中あるいは消失後60分以内に、通常対側の前頭〜側頭部に拍動性の頭痛が出現する。
 痛みのピークが過ぎるとズーンとした痛みに変わることがあり、半数以上は拍動性ではないと感じる。
 約60%は片側性であるが、常に同側とは限らず反対側に痛みが起こったり、両側に起こることもある。
 1〜6時間増強したあと、通常4〜24時間で消退し、長いときは3日間持続することがある。


前兆とは
 頭痛の前に出現するか、あるいは頭痛と同時に起こる脳の局所神経症状で、視覚症状、感覚症状、言語症状がある。
 最もよくみられるのは視覚症状で、閃輝暗点が多い。
 閃輝暗点とは、視野の中心が見えにくくなり、その周辺にきらきら輝く鋸歯状の模様が見えるもの。

罹患者数
 本邦の頭痛患者は4000万人と推定され、なかでも片頭痛の有病率は840万人にのぼるとされ、片頭痛の有病率は8.4%。女性の有病率は男性の3.6倍。

発症しやすい年齢と性差
 20〜50歳代に多く、女性の有病率は男性の3.6倍。
 約半数に家族内発症を認め、特に母親に頭痛を有する事が多い。
 初発は10〜30歳の間に多い。 なお、前兆のない片頭痛は前兆のある片頭痛より約2倍多い。

原因
 血管や三叉神経を起源とする末梢説と片頭痛発生器官や下行性痛覚抑制系を重視する中枢説があり、両者とも関与しているとされるが詳細は不明。
 誘因として身体・精神的因子(疲労、ストレス、激しい運動、性交、睡眠不足・過多、空腹など)、食事因子(チョコレート、コーヒー、紅茶、熟成チーズ、ソーセージ、柑橘類、海藻、香辛料、ナッツ、飲酒など)、薬剤(経口避妊薬、エストロゲン療法・離脱、亜硝酸・降圧薬などの血管拡張薬など)、環境因子(入浴・冷暖房による温度差、騒音、炎天、気圧差、臭気など)、アレルギー性因子(アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、気管支喘息など)などが挙げられる。
受診の必要性
 軽度の片頭痛であれば、市販薬にて改善することから受診の必要性は低い。
 しかし、器質的疾患を有するものによる頭痛や、不適切な治療などによって生じる薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)があるので、月に10回以上薬を服用するような場合や症状の改善が乏しい場合は神経内科、脳神経内科、脳神経外科の受診が推奨される。

検査内容
 脳腫瘍や脳出血などによる頭痛を鑑別するために、頭部CTや頭部MRIによる画像検査

治療可否
 頭痛の発作が軽く、月に1〜2回の発作で、市販薬をはやめに服用すれば日常生活に支障ない場合は市販薬で様子観察可。
 市販薬で改善ない場合や、月に10回以上服薬が必要な場合や症状の改善が乏しい場合は神経内科、脳神経内科、脳神経外科受診による専門的な治療が必要。

治療法
 保険適応のある治療は内服治療。
 発作時に内服する治療薬としてアセトアミノフェン製剤、非ステロイド系鎮痛薬、トリプタン製剤、エルゴタミン製剤が主に使用される。
 ただし、エルゴタミン製剤は子宮収縮作用、催奇形性の問題があるため妊婦や授乳中には使用しない。
 月に10回以上発作のために薬を服用する場合は、薬物乱用頭痛を起こさないように抗てんかん薬、β遮断薬、Ca拮抗薬などの予防薬を投与する。

治療期間
 対症療法が中心となり、根本治療は困難であるが、加齢とともに発作は減少する。
 頭痛の程度や頻度が許容範囲となれば、治療は終了。

投稿者: おばた内科クリニック

2018.09.30更新

喫煙による脳血管障害や心臓血管障害、呼吸器疾患、がんなどのリスクは知られていますが、認知症の悪化の原因ともされています。

韓国のSang Min Park氏らは、韓国の健康保険データベースを用いて喫煙と認知症のリスクについて検討し、喫煙患者では認知症のリスクが高いと報告しました。

Park氏らは、2002年から2013年に実施された健康スクリーニングプログラムから、60歳以上のおよそ4万6千人のデータを検討。

*韓国では女性の喫煙率は低いため除外されています

参加者の喫煙習慣を、継続喫煙者、短期喫煙者(喫煙期間4年未満)、長期禁煙者(禁煙期間4年以上)、喫煙非経験者に分類し、全ての認知症、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症の発症状況を分析しました。

