クリニックブログ

2019.02.10更新

認知症の症状には記憶障害などの中核症状と、徘徊や妄想などの周辺症状があります。

患者さまやご家族の環境にもよりますが、中核症状には薬物治療や食事・運動療法が中心となりますが、周辺症状はご家族での対応によって落ち着かれる事かありますので、活用されてみてください。

 

周辺症状:夜間のせん妄 ポイント

 ・不眠と間違えやすいが意識障害の一種である

 ・軽度あるいは中等度の意識混濁、精神運動興奮、幻覚、不安などがある

 

対応

 ・不安、恐怖、困惑を感じているサインを早めにキャッチし、1人にしない

 ・短時間でも、しっかり、ゆったり、そばにいる

 ・触れて安心してもらう

 ・刺激的な音や光は避け、静かな環境に居て頂く

 ・折に触れ、現実を知らせる (例:名前を呼びかける、場所や夜であることを知らせるなど)

 ・体の緊張を解くための温かい飲み物、やわらかいひざかけなどの工夫も

投稿者: おばた内科クリニック

2018.12.16更新

認知症の症状には記憶障害などの中核症状と、徘徊や妄想などの周辺症状があります。
患者さまやご家族の環境にもよりますが、中核症状には薬物治療や食事・運動療法が中心となりますが、周辺症状はご家族での対応によって落ち着かれる事かありますので、活用されてみてください。

周辺症状:妄想

ポイント

 物盗られ妄想、捨てられ妄想、嫉妬妄想など
 直接介護をしている身近な人に疑いをかけることが多い
 物盗られ妄想は、しばしば起こる

物忘れ妄想に対する対応
 否定したり、説得したりしない
 無いという事実を受け止めていっしょに探す
 本人の安心を徹底して図る
 日ごろから、物をしまう場所などを観察しておく
 なるべく、本人自身が探し出し発言できるよう誘導する
 代替え品などを用意しておき、探しても見つからないときに備える
 在宅の場合、家の権利書、通帳などは家族が管理するようにする
 何もすることがないと、妄想が出やすいため、日中の時間の過ごし方として散歩などの外出や通所介護サービスを利用する

病気によって、「どこにしまったのか忘れる」「しまった事自体の記憶がない」状態ですので、否定したり、説得することは逆効果となってしまう事が多いです。

投稿者: おばた内科クリニック

2018.11.24更新

年齢とともに記憶力は低下していきます。

筑波大学体育系教授の征矢英昭氏らは、健康で若い成人男女を対象とした研究で、安静に過ごした場合と比べて、エアロバイクをゆっくりと漕いだ10分間の運動でも運動直後に行った記憶テストで成績が向上したと報告しました。

この研究は、健康で若い成人男女36人を対象とし、エアロバイクをゆっくり漕いだ10分間の軽い運動を行った場合と安静に過ごした場合の2回の実験を実施。記憶テストでは、安静に過ごした場合に比べ成績が向上していました。

また記憶テスト中の海馬とその周辺の活動を機能的MRI評価を行ったところ、運動直後には学習や記憶に重要な役割を担う海馬の活動が活発化していることが明らかになりました。

今回の研究は若い健康な成人男女を対象としていますが、高齢者やアルツハイマー型認知症の方にも効果が期待出来ると考えます。

10分間の短時間の運動でも改善が期待されますので、ぜひ運動をこころがけて頂きたいと思います。

一人では中々運動できない、寒くて外での運動は難しいなどお困りの方は介護保険を利用した送迎つきのリハビリがありますので、お困りの方はいつでもご相談下さい。

原著論文
Suwabe K, et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2018 Sep 24.

