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軽度認知機能障害に対するフェルガード100Mの予防効果

[2020.09.20]

認知症とは、一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言います。
軽度認知機能障害(MCI)とは認知症の前段階とされますが、肥満や糖尿病などの生活習慣病について生活習慣を改めることにより、認知症の発症を防ぐことも可能と言われています。
おばた内科クリニックでは認知症予防や治療に効果が期待されるサプリメントの1つであるフェルガードを使用しています。
フェルガード100Mは認知症予防学会より認定されたサプリメントですが、今回軽度認知機能障害に対するフェルガード100Mの予防効果が発表(出典)されましたので、ご報告させて頂きます。

堀らは軽度認知機能障害に対するフェルガードの効果について偽薬との比較について検討しました。
56人を対象にフェルガード群(アクティブ群)と偽薬群(プラセボ群)に無作為に振り分けし、最終的に40人のデータを解析。
評価項目として、24週間後と48週間後のMini-Mental State Examination (MMSE)とAlzheimer‘s Disease Assessment Scale-cognitive component-Japanese version(ADAS-jcog)を用いて検討を行いました。
MMSEとは30点満点の認知機能をみる検査の1つで、23点以下が認知症疑い、27点以下が軽度認知機能障害疑いとされます。
ADAS-jcogとはアルツハイマー型認知症などの認知機能の変化を評価する検査で、抗認知症薬の治療効果を評価する際にも用いられます。70点満点で、得点が高いほど認知機能障害が強いことが示されます。

フェルガード郡において、MMSEでは24週目(P=0.041)で有意に改善し、MMRM解析においても有意に改善(p=0.016)を認めました。
ADS-jcogにおいても24週目(p=0.015)と48週目(p=0.015)で有意に改善を認め、MMRM解析においても同様に有意に改善(p=0.031)を認めました。
MMRM:反復測定による混合効果モデル(mixed effect model for repeated measures;MMRM)
 

*C)はMMRM解析

フェルガード100Mの主成分はフェルラ酸とガーデンゼリカで、フェルラ酸はアルツハイマー型認知症発症に関わるとされるアミロイドβというタンパク質の一種を抑制し、ガーデンアンゼリカは、抗酸化作用や抗炎症作用に加え、細胞死(アポトーシス)などアルツハイマー型認知症の様々な病態メカニズムの軽減が期待されます。

軽度認知機能障害から認知症あるいはアルツハイマー型認知症への移行率は年間10〜15%とされていますが、フェルガードによる軽度認知機能障害から認知症への移行を遅延させる効果として8.35%であったという報告もあり(参考文献)、今後もさらなる研究が必要ですが認知症発症予防として生活習慣病対策に加えフェルガード100Mなどのサプリメント使用を選択することも良いと考えます。

出典
Effects of Ferulic Acid and Angelica archangelica Extract (Feru-guard ®) on Mild Cognitive Impairment: A Multicenter, Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Prospective Trial
Journal of Alzheimer's Disease Reports, vol. 4, no. 1, pp. 393-398, 2020

参考文献
軽度認知障害へのフェルラ酸・ガーデンアンゼリカ摂取についての予備的研究-軽度認知障害から認知症への移行を遅延させる効果-
KIMURA Takemi
新薬と臨床63(11)1848-1855

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