クリニックブログ

2019.09.22更新

認知症の原因として最も多いとされるアルツハイマー型認知症。

物忘れの症状を軽減させる、不安や感情のコントロールが難しいなどの症状を緩和させる治療法はありますが、根本的な治療は難しいのが現状です。

ですので、生活習慣に気を配り認知症発症の危険度を少しでも下げる、認知症かな?と思った時点での早期の病院受診を心がける事が大事です。

アメリカのアルツハイマー型認知症の研究者であるDale Bredesen氏は2014年に「リコード法」という統合的な治療法を報告しました。

一般的に、アルツハイマー型認知症の発症には脳内に蓄積したアミロイドβ(Aβ)の蓄積による神経障害が原因とされています。

リコード法では、この原因を(1)炎症性、(2)萎縮性、(3)毒物性、(4)糖毒性、(5)血管性、(6)外傷性の6つに分類し、食事(栄養)、運動、睡眠、ストレスケア、脳トレなどの生活習慣の改善が柱となっています。

具体的には、(1)肉ではなく野菜を中心とする、(2)ココナッツオイルを用いる、(3)ビタミン、ポリフェノールなどの摂取、(4)睡眠の質の向上、(5)運動を心がける、(6)脳トレ、(7)グルタチオン点滴などです。

2018年2月に「アルツハイマー病 真実と終焉 "認知症1150万人"時代の革命的治療プログラム」が発売され、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、気になる方は目を通されてみてはいかがでしょうか。

大事なのは、

(1)出来る事から無理のない範囲で生活習慣の改善を行うこと、

(2)生活習慣の改善を目指す治療プラグラムであるため、家族や介護者などの協力が必要不可欠であることです。

投稿者: おばた内科クリニック

2019.08.11更新

糖尿病は血管性認知症(脳梗塞や脳出血による認知症)の危険因子のみならず、アルツハイマー型認知症との関係も指摘されています。

デンマークのBispebjerg-Frederiksberg病院のJørgen Rungby氏らは2019年6月アメリカ糖尿病学会にて、糖尿病治療薬と認知症の関係を検討し、一部の糖尿病治療薬が認知症の発症リスクを軽減させる可能性について報告しました。

研究は、2型糖尿病患者17万6250例を対象とし、糖尿病治療薬が認知症発症リスクに与える影響を検討しました。 糖尿病治療薬として、インスリン、メトホルミン、SU薬またはグリニド系薬、チアゾリジン系薬、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬、アカルボースに分類。

結果は糖尿病治療薬の使用者では、GLP-1受容体作動薬とSGLT2阻害薬でリスクが半減。 糖尿病治療薬の使用歴がない者では、メトホルミン、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬でリスクが低減していました。なお、これらの治療薬の使用量増加に伴い認知症発症のリスクは低減することが示唆されましたが、治療薬を複数用いても効果は認められませんでした。

糖尿病治療薬と認知症 Medical Tribuneより抜粋 https://medical-tribune.co.jp/news/2019/0612520413/

Rungby氏は「2型糖尿病患者において、メトホルミン、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬の使用は認知症リスクの低下と関連していた」と結論しました。

注意点は、高齢者糖尿病の特徴として、発汗・動悸・手のふるえなどの低血糖症状が目立たず、ふらふらする・動作がぎこちない・目がかすむなどの非典型的な症状が出やすいことです。2017年に報告された「高齢者糖尿病診療ガイドライン」では、重症低血糖が心配されるインスリン、SU薬またはグリニド系薬の使用がある患者さんでは、血糖コントロール目標として、認知機能が正常な方でもHbA1cは8.0%未満とし7.0%以下にならないようにする。中等度以上の認知症がある患者さんでは7.5%以下にならないように加減している事です。

現在糖尿病の診断、あるいは糖尿病予備群の診断がある患者さんで、認知症が心配としてもご自身の判断で薬は調整せずに、かかりつけの先生に相談されて下さい。

投稿者: おばた内科クリニック

2019.07.27更新

イギリスのエクセター大学のAnne Corbett氏らは、クロスワードパズルや数独が高齢者の脳の老化を防ぐ効果があることを報告しました。

この研究は、認知機能が正常な50〜93歳の男女1万9,078人を対象に、オンライン上で実施したもので、参加者には毎年、クロスワードパズルや数字のパズルを行う頻度について尋ねたほか、複数の認知機能テストを行い、記憶力や注意力、判断力、実行力などを評価しました。

その結果、これらのパズルを1日1回以上行う人では、たまに行う人や全く行わない人に比べて認知機能テストの成績が高いことが分かりました。

注意点は、これらのパズルを行うと脳の老化を防ぐ効果がありますが、アルツハイマー型認知症などの認知症を予防できることを示したわけではない事です。

アルツハイマー型認知症は認知症を発症する20年以上前から、脳の病変が生じはじめていることが分かっています。 認知症の根本的な治療が困難な現在においては、体を動かすなどの身体的な老化の衰えを予防しつつ、パズルを解くなどの脳の活動も習慣的に行うことが大事と考えます。

参考文献

Brooker H, et al. Int J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov 15.

