クリニックブログ

2021.01.17更新

新型コロナウイルス感染症の拡大が続き、福岡でも非常事態宣言が発令され、感染が心配なことから家で過ごす時間が増えている方が多いと思います。
高齢の方や、糖尿病や呼吸器疾患などの基礎疾患がある方は重症化のリスクが高いと言われていますが、新型コロナウイルス感染症発症からおよそ1年経過し「足腰が弱くなってしまった」、「物忘れが増えた」、「元気がない」という運動機能や認知機能の障害が問題となってきています。

人混みを避けることは重要ですが、過度な行動制限はフレイル(心身が脆弱した状態)などの健康障害の原因となりえます。
以前より運動習慣が認知症発症の予防に重要であることは知られており、運動習慣がある人はない人と比べアルツハイマー型認知症の発症リスクが40%低い報告もあります。

また、九州大学大学院精神病態医学分野講師の小原知之氏は、孤独感が認知症の発症リスクを5倍以上高めることが明らかになったと昨年11月末に行われた認知症学会で報告しました。
これは日本で行われている認知症に対する研究の一つ(久山町研究)として報告されたもので、65歳以上の高齢者1,141人を対象に5年間経過をおったところ、孤独感がある人はない人と比べ、認知症の発症リスクが1.5倍高いことが判明しました。
さらに、同居していない親族や友人との交流が月に数回以上ある人では、認知症発症リスクに差が認められなかったとのことです。
極端に言ってしまえば、月に数回でも人と会えば孤独感に関連した認知症のリスクを抑えられる可能性があるということです。

人との接触

新型コロナウイルス感染症が拡大している現在、運動や人と会うことに抵抗があるとは思いますが、何もせずに家にこもってしまうのは、新たな健康被害を引き起こすかもしれません。

介護保険をお持ちの方であれば、デイケアやデイサービス利用により運動や人との交流の機会を持つことができます。
複数の方との接触が心配な方は、訪問リハビリテーションという、ご自宅で運動を行うことも可能です。
訪問リハビリテーションであれば、自分にあった必要な生活動作のための訓練を行うことができます。

家で過ごすことが多くなり、このまま過ごす事が大丈夫なのかご心配な方は、いつでも当院にご相談下さい。
当院ではデイケアによるリハビリテーションに加え、訪問リハビリテーションも行っており、必要に応じて訪問診療も行っています。

時間はかかると思いますが、必ず新型コロナウイルス感染症を克服するあるいはインフルエンザウイルスと同じように共存することができると信じています。
その時に笑顔でいままでと同じように迎えられるように、当院にできることを行わせて頂きたいと思います。
なにか気になることがありましたら、いつでもご相談下さい。

出典
Emotional loneliness is associated with a risk of dementia in a general Japanese older population: the Hisayama Study

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33170218/

投稿者: おばた内科クリニック

2021.01.11更新

Pfizer(ファイザー)社とBioNTech(バイオンテック)社による新型コロナウイルス感染症に対するワクチン(COVID-19ワクチン)の副作用・アレルギー反応は?

米国疾病予防管理センター(CDC)は2021年1月6日に初回投与を行ったおよそ190万人に対するアレルギー反応について報告しました。

2020年12月14日から23日に初回投与されたCOVID-19ワクチンは189万3360回(女性117万7,527人、男性64万8,327人、性別不明6万7,506人)で、4,393例(0.2%)に有害事象が報告されました。
そのうちアナフィラキシー反応を含む重度のアレルギー反応は175例でした。
このうち21例(女性19例、男性2例、100万回あたり11.1例0.001%)がアナフィラキシーと判断されましたが、うち17例はアレルギーまたはアレルギー反応の既往があり、そのうち7例はアナフィラキシーの既往がありました。
アナフィラキシー反応は71%が接種15分以内に発症し、86%は30分以内に発症していました。
幸いその後の情報が確認できた20人全員は治療により回復もしくは退院されています。

なお季節性インフルエンザワクチンでのアレルギー反応について、厚生労働省は接種局所のアレルギー反応が10〜20%に起こり、全身性の反応が5〜10%にみられるとしています。
令和元年10月1日から令和2年4月30日までに日本で行われた季節性インフルエンザワクチン接種は56,496,152人に行われアナフィラキシーの可能性があるものは22例(100万回あたり0.4人、0.00004%)でした。