継続喫煙者に対する長期禁煙者と喫煙非経験者の全ての認知症のリスクはそれぞれ14%および19%低く、喫煙者に対する喫煙非経験者のアルツハイマー型認知症のリスクは18%低かったです。 また、喫煙者に対する長期禁煙者と喫煙非経験者の脳血管性認知症のリスクはそれぞれ32%および29%低かったです。

喫煙が認知症のリスクとなることは報告されていましたが、これまでは欧米を対象とした報告であり、今回のアジア人を対象とした報告は貴重なものと考えます。

喫煙は先程述べました脳や心臓の血管障害や呼吸器疾患、がんなどだけではなく、認知症のリスクともなっていますので、禁煙がより重要と考えます。

Effect of smoking cessation on the risk of dementia: a longitudinal study Sang Min Park First published: 05 September 2018 https://doi.org/10.1002/acn3.633

投稿者: おばた内科クリニック

2018.09.16更新

10月1日より診療体制変更に伴い、在宅医療(訪問診療・往診)を開始します。

当院初診の患者さまの場合、現在治療中の病気やアレルギーなど患者さまの状態の把握が不十分となってしまう事がありますので、安全確保のためにも当面は当院かかりつけの患者さまを対象とさせて頂きます。在宅医療をご検討されている患者さまは一度クリニックまでご相談下さい。大変恐縮でございますが何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。

在宅医療とは?

 在宅医療とは、具合が悪くなったときだけ医師が診療に伺うものではありません。

 体の動きが悪くなってしまいお一人では通院が困難な患者さまや認知症により定期的な病院受診が困難となってしまった患者さまのお宅に、訪問診療といった定期的な診療を計画的に行い在宅での生活を少しでも長く行わせて頂きます。定期訪問に加え、緊急時には必要に応じて往診を行わせて頂き、必要に応じて入院先の手配などを行います。

訪問範囲

 当院の訪問範囲は、原則クリニックより半径2km圏内となりますが、患者さまの状態によって変わりますのでお問い合わせ下さい。

 クリニックから2km

診療の流れ

訪問診療のご依頼

 患者さまの情報を頂き、当院にて対応可能か検討させて頂きます。

 当面はかかりつけの患者さまを対象とさせて頂きますので、外来受診時にお声かけ下さい。

診療前連絡

 訪問診療が可能な場合、初診日の連絡や今後の流れについてご説明させて頂きます。

診療

 ご自宅に訪問し、診療させて頂きます。

 受診頻度 患者さまの状態に応じて月に1~2回程度訪問させて頂きます。

 訪問診療時間は月・火・木・金曜日の午後を中心に行わせて頂く予定です。

 *急な発熱や腹痛など急変時にはご連絡下さい。

検査について

 血液・尿検査など簡便なものはご自宅で行わせて頂きます。

 その他のレントゲン検査、超音波検査、MRI検査などはクリニックにて行わせて頂きます。

薬について

 院外処方となります。

 ご自宅まで宅配していただける薬局がありますので、ご相談下さい。

投稿者: おばた内科クリニック

2018.09.01更新

赤ワイン摂取は認知症の予防効果があるとされており、これまで肝臓の機能障害などアルコール摂取に問題ない方にはこれまで1日1杯程度の摂取をすすめてきました。

この度、スイスのチューリッヒ大学のKarina Fischer氏らの研究により女性ではアルツハイマー型認知症の発症率が高いとの報告がありました。
一方でフランスのパリ・サクレー大学のSeverine Sabia氏らの研究では中年期に飲酒していない場合は認知症のリスクが高かったと報告されました。
両者の報告での共通点は過度の飲酒は認知症のリスクが高いとのことです。