Brooker H, et al. Int J Geriatr Psychiatry. 2019 Feb 11.

投稿者: おばた内科クリニック

2019.06.16更新

アミロイドβはアルツハイマー型認知症の原因の1つとされています。

2013年アメリカのワシントン大学の研究班が「JAMA Neurology」誌に発表した論文によると、入眠困難や中途覚醒、早朝覚醒などがある睡眠が不安定な人は、睡眠が安定している人に比べてアミロイドβの蓄積が5.6倍ということがわかりました。

よって、いかに睡眠の質を上げるのかが大事ですが、最近の研究では昼寝の習慣がある人はアルツハイマー型認知症になりにくいとされています。
注意点は、1時間以上の昼寝の習慣は、逆にアルツハイマー型認知症になりやすいという事です。

認知症患者さんは体内時計の調節障害がより強く現れ、深部体温やメラトニン分泌リズムが平坦化・不規則化して昼夜の差が不明瞭になるため、昼夜逆転による日中の過剰な眠気、夜間の不眠や中途覚醒などの睡眠障害が高い頻度で認められます。
その傾向は午後1~3時にかけて最も強く現れると報告されていますので、眠気の出たお昼間に20〜30分程度昼寝をすることをおすすめします。

20〜30分で起きる自信がない方は、カフェインは飲んでから15分ほどして効果が出てきますので、昼寝の直前に紅茶やコーヒーなどを飲むと良いかもしれません。

短時間の昼寝は脳疲労の軽減と機能回復をもたらし、就寝までの覚醒状態を適正に維持する効果が期待できます。

また、昼間に適度な運動を行うことはメラトニン分泌を介した睡眠周期の調節を正常にして、睡眠・覚醒パターンを規則化するのに有効であることが示唆されていますので、睡眠のリズムがうまくいっていない方は、昼寝を20〜30分程度行い、その後適度な運動を行うことがベストのようです。

高齢者での激しい運動は逆効果となる報告があり、適正な運動強度は散歩や屋内での掃除、階段昇降程度とされています。

投稿者: おばた内科クリニック

2019.06.02更新

認知症の症状には記憶障害などの中核症状と、徘徊や妄想などの周辺症状があります。

患者さまやご家族の環境にもよりますが、中核症状には薬物治療や食事・運動療法が中心となりますが、周辺症状はご家族や施設スタッフでの対応によって落ち着かれる事かありますので、活用されてみてください。

 

周辺症状:拒否

 

ポイント

 食事、入浴、介護などを受け入れてくれない、抵抗される

 

対応

・拒否があっても介護者側が過剰に反応しない

・無理強いをしない

・関わる側や環境の問題を見直す「この人なら任せていい」という安心感が得られるよう、1日を通しての接し方を配慮する

・要望・希望に耳を傾け、可能であれば、本人の満足感を満たせるよう支える

・落ち着いたところで再び声をかけてみる

・本人の好みのことに誘い、本人にとっての自然な流れで食事、入浴などに移れないか考えてみる

投稿者: おばた内科クリニック

2019.05.19更新

認知症の症状には記憶障害などの中核症状と、徘徊や妄想などの周辺症状があります。
患者さまやご家族の環境にもよりますが、中核症状には薬物治療や食事・運動療法が中心となりますが、周辺症状はご家族や施設スタッフでの対応によって落ち着かれる事かありますので、活用されてみてください。

周辺症状:攻撃的言動

ポイント
 自尊心が傷つけられたとき、考え方などに行き違いがあるときなどに攻撃的になることがあります

対応
 施設スタッフ側の言動のほうにむしろ課題がないか、接し方を徹底的に見直す
 患者さんに「味方」と感じてもらう
 体調が悪い事(便秘、不眠、風邪、膀胱炎など)により攻撃的になることがありますので、病院受診や薬の調整などを考える
 不満、怒り、不安、恐怖、過去の悔しかったことに固執しているなどが原因となっていることもありますので、攻撃的言動のみに振り回されず、背景を知る
 相手に関わる側が嫌悪感や恐怖を持ってしまっていないか見直す
 無理に関わろうとしない、距離をとる、相性のいいスタッフと交代する
 安心や自信の機会づくり

起こり

投稿者: おばた内科クリニック

2019.04.14更新

2019年4月13日土曜日にBiVi天神におきまして「第21回七隈アルツハイマー病・パーキンソン病研究会」が開催されました。

基礎と臨床から報告があり、結論からご報告させて頂きますと、「ラベンダー精油と八味地黄丸は認知症治療に期待できる」ということです。

 