今回の報告ではアナフィラキシーを含めた重度のアレルギー反応は、季節性インフルエンザワクチンよりも頻度が多いものでしたが、21例のうち17例はアレルギーあるいはアレルギー反応の既往がある方で、今後予防効果を含めたさらなる情報収集が必要と考えますが、予防接種を受けないことによる感染リスクなどのデメリットも含め接種について検討する必要があると考えます。

私としましては、感染拡大が急速に広がっている現在、COVID-19ワクチンの接種適応があるのであれば、受けるのが良いと考えます。

情報元
・Allergic Reactions Including Anaphylaxis After Receipt of the First Dose of Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine — United States, December 14–23, 2020
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/wr/mm7002e1.htm#T1_down
・令和元年シーズンのインフルエンザワクチン接種後の副反応疑い報告について
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000681710.pdf
・ケアネット

投稿者: おばた内科クリニック

2020.12.27更新

新型コロナウイルス感染症の拡大が心配されるなか、ワクチンに対する期待が高まっています。
日本においても、Pfizer(ファイザー)社とBioNTech(バイオンテック)社による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン「BNT162b2」について、12月18日厚生労働省に日本における使用承認の申請が行われ、早ければ来年の2月には使用できるかもしれません。

ですが、実際に使用するにあったっては、ワクチン開発まで従来のワクチンと比べ開発期間が短いため、有効性や安全性が気になるところ思います。

The new england journal of medicine のオンライン版にて、Pfizer社とBioNTech社による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン「BNT162b2」の第3相試験結果が報告されました。

試験は、16歳以上の健康な男女43,448人を対象とし、ワクチン投与群21,720人と非ワクチン群21,728人に分け、21日間隔で2回投与行いその有効性や安全性について検討を行いました。
このワクチンは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のfull-lengthスパイクタンパク質をコードする脂質ナノ粒子製剤・修飾ヌクレオシドmRNAワクチンです。
mRNAワクチンとは、ウイルスの遺伝子情報に基づいてワクチンを作成する遺伝子ワクチンの一つで、他にウイルスベクターワクチン、DNAワクチンがあります。

有効性
新型コロナウイルス感染症発症は、ワクチン投与群8人に対し、非ワクチン投与群は162人で、有効率は95%でした。
年齢や性別、人種、基礎疾患などを含めた検討でも、概ね一致していました。

ワクチン

副作用
注射部位の痛み、倦怠感、頭痛が中心でしたが、非ワクチン投与群と差はあまり認められませんでした。

従来のワクチンはウイルスなどの病原体の毒性を弱める、あるいは病原性を出さないようにして作られ、病原体に対する危険を完全に払拭することが出来ず、時間と製造費用がかかるという問題がありました。
今回開発されたmRNAワクチンはウイルスの遺伝子情報から作成され、1年ほどで実用化されました。
変異した新型コロナウイルス感染症にも有効化かは不明ですが、感染拡大が広がっている現在においては、さらなる感染拡大を予防する一つの手段として来年の2月に使用ができるようになればと思います。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33301246/

投稿者: おばた内科クリニック

2020.12.06更新

健康診断で糖尿病や高血圧、高脂血症を指摘されたことはありませんか?

これらのいわゆる生活習慣病は脂肪肝の原因となりますが、日本における健康診断を受診された方を対象とした研究では30%前後に非アルコール性脂肪性肝疾患が認められたと報告されています。

脂肪肝は肝硬変や肝細胞癌を引き起こすことがあり、注意が必要です。

肝細胞癌の1000人あたりの年間の発癌率は、非アルコール性脂肪性肝疾患では0.44人ですが、非アルコール性脂肪肝炎となりますと5.29人と高くなり、肝硬変まで悪化しますと0.45〜22.6人まで上昇してしまいます。

もし健康診断で糖尿病や高血圧、高脂血症を指摘されたことがありましたら、お腹のエコー検査(腹部エコー)を受けられることをおすすめします。
また、前回の検査から時間が経過している方も再検査をおすすめします。

腹部エコー検査

脂肪肝

左図が脂肪肝のエコーですが、脂肪が肝臓に沈着することにより、右図の正常の方と比べると肝臓が全体的に白っぽく写っています

腹部エコー検査で脂肪肝が確認されましたら、肝臓の線維化の評価を行いますが、評価としてはFIB-4 indexを用います。
これは年齢×AST/血小板数×√ALTから求めることができ、1.3以下(70歳以上では2.0未満)であれば問題ありません。しかしそれよりも高い数値、特に2.67以上となりましたら、肝臓を専門とされる施設での精密検査が必要となります。