一般的に日本人は欧米人を比較しアルコールの分解力が低いことから、お酒を楽しむときは少量にとどめほろ酔い程度が良いようです。


タイトル
Prospective Associations between Single Foods, Alzheimer's Dementia and Memory Decline in the Elderly.
機関紙
Nutrients. 2018 Jun 29;10(7); pii: E852.
著者
Karina Fischer

75歳以上の2,622人を対象に、10年に渡りアルツハイマー型認知症の発症などについて調査を行った。
赤ワインにおいて男性では発症率が低下したが、女性では発症率が高かった。
女性では飲酒による有害な影響が受けやすい可能性を報告。


タイトル
Alcohol consumption and risk of dementia: 23 year follow-up of Whitehall II cohort study.
機関紙
BMJ (Clinical research ed.). 2018 Aug 01;362;k2927. doi: 10.1136/bmj.k2927.
著者
Séverine Sabia

35歳〜55歳の1万308人を対象に、1985~88年から2002~04年までの間に5回調査を行い、アルコール摂取と認知症発症率などについて調査を行った。
中年期に飲酒していない群では認知症のリスクが高かったが、適量の群では認知症リスクの増加はなかった。
しかし、飲酒量が増加した群では認知症のリスクが高かった。

投稿者: おばた内科クリニック

2018.08.14更新

近く京都大のチームがiPS細胞(人の人工多能性幹細胞)を用いたパーキンソン病に対する治験を開始する方針となりました。

パーキンソン病は脳内での神経伝達物質であるドーパミンを出す神経細胞が減ることにより、手足の震えや体のこわばり、体の動かしにくさなどを起きる病気です。
現在内服治療や脳深部刺激療法などの外科的治療、リハビリテーションによる治療が行われていますが、病気を治すことは困難であり徐々に症状が進行してしまうことが多いです。

チームは既に、患者さんや健康な人のiPS細胞から作った神経細胞をパーキンソン病のサルに移植し、最長2年間観察し症状が改善し、がん化する可能性のある腫瘍ができなかったことを確認しています。

この治験が順調にすすめば、現在病気で苦労されている患者さんやご家族の多いな助けになると思います。
また、この治療法を応用することでパーキンソン病だけではなく認知症などの神経難病にも効果が期待できると思います。

投稿者: おばた内科クリニック

2018.07.29更新

糖尿病の治療は、食事療法や運動療法がまず行われます。
これらの治療で良くならない場合は、内服薬による治療やインスリンによる治療を行います。
現在の内服薬治療の第一選択薬はメトホルミン(メトグルコなど)が多くなってきています。
従来はSU薬(アマリール、ダオニール、グリミクロンなど)もよく使用されていましたが、低血糖の危険などから使用頻度が下がってきています。
今回カナダでメトホルミンによる治療を行われましたが、効果が思わしくなかった患者さんにSU薬を上乗せした場合とSU薬に切り替えた場合を比較検討した研究結果が報告されました。
結果はSU薬を使用したほうが心筋梗塞、脳血管障害、心臓血管障害による死亡、死亡および重症低血糖のリスクが増大する事が分かりました。
SU薬を上乗せした場合と切り替えた場合では、いくらか上乗せが安全でした。
糖尿病治療に限ったことではありませんが、可能な範囲で内服する薬は減らせればと思います。
食事療法や運動療法を心がけることで、現在服用している薬を減らすことが期待できますので、いつでもご相談下さい。

