クリニックブログ

2021.02.23更新

先日、現状アストラゼネカ社とモデルナ社でのワクチンで感染予防効果が明らかでないことから、ワクチン接種後も感染予防として引き続きこれまで通りのマスクや手洗いなどの感染予防策が必要であると報告させて頂きましたが、CareNetにて「BioToday.com」より情報が出されたワクチンについて有用と思われる情報がありましたので、ご報告させて頂きます。

現在アメリカやイギリス、イスラエルなどでは日本に先行してワクチンの接種が始まっています。
最もワクチン接種が進んでいるイスラエルでは人口の4割超が少なくとも1回の接種が終了しており、アメリカのファイザー社のワクチン接種した60万人について、未接種の60万人と比べたところ、発症者が94%減少し、重症例も92%減少したとの報告があり臨床試験結果と同等の結果が示されました。

また、イスラエルでファイザー社/バイオンテック社のワクチンを接種した方と、非接種の方で感染の程度を検討したところ、1回目のワクチン接種後12〜28日後のウイルス量はワクチン接種後の方は非接種の方と比べ4分の1ほどに抑えられており、また他人を感染させにくいとする効果も示唆されました。
これはLancetにウイルする量が多い人ほど感染させやすい報告に矛盾しないと考えます。
*今後、アストラゼネカ社とモデルナ社のワクチンでの感染予防効果もこれから報告が出てくるかもしれません

また、ファイザー社/バイオンテック社やモデルナ社のワクチンでは最近心配されている新型コロナウイルス変異株に対する阻止抗体も期待されています。

米国ワシントン州シアトルのがん研究センターのAndrew McGuire氏のチームはCOVID-19を経た10人から血液を採取し、続いてファイザー社/バイオンテック社あるいはモデルナ社のワクチンの1回目接種後に再び血液を採取し、採取した血液を使ってその元祖株と南ア変異株の細胞感染を阻止する中和抗体の活性を調べたところ、ワクチン接種後には元祖株と南ア変異株への中和抗体がどちらもおよそ1,000倍上昇していました。

これからさらなるワクチン接種後の効果や副作用などの情報収集は必要と考えますが、発症や重症化予防について肯定的な結果が蓄積されていることに加え、感染予防と変異株に対しても効果が期待できるのであれば、ワクチン接種に問題がないのであれば接種されることをおすすめします。

出典元:CareNet 公開日:2021/02/16

投稿者: おばた内科クリニック

2021.02.11更新

エムガルティ

片頭痛は10〜30歳ごろに発症し、右や左など片側を優位にズキズキとした拍動性の頭痛を特徴とし、日本国内の有病率は840万人にのぼるとされます。
患者さんによっては頭痛により日常生活に支障を来すことがあり、月に10回以上の頭痛発作がある場合は、薬物乱用頭痛を予防するためにも片頭痛の予防治療を行います。
ですが、予防治療を行っても頭痛の改善が乏しいこともあります。
今回、月に1回の注射による治療で片頭痛発作予防が期待できる治療薬が日本でも製造承認されましたので、報告させて頂きます。

カルシトニン遺伝子関連ペプチド(calcitonin gene-related peptide:CGRP)は片頭痛発作時に三叉神経の末梢で認められる神経伝達物質で、疼痛を引き起こします。
CGRPを投与することにより、大部分の片頭痛患者さんに片頭痛発作が誘発されることが示されており、今回製造承認された薬剤(抗CGRP抗体;ガルカネズマブ)はこのCGRPの作用を阻害することにより片頭痛発作を抑制します。

国内第Ⅱ相試験;CGAN試験
459例の反復性片頭痛患者さんをプラセボ投与群(実際の薬剤ではない群)230例、120mg群115例、240mg群114例に振り分け。
患者さんの8割以上は女性で、片頭痛と診断されてから3群とも20年経過しており、頭痛日数はおよそ8〜9日であった。
1ヶ月あたりの片頭痛日数(monthly headache day:MHD)の変化量を6ヶ月間検証したところ、効果は1ヶ月後から認められ、1ヶ月あたり3.6日頭痛日数が減少し、約半数は頭痛の発作日数が半分に減り、1割弱ではありますが頭痛が無くなりました。
なお、120mg群と240mg群で効果について、有効性に大きな差はありませんでした。

SC1

SC2

SC3
国内第Ⅲ相長期投与試験;CGAP試験
CGAN試験を完了した日本人反復性片頭痛(Episodic migraine;EM)患者246例及び新規参加の日本人慢性片頭痛(Chronic migraine:CM)患者65例の合計311例を対象に1年間投与したときの安全性と忍容性を検討。
EM患者さんでは、CGAN試験での有効性を維持あるいはさらに改善を認め、CM患者さんにおいても、EM患者さんと同様に投与1ヶ月後より頭痛日数の減少を認め1年間維持された。

SC4

今回製造承認された薬剤は注射剤ですが、20年におよび月に3日に1度の割合で頭痛のあった患者さんに効果が認められたことから、1日でも日本でも早く使用できればと思います。
また、同様の機序の経口薬も開発中であり、今後片頭痛の予防治療が向上し、少しでも頭痛で悩まれている患者さんが救われればと期待しています。

これからもおばた内科クリニックでは頭痛やパーキンソン病、脳血管障害などの脳神経疾患だけではなく、糖尿病などの生活習慣病についてなど様々な医療情報を可能な限り情報発信させて頂きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

医薬品インタビューフォーム
エムガルティ®皮下注 120 mg オートインジェクター
エムガルティ®皮下注 120 mg シリンジ
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投稿者: おばた内科クリニック

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