非アルコール性脂肪性肝疾患は肥満や糖尿病、高血圧、高脂血症といった生活習慣病やアルコールとの関連が考えられているため、これらの予防や治療が重要です。

治療の基本は食事と運動を心がけることで改善が期待できます。
アルコール摂取量の上限はエタノール換算男性30g/日、女性20g/日とされています。
計算式は「アルコール度数(%)×アルコール量(mL)×アルコール比重(0.8)」です。
例えばアルコール度数5%のビール500mlですと、0.05×500×0.8=20となりますので、女性であれば500mlのビール1本が上限となります。

生活習慣病や脂肪性肝疾患は自覚症状としては何もありませんが、放置しますと心臓や脳の血管障害のみならず、肝細胞癌などの重篤な疾患の原因となりえますので、日頃の健康に対する心がけをお願い致します。

*線維化とは?
肝臓に障害が起きますと、一部の肝細胞は死んでしまいますが、周りの肝細胞が付着することで肝臓は再生していき、時間の経過とともに完全に回復します。しかし、障害が続きますと完全な回復が追いつかなくなり、組織が固くなっていまい、この固くなることを線維化と呼びます。
硬い部分は肝臓としての機能を果たすことができずに、その範囲が広くなりますと肝臓の機能が低下してしまいます。
この状態を肝硬変と呼びますが、肝硬変は肝細胞癌の発症の要因となってしまうため、いかに肝硬変まで悪化しないようにするかが重要となります。

投稿者: おばた内科クリニック

2020.11.22更新

Diabetes Care誌11月号にて、糖尿病治療薬の一つであるメトホルミンが認知機能の低下と認知症発症との関連についての研究で、メトホルミンを服用している糖尿病患者さんは、メトホルミンを服用していない患者さんよりも認知機能の低下が遅く、認知症の発症リスクが低いことが報告されました。

2型糖尿病は、認知機能障害や認知症発症との関連が先行研究で示されています。
糖尿病治療薬の一つであるメトホルミンは米国糖尿病学会の2型糖尿病薬物療法ガイドラインの2020年度版でも第一選択薬として推奨されており、日本人でも禁忌でない場合は第一選択薬とされています。

今回報告されたSydney Memory and Ageing Studyは1037人の認知症でない70歳から90歳を対象とした研究で、メトホルミンを服用している糖尿病患者67人、メトホルミンを服用していない糖尿病患者56人、糖尿病でない903人の3群に分け、6年間の経過観察のなかで神経心理学的検査を行って評価しています。

3群とも6年間の経過で認知機能は低下していましたが、メトホルミンを服用している糖尿病患者はメトホルミンを服用していない糖尿病患者や糖尿病でない群と比較して、全般的な認知機能の低下は有意に遅く(P=0.032)、実行機能の低下はメトホルミンを服用していない糖尿病患者で早く低下していました(P=0.06)。
なお記憶、言語、注意、処理速度の低下はメトホルミンを服用していない糖尿病患者で早かったですが、統計的な差は認められませんでした。
6年間の経過観察期間中に認知症を発症したのは91人で、73人(同群の8.2%)が糖尿病でない群で、8人(同群の14.5%)がメトホルミンを服用していない糖尿病患者で、メトホルミンを服用している糖尿病患者は4人(同群の6%)と最も少なかったです。
メトホルミンを服用していない糖尿病患者での認知症発症率は、メトホルミンを服用している糖尿病患者の5.29倍でした。
認知症を発症するまでの期間を分析した結果(Cox回帰モデル)、メトホルミンにより認知症発症のリスクが81%低下していました。

今回の研究結果から、メトホルミンの神経保護作用の可能性が支持されましたが、研究から脱落した方は非脱落者よりも認知機能が低下していたため、生存者の偏りが影響している可能性あり、今後も無作為比較試験などさらなる研究が必要と考えます。

認知症

出典元
日経メディカル
Samaras K, et al. Metformin use is associated with slowed cognitive decline and reduced incident dementia in older adults with type 2 diabetes: the Sydney Memory and Ageing Study. Diabetes Care. 2020:43:2691-2701.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32967921/