・睡眠不足による海馬の病態生理学的変化に対するラベンダー精油の効果

  福岡大学薬学部 臨床薬物治療学教室 村田 雄介先生

 これまでもアルツハイマー病患者さまにアロマセラピーの有用性が報告させていましたが、どのような作用が有効であるのかは不明な点がありました。

 今回の報告では、ラベンダー暴露により、

 ・神経栄養の経路が活性化される

 ・神経損傷が抑えられる

 ・神経新生が促進される

 などの可能性が示唆されました。

 

・脳における糖尿病関連因子に対する八味地黄丸の効果 アルツハイマー病との関連1

  福岡大学薬学部臨床疾患薬理学教室 福留 凌太先生

 脳GLP-1受容体に対する八味地黄丸の効果 アルツハイマー病との関連2

  福岡大学薬学部臨床疾患薬理学教室 比嘉 可南子先生

 八味地黄丸は糖尿病や高血圧治療に用いられていますが、福岡大学薬学部臨床疾患薬理学教室での研究によりアルツハイマー型認知症による認知機能障害の改善が期待されています。

 今回の報告にて、八味地黄丸が糖尿病による血管内皮細胞障害や神経細胞障害の進行を抑制を抑制することにより、空間記憶障害の進行が抑制された可能性が報告されました。

現在アルツハイマー型認知症に対する根本的な治療薬はありませんが、今後の認知症発生や改善を期待する方法としてラベンダーや八味地黄丸も考えて良いと思います。

注意点としては、八味地黄丸は薬であることから副作用出現の可能性もあり、使用をご希望される方は主治医の先生にまず相談されて下さい。

投稿者: おばた内科クリニック

2019.03.30更新

東北大学は3月14日、世界初のアルツハイマー型認知症に対する超音波治療の医師主導治験において安全性が確認でき、本格治験へ進むことを発表しました。
アルツハイマー型認知症は症状を改善させる事が期待できる薬剤がいくつかありますが、根本的な治療法は確立されていません。
この治療法の有効性が認められれば、世界初のアルツハイマー型認知症に対する根本的な治療法となることが期待されますので期待しています。

以下要約を記載させて頂きます。
 アルツハイマー型認知症は、認知症の原因となる代表的な病気ですが、症状の改善を期待させる事が出来る治療法はいくつかありますが、根本的な治療法は確立されていません。
低出力パルス超音波は、近年細胞や組織障害が少ない治療法として注目されています。
東北大学の下川教授らのグループは、この低出力パルス波超音波を全脳に照射することにより、認知症モデルマウスのアルツハイマー型認知症の原因とされているアミロイドβの蓄積を著明に減少させたことを報告しました。
同グループは、2018年6月よりまず安全性の評価を中心とした治験を行い、2019年3月11日に開催された安全評価委員会で安全性が確認されたことから、2019年4月より有効性を確認するための治験を開始することを報告しました。

▼関連リンク
・東北大学 プレスリリース
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2019/03/press-20190314-01-shimokawa.html

投稿者: おばた内科クリニック

2019.03.17更新

周辺症状:夕暮れ症候群 に対する豆知識


認知症の症状には記憶障害などの中核症状と、徘徊や妄想などの周辺症状があります。
患者さまやご家族の環境にもよりますが、中核症状には薬物治療や食事・運動療法が中心となりますが、周辺症状はご家族での対応によって落ち着かれる事かありますので、活用されてみてください。
今回はお昼間は穏やかに過ごされているのですが、夕方や夜になると落ち着かれなくなったり、不機嫌になってしまう「夕暮れ症候群」についてお話をさせて頂きます。

ポイント
 夕方になると落ち着かない、不機嫌になる

対応
 ・1日全体の活動や刺激のバランスを点検する。
  特に、午後の疲れすぎや不安が高まらないよう、過ごし方を見直す

 ・ケアする側のストレスをやわらげ、ゆったりした雰囲気づくりを心がける

 ・夕暮れどきのひとときを一緒に過ごす役のスタッフを決めたり、本人の仕事や楽しみごとをつくる

 ・症状が出はじめるタイミング、シグナルがないかを心がけ、早めに不安や不穏の緩和を心がける

投稿者: おばた内科クリニック

2019.03.02更新

認知症の症状には記憶障害などの中核症状と、徘徊や妄想などの周辺症状があります。

患者さまやご家族の環境にもよりますが、中核症状には薬物治療や食事・運動療法が中心となりますが、周辺症状はご家族での対応によって落ち着かれる事かありますので、活用されてみてください。

 

ポイント
 現実にはないものを見た(幻覚)、聞いた(幻聴)という

対応
 ・介護者があわてたり、奇異な受け止め方をしない
 ・否定せず、安心するような受け答えをする
 ・幻覚の原因と思われるものを、何であるか知らせてあげたり、触らせて確認させたりする
 ・幻覚の原因となるものを置かない、壁にかけないなどして環境を整える

投稿者: おばた内科クリニック

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