投稿者: おばた内科クリニック

2018.10.21更新

認知症の症状には記憶障害などの中核症状と、徘徊や妄想などの周辺症状があります。
患者さまやご家族の環境にもよりますが、中核症状には薬物治療や食事・運動療法が中心となりますが、周辺症状はご家族での対応によって落ち着かれる事かありますので、活用されてみてください。

周辺症状:徘徊

ポイント
 家のなかや屋外をさまよい歩く
 帰り道がわからなくなる

対応
 気をそらす話題や手がかりを探り、あわてないように用意しておく
 ドアが開くと鳴るようにするなど、出て行くのがわかるようにする
 むしろ積極的に外出の機会をつくる(散歩、買い物、園芸など)
 衣服やくつに名札をつけ、連絡先、本人の呼び名などを書いておく
 お守り、ペンダントなど本人のなじみの品に連絡先を書いて入れておく
 本人のふだん行く方向、立ち寄るところを把握しておく
 近所や交番などに事情を説明しておき、見かけたときに連絡してもらう
 地域のSOSネットを活用する(自治体、保健所)
 帰ってきても責めず、ねぎらいの言葉をかける

徘徊

投稿者: おばた内科クリニック

2018.09.30更新

喫煙による脳血管障害や心臓血管障害、呼吸器疾患、がんなどのリスクは知られていますが、認知症の悪化の原因ともされています。

韓国のSang Min Park氏らは、韓国の健康保険データベースを用いて喫煙と認知症のリスクについて検討し、喫煙患者では認知症のリスクが高いと報告しました。

Park氏らは、2002年から2013年に実施された健康スクリーニングプログラムから、60歳以上のおよそ4万6千人のデータを検討。

*韓国では女性の喫煙率は低いため除外されています

参加者の喫煙習慣を、継続喫煙者、短期喫煙者(喫煙期間4年未満)、長期禁煙者(禁煙期間4年以上)、喫煙非経験者に分類し、全ての認知症、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症の発症状況を分析しました。

継続喫煙者に対する長期禁煙者と喫煙非経験者の全ての認知症のリスクはそれぞれ14%および19%低く、喫煙者に対する喫煙非経験者のアルツハイマー型認知症のリスクは18%低かったです。 また、喫煙者に対する長期禁煙者と喫煙非経験者の脳血管性認知症のリスクはそれぞれ32%および29%低かったです。

喫煙が認知症のリスクとなることは報告されていましたが、これまでは欧米を対象とした報告であり、今回のアジア人を対象とした報告は貴重なものと考えます。

喫煙は先程述べました脳や心臓の血管障害や呼吸器疾患、がんなどだけではなく、認知症のリスクともなっていますので、禁煙がより重要と考えます。

Effect of smoking cessation on the risk of dementia: a longitudinal study Sang Min Park First published: 05 September 2018 https://doi.org/10.1002/acn3.633

投稿者: おばた内科クリニック

2018.09.01更新

赤ワイン摂取は認知症の予防効果があるとされており、これまで肝臓の機能障害などアルコール摂取に問題ない方にはこれまで1日1杯程度の摂取をすすめてきました。

この度、スイスのチューリッヒ大学のKarina Fischer氏らの研究により女性ではアルツハイマー型認知症の発症率が高いとの報告がありました。
一方でフランスのパリ・サクレー大学のSeverine Sabia氏らの研究では中年期に飲酒していない場合は認知症のリスクが高かったと報告されました。
両者の報告での共通点は過度の飲酒は認知症のリスクが高いとのことです。

一般的に日本人は欧米人を比較しアルコールの分解力が低いことから、お酒を楽しむときは少量にとどめほろ酔い程度が良いようです。


タイトル
Prospective Associations between Single Foods, Alzheimer's Dementia and Memory Decline in the Elderly.
機関紙
Nutrients. 2018 Jun 29;10(7); pii: E852.
著者
Karina Fischer

75歳以上の2,622人を対象に、10年に渡りアルツハイマー型認知症の発症などについて調査を行った。
赤ワインにおいて男性では発症率が低下したが、女性では発症率が高かった。
女性では飲酒による有害な影響が受けやすい可能性を報告。


タイトル
Alcohol consumption and risk of dementia: 23 year follow-up of Whitehall II cohort study.
機関紙
BMJ (Clinical research ed.). 2018 Aug 01;362;k2927. doi: 10.1136/bmj.k2927.
著者
Séverine Sabia

35歳〜55歳の1万308人を対象に、1985~88年から2002~04年までの間に5回調査を行い、アルコール摂取と認知症発症率などについて調査を行った。
中年期に飲酒していない群では認知症のリスクが高かったが、適量の群では認知症リスクの増加はなかった。
しかし、飲酒量が増加した群では認知症のリスクが高かった。

投稿者: おばた内科クリニック

2018.05.13更新

睡眠不足や睡眠障害は脳の敵!