投稿者: おばた内科クリニック

2020.10.18更新

肩の痛みについて

「肩が痛い」肩の痛み一つでも様々な病名があります。
「四十肩かな?」「すじが切れているのかな?」「首からきているのかな?」
肩の痛みを経験した事がある方は一度考えた事ありませんか?
原因、症状によって対処の仕方、リハビリの内容が違ってきます。
ここではリハビリテーションの適応となり、発生頻度が高い①肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)、②腱板断裂・損傷、③石灰沈着性腱板炎、④Quadri lateral space(QLS)症候群の特徴を説明させて頂きます。

①肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)

中高年者で特に誘因がなく肩の痛み、可動域制限をきたし、年齢からくる肩の退行変性(機能の低下)が主な原因だと考えられています。
痛みが出る部位は様々で、なかには肘に痛みが出る事もあります。
肩が上がらない、エプロンを結びにくい、頭を洗いにくいなど日常生活にも支障が出る場合もあります。
炎症期、拘縮期、回復期に分けられ、時期によってリハビリの内容が異なります。
〈特徴〉
◆自然と痛くなった 
◆拘縮(肩周りが固くなる)
◆夜間時の痛み

肩の痛み

②腱板断裂・損傷

腱板とは棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つの筋で構成されています。
原因としては、外傷(肩を打ったなど)、腱板収縮力による応力集中(力仕事、肩の使い過ぎ)、加齢による腱の変性が考えられています。
症状としては、肩に力が入らない(上がらない)、痛くて眠れない、肩を動かすと痛むなどが挙げられますが、痛みが伴わない例もあり様々です。
完全断裂よりも、部分断裂の方が症状が強い例もあります。
治療には保存療法(リハビリ)、手術療法(ARCR)があります。
まずはリハビリで治療をし、効果がなければ手術を検討という流れが一般的です。
「腱が切れている=上がらない」、「腱が切れている=手術」ではありません。
〈特徴〉
◆外傷(肩を打ったなど)
◆肩に力が入らない(上がらない)
◆夜間時の痛み

腱板

③石灰沈着性腱板炎

突然、激烈な痛みが生じ、肩の自動運動(自力で動かすこと)が全くできなくなり、肩の他動運動(第三者あるいは器具を用いて動かすこと)も著しく制限されます。

40~50歳代の女性に多くみられます。
原因は不明ですが、股関節や肩周りの筋の柔軟性が悪いと発症しやすいとも言われています。
治療としては、注射針で石灰を吸引し、その後副腎皮質ステロイドを注入します。
痛みが落ち着いてくればリハビリを行うが一般的です。
〈特徴〉
◆激烈な痛み 
◆肩が動かせない 
◆夜間時の痛み(眠れない程の)

肩のレントゲン

④Quadrilateral space(QLS)症候群

上腕三頭筋長頭腱、大円筋、小円筋、上腕骨によって囲まれた四角形の隙間があり、この隙間には腋窩神経、後上腕回旋動脈(肩関節の栄養を支配している)が通っています。
前屈み姿勢、パソコンを打つ姿勢などで同部位が狭くなる事があります。
狭くなる事により神経、血管を圧迫してしまい、三角筋(肩周り)筋力障害、肩全体の鈍い痛み、前腕の痺れなどの知覚障害などがみられます。
リハビリでの治療が主で、リラクセーション、肩周りの筋緊張緩和、肩甲骨の調整などを行います。
〈特徴〉
◆肩全体の痛み 
◆前腕の痺れ
◆肩周りの筋肉の萎縮

肩の解剖

肩の痛みが気になる方、肩の痛みについて詳しく知りたい方はおばた内科クリニックスタッフまでお気軽にお声掛け下さい。

 

投稿者: おばた内科クリニック

2020.09.20更新

 

認知症とは、一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言います。
軽度認知機能障害(MCI)とは認知症の前段階とされますが、肥満や糖尿病などの生活習慣病について生活習慣を改めることにより、認知症の発症を防ぐことも可能と言われています。
おばた内科クリニックでは認知症予防や治療に効果が期待されるサプリメントの1つであるフェルガードを使用しています。
フェルガード100Mは認知症予防学会より認定されたサプリメントですが、今回軽度認知機能障害に対するフェルガード100Mの予防効果が発表(出典)されましたので、ご報告させて頂きます。

