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iPS細胞を用いたパーキンソン病への臨床試験

[2018.11.18]

京都大病院は、様々な細胞に変化する人のiPS細胞(人の人工多能性幹細胞)から神経細胞を作り、10月に50歳代のパーキンソン病の男性患者の脳に移植したと2018年11月9日発表しました。


保険適用を目指した臨床試験(治験)計画の一環で、iPS細胞から作った神経細胞をパーキンソン病患者に移植した手術は、世界初で2年かけ安全性を検証するとのことです。

手術は、京大iPS細胞研究所が備蓄する他人のiPS細胞から、脳内の情報伝達物質ドーパミンを分泌する神経細胞のもととなる細胞を作製し、患者さんの頭蓋骨に直径12mmの穴を開け特殊な注射針で細胞を移植しました。

注意点は拒絶反応と未分化のiPS細胞が奇形腫などの腫瘍を作る可能性であり、1年間は免疫抑制剤が必要で、移植片の大きさをMRIでチェックするとのことです。

全部で7例の臨床試験(治験)を行う予定で、治療効果は手術後数ヶ月経ってから表れるとのことです。

パーキンソン病治療はリハビリテーションと薬物療法が中心で、現在はそれに加え脳深部刺激療法とデュオドーパという外科的治療があります。

外科的治療は専門施設での治療となりどこでも受ける事はできませんが、iPS細胞を用いた治療であれば最低1年間は免疫抑制剤を服用する必要や脳腫瘍のリスクがあるかもしれませんが、安全性が確認できればその後は専門施設での治療が不要となりますので従来の外科的治療に変わり得る治療と期待しています。

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