 睡眠不足や睡眠障害によるデメリットとして以下のような点が上げられます

  ・脳に物忘れ(認知症)の原因とされるアミロイドβが蓄積する

  ・認知機能と関係する成長ホルモンが不足し、認知機能が低下する

  ・食欲が増大し、血圧も血糖値もあがり、コレステロールの代謝が悪化し、認知症のリスクであるメタボリックシンドロームになりやすくなってしまう

 

昼寝は脳の味方!

 30分以内の昼寝習慣がある人はアルツハイマー型認知症になりにくいとされます。

 しかし、1時間以上昼寝をしてしまう習慣があると、アルツハイマー型認知症になりやすいとされますので注意が必要です。

 

上手な昼寝法とは?

 眠る時間は20歳代は10分程度、30歳〜50歳までは20分以内、そこから少しずつ長くなりますが60歳代でも30分以内にとどめるのが良いとされます。

 短時間でしゃきっと目覚めるには、昼寝の直前に紅茶やコーヒーなどを飲むのが良いです。

 理由は、カフェインは飲んでから15分くらいして効果が出て来るからです。

投稿者: おばた内科クリニック

2018.04.22更新

塩分について

 血圧は昼に向かって上がっていくため、朝に塩分をとると血圧はより高くなりやすいです。

 一方、夜は比較的塩分が排出されやすい事から、常に塩分に気をつける事が難しい場合、たまには塩分のある食事を摂りたくなった場合は、夕飯であれば朝取るよりも血圧が上がりにくいとされます。

 注意すべきはモーニングサージと言って、早朝あるいは起床前後に一過性に血圧が上昇することがありますので、かかりつけの先生に相談されることをお勧めします。

 

脂肪酸について

・飽和脂肪酸

 偶数飽和脂肪酸を高める食物:牛肉などで、糖尿病発症リスクを高めるとされています

 奇数飽和脂肪酸を高める食物:ヨーグルトなどの乳製品で、糖尿病発症リスクを低下させるとされています

 融点が高く、室温では固形の脂飽和脂肪酸をたくさん摂取すると、脳の神経細胞の柔軟性が落ち、神経伝達が低下するとされています

 また、動脈硬化も進行するとされています

・不飽和脂肪酸:不飽和脂肪酸をたくさん摂取すると、細胞の柔軟性が保たれます

 トランス脂肪酸

  不飽和脂肪酸の一つで、天然には牛肉や乳製品に微量に存在しているのみですが、マーガリンやショートニングなどの工業的に作る際に生成されます

  悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らし、冠動脈の病気を引き起こすとされています

 一価不飽和脂肪酸(オレイン酸などのオメガ9系)

  オリーブオイル、ベニ花油、菜種油、ナッツ類など

  善玉コレステロールを減らすことなく、悪玉コレステロールを減らす

 多価不飽和脂肪酸

  オメガ3系

   DHA;マグロ、ブリ、サバ、サンマなどに多く含まれ、血流を良くする、脳や網膜などの材料とされます

   EPA;マイワシ、マグロ、サバ、ブリなどに多く含まれ、血栓が作られにくくします

   αリノレン酸;エゴマ油、菜種油、ナッツ類などに多く含まれ、体内で精製されるEPAやDHAの材料となります

   DHAやEPAは熱で溶けやすく、火を通すと、溶け出してしまうために、理想は新鮮なお刺身で食べる事です

   火を通す場合は、弱火で煮込み、油が溶け出した汁ごと食べると良いです

   DHAやEPAの健康効果が認められているのは、あくまで魚として食べた時です

    * 魚油のサプリメントに関して、2015年のアメリカの研究では、認知機能の低下を抑制する効果は認められませんでした

   魚やナッツに多く含まれ、アレルギーや炎症、血栓を抑制して、血管を拡張させます

  オメガ6系(リノール酸など)

   マーガリンやゴマ油に多く含まれ、アレルギーや炎症を起こしやすく、血液を固める作用があります

  オメガ3系とオメガ6系はどちらも細胞膜の材料として必要であり、バランスが重要で、理想はオメガ3系1に対し、オメガ6系は4の割合とされます

投稿者: おばた内科クリニック

2018.04.01更新

中年の時の運動で認知症発症率は半分以下に!