堀らは軽度認知機能障害に対するフェルガードの効果について偽薬との比較について検討しました。
56人を対象にフェルガード群(アクティブ群)と偽薬群(プラセボ群)に無作為に振り分けし、最終的に40人のデータを解析。
評価項目として、24週間後と48週間後のMini-Mental State Examination (MMSE)とAlzheimer‘s Disease Assessment Scale-cognitive component-Japanese version(ADAS-jcog)を用いて検討を行いました。
MMSEとは30点満点の認知機能をみる検査の1つで、23点以下が認知症疑い、27点以下が軽度認知機能障害疑いとされます。
ADAS-jcogとはアルツハイマー型認知症などの認知機能の変化を評価する検査で、抗認知症薬の治療効果を評価する際にも用いられます。70点満点で、得点が高いほど認知機能障害が強いことが示されます。

フェルガード郡において、MMSEでは24週目(P=0.041)で有意に改善し、MMRM解析においても有意に改善(p=0.016)を認めました。
ADS-jcogにおいても24週目(p=0.015)と48週目(p=0.015)で有意に改善を認め、MMRM解析においても同様に有意に改善(p=0.031)を認めました。
MMRM:反復測定による混合効果モデル(mixed effect model for repeated measures;MMRM)
フェルガードの効果 

*C)はMMRM解析

フェルガード100Mの主成分はフェルラ酸とガーデンゼリカで、フェルラ酸はアルツハイマー型認知症発症に関わるとされるアミロイドβというタンパク質の一種を抑制し、ガーデンアンゼリカは、抗酸化作用や抗炎症作用に加え、細胞死(アポトーシス)などアルツハイマー型認知症の様々な病態メカニズムの軽減が期待されます。

軽度認知機能障害から認知症あるいはアルツハイマー型認知症への移行率は年間10〜15%とされていますが、フェルガードによる軽度認知機能障害から認知症への移行を遅延させる効果として8.35%であったという報告もあり(参考文献)、今後もさらなる研究が必要ですが認知症発症予防として生活習慣病対策に加えフェルガード100Mなどのサプリメント使用を選択することも良いと考えます。

出典
Effects of Ferulic Acid and Angelica archangelica Extract (Feru-guard ®) on Mild Cognitive Impairment: A Multicenter, Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Prospective Trial
Journal of Alzheimer's Disease Reports, vol. 4, no. 1, pp. 393-398, 2020

https://content.iospress.com/articles/journal-of-alzheimers-disease-reports/adr200211#adr-4-adr200211-t001

参考文献
軽度認知障害へのフェルラ酸・ガーデンアンゼリカ摂取についての予備的研究-軽度認知障害から認知症への移行を遅延させる効果-
KIMURA Takemi
新薬と臨床63(11)1848-1855

投稿者: おばた内科クリニック

2020.08.29更新

パーキンソン病は体が動かしにくくなる病気の一つで、特徴的な症状は体の動きが緩徐になる無動、手や足が震える振戦、体が固くなる固縮、バランスが取りにくくなる姿勢反射障害で、これらを総称して4大症状と呼びます。

原因として、黒質などの脳内の神経細胞が減少することにより、神経伝達物質の1つであるドパミンが減ることが考えられています。

パーキンソン病の治療の中心は薬による治療とリハビリテーションに加え、外科的治療である脳深部刺激療法とデュオドーパがあります。
しかしこれらの治療はパーキンソン病の根本的な治療ではなく、症状を緩和させることが中心の治療です。
これに対し根本的な治療として期待されているのが、iPS細胞を用いた治療と遺伝子治療があります。
iPS細胞を用いた治療については京都大学などですでに治験が始まっています。

今回、アメリカカルフォニア大学サンディエゴ校のXiang-Dong Fu氏らはマウスの実験ではありますが、「PTB」というRNA結合タンパク質に注目した報告を2020年6月Natureに報告しました。

PTBは細胞内の遺伝子のスイッチのオンとオフに関係するタンパク質で、PTBの働きを抑える実験にて、脳内に存在する支持細胞という細胞が、ドパミンを作る細胞に変わったことを発見し、パーキンソン病でみられるような運動障害が改善したと報告しています。

この、特定の種類の細胞が別の細胞に変わることを分化転換と呼びますが、障害のある細胞を他の細胞に変えることにより機能が回復するというこの技術が確率されればパーキンソン病だけではなく、脊髄損傷など他の病気の治療にも役立つことが期待されます。