投稿者: おばた内科クリニック

2018.07.22更新

CVD

右手足の動かしにくさにて来院された患者さんの頭部MRIです。

特殊な撮影方法で、白い部分が脳梗塞の所見です。

暑い日は体の水分が不足するような形で、血管が詰まりやすくなることもあります。

脳梗塞は初期対応が重要な病気ですので、何か気になる場合は脳神経を専門とする医療機関を受診されることをおすすめします。

熱中症は屋外だけではなく、屋内でも発症することがありますので、可能な範囲冷房を使用されるようにされて下さい。

投稿者: おばた内科クリニック

2018.07.01更新

概念
 体が動かしにくくなる病気の1つです。
 特徴的な症状は無動(動作緩慢)、静止時振戦、筋強剛(固縮)、姿勢反射障害で、これらを総称して4大症状と呼びます。
 また、便秘などの自律神経症状、嗅覚を含めた感覚障害、認知・精神機能障害、睡眠 障害などの非運動症状も注目されています。
 無動(動作緩慢)
  歩こうとした時に足がすくんでしまうすくみ足、歩くと段々と早くなって止まれなくなってしまう加速歩行などがあります
 静止時振戦
  じっとしている時に手や足が震えてしまう症状で、緊張など精神的ストレスがかかると増悪してしまうことがあります
 筋強剛(固縮)
  体が固くなってしまうことです
 姿勢反射障害
  体が前かがみになったり、バランスを崩しやすくなることです

疫学
 10万人に100人~150人くらいで発症し、中高年以降に好発します。

診断
 頭部CT検査やMRI検査では明らかな異常は認められません。
 ドパミントランスポーターイメージング(DATスキャン)にて、線条体という脳組織の一部分に変化を認めます

治療
 現在の医療では、病気自体を治すことは難しく、体の動かしにくさを改善する治療が中心となります。
 内服薬による内科的な治療とリハビリテーションが中心となります。
 患者さんの状態によって、脳深部刺激治療などの外科的治療を行います。

投稿者: おばた内科クリニック

2018.06.16更新

熱中症とは?
 ・高温環境下で、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして、発症する障害の総称です。
 ・死に至る可能性のある病態です。
 ・予防法を知っていれば防ぐことができます。
 ・応急処置を知っていれば救命できます。

どのような場所でなりやすいか
 高温、多湿、風が弱い、輻射源(熱を発生するもの)があるなどの環境では、体から外気への熱放散が減少し、汗の蒸発も不十分となり、熱中症が発生しやすくなります。

どのような人がなりやすいか
 ・脱水状態にある人
 ・高齢者
 ・肥満の人
 ・過度の衣服を着ている人
 ・普段から運動をしていない人
 ・暑さに慣れていない人
 ・病気の人、体調の悪い人

水分減少率と主な症状
 ・〜2%:のどの渇き
 ・3〜4%:食欲不振、イライラする、皮膚の紅潮、疲労困ぱい
 ・5%〜:言語不明瞭、呼吸困難、身体動揺、けいれん

子供の特徴
 ・地面の照り返しにより、高い温度にさらされやすい
 ・汗腺などが未熟
  ⇛体温調節機能が未熟のため、熱中症にかかりやすい

高齢者の特徴
 ・のどの渇きを感じにくい
 ・汗をかきにくい
 ・暑さを感じにくい
  ⇛体温を下げるための体の反応が弱くなっており、自覚がないのに熱中症になる危険がある

熱中症予防のポイント
 ・部屋の温度をこまめにチェック
 ・室温を28度超えないように、エアコンや扇風機を使用する
 ・のどが渇かなくてもこまめに水分補給
 ・外出の際は、体を締めつけない涼しい服装で、日よけ対策も行う
 ・無理をせずに、適度に休憩をとる
 ・日頃から栄養バランスの良い食事と体力作りを行う

熱中症になった時は?
 意識がある、反応が正常な時
  涼しい場所へ避難させる
  衣服を脱がせ、身体を冷やす
  水分・塩分を補給する
  *水を自力で飲めない、症状が改善しない場合は医療機関を受診されて下さい
 意識がない、反応がおかしい時
  救急隊を要請する
  涼しい場所へ避難させる
  衣服を脱がせ、身体を冷やす
 体を冷やす場所は、首の周り、脇の下、太もものつけねなど太い血管の部分が効果的です

 

 

 

 

投稿者: おばた内科クリニック

2018.06.04更新

おばた内科クリニックの尾畑です。

体の動かしにくさについて、「右手を動かす」を例に動画にまとめてみましたので、是非ご視聴下さい。

これから文章だけではなく、動画での情報も増やしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

投稿者: おばた内科クリニック

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