中年の時期に1回20〜30分の運動を週2回以上行った人の認知症発症率は、運動をしていなかった人の半分以下と言われます。
その際に心がけて頂きたいのは、平衡感覚です。
平衡感覚(感覚神経)が低下していると脳血管障害や認知機能低下(物忘れ)の危険度が高いと言われているからです。
両目を開いて片足で立つ「開眼片足立ち」で20秒以上バランスをとっていることが難しかった人は、脳血管疾患がないか調べた方が良いかも知れません。

感覚神経が問題ないか調べる方法
・ふともも上げ運動による評価
 10秒ふともも上げ運動を行い、筋肉に痛みを「何も感じない」が0、「これ以上無理と感じるほど痛い」と感じたら10とした場合にどの程度痛いかを評価する方法
 0-1;認知症
 0-3;軽度認知障害
 4;境界
 5-10;健常人
・スマヌ法
 背中にス・マ・ヌのいずれかを描いてもらい、6文字中何文字正解できるかを調べる方法
 0-3個正解;軽度認知障害
 4個正解;境界
 5-6個正解;健常人

運動の理想は、毎日30分程度のウォーキングなどの有酸素運動を行い、認知機能の回復を期待し、感覚神経を鍛えるには強めの筋力トレーニングが最適と言われていますので、週に1回筋力トレーニングを行うことです。
強い筋力トレーニングは、鈍った感覚神経でも刺激を感じやすいのがポイントです。

注意点はこれまであまり運動をされなかった方が急に強い筋力トレーニングを行いますと、腱を痛めやすいためにダンベルなどは使わずに行うことと、筋力トレーニングで傷ついた筋繊維を回復させるのにトレーニングは週に1回にすることです。きちんと休むことにより、筋繊維はより強くなり、感覚神経に強い刺激を与えられるハードな運動が行えるようになります。

投稿者: おばた内科クリニック

2018.03.04更新

認知症、物忘れの危険因子となるものと守ってくれる防御因子を知ることで、今後の発症や症状の進行を抑える事が期待できます。

 

危険因子

 脳血管障害(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)、頭部外傷

 脂質異常症(低HDLコレステロール、高LDLコレステロール、高トリグリセリド血症)

 糖尿病 *出典:認知症のコホート研究 老年精神医学雑誌 第26巻増刊号−1

  糖尿病により高血糖が続くと、脳内のインスリン抵抗性が増して、情報伝達が適切に行えなくなり、記憶を司る海馬が萎縮する可能性が指摘されています

  久山町で行われた研究では、糖尿病の場合の血管性認知症のリスクは、正常な人に比べて、1.8倍高いとされ、アルツハイマー型認知症になるリスクは、更に高く正常な人の2.1倍と報告されました

  DM 

 高血圧

 メタボリックシンドローム

 うつ病

 歯周病  *出典:現在歯数、咀嚼能力およびかかりつけ歯科医院の有無と認知症を伴う要介護認定との関連 AGESプロジェクトのコホートデータによる分析 第21回日本疫学学術総会円集第21巻1号

  糖尿病の合併症として注目され、成人が歯を失う最大の原因とされています

  歯の数と認知症の関係を調べた研究では、歯がほとんどなく、入れ歯も使っていない、噛んでない人の認知症発症のリスクは、歯が20本以上ある人の1.9倍と報告されています

 喫煙  *出典:健康・医療戦略推進本部 我が国における高齢者認知症の実態と対策:久山町研究 健康・医療戦略推進本部 より改変

  喫煙者は非喫煙者に比べて、アルツハイマー型認知症になるリスクは2.7倍、血管性認知症になるリスクは2.9倍と高いです。ですが、中年期には喫煙していても、老年期に喫煙しなくなった禁煙組では、アルツハイマー型認知症になるリスクが1.9倍、血管性認知症になるリクスが1.6倍と、禁煙しなかった人に比べるとリスクが低くなるとされていますので、現在喫煙されている方でもこれから禁煙されることをお勧めします

  ATD

  VD

 多量飲酒

 

防御因子

 運動習慣

 適切な食事

 余暇活動

 社会交流

 活発な精神活動

 認知訓練

 適切な睡眠

投稿者: おばた内科クリニック

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