現在はマウス実験レベルで、これからの人の治療に用いることが出来るかは、多くの研究と安全性の確認が必要となりますが、根本的な治療法の可能性が少しでも広がることを期待します。

おばた内科クリニックは、パーキンソン病や認知症などの脳神経疾患を専門に力を入れて診療行っています。
糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病含めこれからも定期的に情報発信させて頂きますので、今後ともよろしくお願いいたします。

原著論文
Reversing a model of Parkinson’s disease with in situ converted nigral neurons
Nature volume 582, pages550–556(2020)
https://www.nature.com/articles/s41586-020-2388-4

投稿者: おばた内科クリニック

2020.08.16更新

Klodian DhanaらはChicago Health and Aging Project (以下CHAP、参加者1,845人)とRush Memory and Aging Project (以下MAP、参加者920人)のデータを用いて、健康的な生活習慣とアルツハイマー型認知症のリスクについて検討を行い、4〜5個の生活習慣を持つ参加者では60%アルツハイマー病のリスクが低かったことをNeurologyに報告した。

方法
生活習慣として
・禁煙
・150分/週以上の中等度/重度の身体活動
・軽度から中等度のアルコール摂取
  アルコールと認知症
 厚生労働省(e-ヘルスネット、アルコールと認知症より)から1週間で1〜6本(1本350mlのビール相当)程度の飲酒量であれば認知症の危険性が最も低いという報告があります。
 *認知症の危険性とは、飲酒しない人が認知症になる危険性を1とした場合に、各飲酒量でどの程度認知症の危険性が増減するかということを示します。
・高品質の地中海食(DASH)
 地中海食の特徴として
  ①果物や野菜が豊富、
  ②乳製品や肉よりも魚が多い、
  ③オリーブオイルやナッツなど未精製の穀物を多く使う、
  ④食事と一緒に適量の赤ワインを飲む
・高齢者向けの認知活動への参加
 読書やゲーム、新しい技能や趣味を学ぶなど、常に頭を働かせる

これまでの生活習慣を急に変えることは難しいかもしれませんが、可能な範囲で生活習慣を組み合わせることで、アルツハイマー型認知症の発症を抑える事が期待されますので、ぜひ心がけてみてはいかがでしょうか?

・Healthy lifestyle and the risk of Alzheimer dementia

 https://n.neurology.org/content/early/2020/06/16/WNL.0000000000009816
・e-ヘルスネット(厚生労働省)アルコールと認知症

 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-007.html

・健康長寿ネット、地中海食の特徴 

 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shokuhin-seibun/chichukaishoku-tokucho.html

投稿者: おばた内科クリニック

2020.08.02更新

当院では、日頃より感染対策を行っていましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の状況を踏まえ、これまでの感染対策に赤色部分を加えて行わせて頂くこととしましたので、ご報告させて頂きます。
安心して当院に受診して頂けるよう、様々な対策を行っていきます。
何卒皆様のご理解と御協力のほど、よろしくお願いいたします。

*当クリニックでは新型コロナウイルス感染症の検査(PCR検査、抗原検査、抗体検査)は行っておりません。

手指衛生と標準予防策
 ・手洗いやアルコールによる手指消毒
 ・マスクの常時使用

呼吸器衛生・咳ケット・呼吸器感染対策
 ・啓発用ポスターの掲示
 ・待合室、診察室、リハビリ室の空調と開窓による換気
 ・かぜ症状のある患者さんの空間的・時間的隔離
   来院時間の調整と裏口よりご案内させて頂き、待合室でかぜ症状のある方と一緒にならないように診療させて頂きます

清掃・環境整備
 ・受付カウンターにビニールシートの設置
 ・キャッシュレス決済の導入
 ・ドアノブやベッドなど手がよく触れる部位のアルコール消毒
 ・患者さん毎の診察・リハビリ終了後のアルコール消毒
 ・待合室の本・雑誌の撤去
 ・清掃時の手袋装着
 ・患者さん用、職員用ともに紙タオルを使用し共用を避ける
 ・院内に加湿器・空気清浄機を設置
 ・送迎にて使用する車の消毒
   車両用クレベリン(二酸化塩素ガス)による消毒の追加
 ・感染症対策の院内研修

投稿者: おばた内科クリニック

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