クリニックブログ

2021.07.18更新

禁煙外来は、喫煙をやめたい方を支援するための外来です。

喫煙は、慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫など)、肺がん等の呼吸器の病気のみならず、動脈硬化を基盤とするさまざまな病気の危険因子です。
禁煙することにより、喫煙関連健康被害を予防し健康的に暮らすことができます。

喫煙は、ニコチン依存症(あるいはニコチン中毒)という一種の薬物依存症です。
すなわち、病気です。従来は精神論的方法で禁煙をめざしたため失敗率が高く、挫折感や罪悪感が残り、禁煙はつらいものでした。
現在は、禁煙補助薬(貼付薬あるいは内服薬)を使うことにより、無理なくたばこをやめることも期待できます。
おばた内科クリニックでは禁煙外来を行っています。
お一人での禁煙は難しくても、禁煙外来を受診されることにより禁煙が期待できますので、是非ご相談下さい。
そして、貴方ご自身やご家族のために禁煙し、爽やかな呼吸と健康を取り戻しましょう。

1.タバコの健康被害 *厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトより
成人の場合
因果関係を推定する証拠が十分(確実):レベル1
・がん: 肺がん
・循環器の病気:虚血性心疾患、脳卒中
・呼吸器への急性影響:臭気・鼻への刺激感
証拠は因果関係を示唆(可能性あり):レベル2
・がん:鼻腔・副鼻腔がん、乳がん
・呼吸器への急性影響:急性の呼吸器症状(喘息患者・健常者)、急性の呼吸機能低下(喘息患者)
・呼吸器への慢性影響:慢性呼吸器症状、呼吸機能低下、喘息の発症・コントロール悪化、慢性閉塞性肺疾患(COPD)
妊娠出産の場合
因果関係を推定する証拠が十分(確実):レベル1
・乳幼児突然死症候群(SIDS)
証拠は因果関係を示唆(可能性あり):レベル2
・低出生体重・胎児発育遅延
小児の場合
因果関係を推定する証拠が十分(確実):レベル1
・乳幼児突然死症候群(SIDS)、喘息の既往
証拠は因果関係を示唆(可能性あり):レベル2
・喘息の発症・重症化、呼吸機能低下、中耳の病気、う蝕(虫歯)、学童期の咳・痰・喘鳴・息切れ

2.タバコをやめるとこんなに良くなる!
禁煙による医学的変化
禁煙後20分:血圧や脈拍が正常となり、手足の体温が正常に戻る。
禁煙後8時間:血液の一酸化炭素濃度が正常になる。
禁煙後24時間:心臓発作のリスクが減る。
禁煙後48時間:運動機能が改善し、味覚・臭覚が復活し始める。
禁煙後72時間:気管支の緊張がとれ呼吸が楽になる。肺機能が改善する。
禁煙後2~3週間:心機能が改善。肺機能が30%回復する。
禁煙後1~9ヶ月:咳、息切れ、疲れやすさが改善する。気道の自浄作用が改善し感染症を起こしにくくなる。
禁煙後1年:心筋梗塞などの虚血性心疾患にかかる危険が喫煙者の1/2になる。
禁煙後5年:肺がんで死亡する率が半分に減る。
禁煙後10年:前がん状態の細胞が修復される。口腔がん、咽頭がん、食道がん、膀胱がん、膵臓がん等になる確率が減少する。

3.禁煙補助薬と治療スケジュール
<禁煙補助薬>
禁煙補助薬はニコチンパッチ(ニコチネルTTS®)と内服薬(チャンピックス®)の2種類あります。各々、以下のような特徴があります。どちらの薬剤を使用しても、禁煙に伴うニコチン離脱症状を緩和し楽に禁煙できます。

ニコチネルTTS®
・ニコチンを含む貼薬
・食欲抑制効果により体重増加の軽減が期待できる
・スタート時から禁煙開始
・ニコチネルTTSを使用しながら喫煙するとニコチンが過剰となり、不整脈などの副作用が起きる可能性があり、心臓疾患のある患者さんには使用しにくい
・汗をかく、スポーツをする人、かぶれやすい人などには使いにくい

チャンピックス®
・ニコチンを含まない飲み薬
・離脱症状だけでなく、喫煙による満足感も抑える
・最初の1週間は喫煙しても大丈夫
・ニコチンを含まないので、心臓疾患のある患者さんにも使いやすい

<治療スケジュール>
12週間に5回受診します。
ニコチンパッチは8週間使用し、残りの4週間はニコチンパッチなしで禁煙を継続します。チャンピックスは12週間内服し続けます。

4.卒業証書
禁煙外来の修了時には、卒煙証書を準備させて頂いています。
禁煙に終わりはありません。禁煙外来中の患者さまの決意・日々の努力、周囲の方々からの支援、そして禁煙を達成できた喜びとすばらしさを忘れず、生活しましょう。

5.禁煙外来のご案内
おばた内科クリニックでは禁煙外来を保険で受けることが可能です。
以下の条件の全てを満たした場合、保険適応になります。
・直ちに禁煙しようと考えていること

・スクリーニングテスト(TDS)によりニコチン依存症と診断(TDS 5点以上)されるこ

・35歳以上の者については、ブリンクマン指数(=1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上であること
・禁煙治療を受けることに文書で同意すること

・過去1年以内に保険を使った禁煙外来診療を受けていないこと

上記に該当しない外来患者さまの場合は自費診療となります。

スクリーニングテスト(TDS)
下記の質問を読んであてはまる場合は「はい1点」、該当しない項目は「いいえ0点」とお答え下さい。
問1.自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか?
問2.禁煙や本数を減らそうと試みて、出来なかったことがありましたか?
問3.禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてたまらなくなることがありましたか?
問4.禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか?(イライラ、神経質、落ち着かない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手の震え、食欲または体重増加)
問5.問4でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか?
問6.重い病気にかかったときに、タバコは良くないと分かっているのに吸うことがありましたか?
問7.タバコのために自分に健康被害が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?
問8.タバコのために自分に精神的問題(いわゆる禁断症状ではなく、喫煙することによって神経質になったり、不安や抑うつなどの症状が出現している状態)が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?
問9.自分はタバコに依存していると感じることがありましたか?
問10.タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか?

<医療費の目安>
禁煙補助薬はニコチンパッチ(ニコチネルTTS)と内服薬(チャンピックス)の2種類あります。どちらの薬剤を選択するかによって医療費は若干異なります。
健康保険による禁煙治療の自己負担は3割として計算
ニコチンパッチ(ニコチネルTTS):およそ13,000円
内服薬(チャンピックス):およそ19,000円

次のような場合は自費診療になります。
・禁煙治療保険適応の条件に当てはまらないが、同様の治療を希望される場合
・全5回の治療を越えて引き続き治療を希望される場合
・初回の治療開始から1年以内に再度治療を希望される場合

参考サイト
生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト:喫煙
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco

投稿者: おばた内科クリニック

2021.07.04更新

アルツハイマー型認知症の治療薬はいくつかありますが、症状の改善が期待できるものではあるものの、病気の根本的な改善は難しい状態でした。
aducanumabはアルツハイマー型認知症の原因とされる脳内アミロイドプラークの沈着の有意な減少を認めており、根本的な治療の改善が期待できます。

バイオジェン社とエーザイ社が共同で開発していた治療薬アデュカヌマブaducanumabはアルツハイマー型認知症の原因とされる脳内アミロイドβに作用するものとして期待されていましたが、2019年3月効果が見込めないと一旦開発が中止されました。

ですが、試験中止後に得られたデータを含め再検討したところ、効果が期待できる結果が得られ2021年6月7日米食品医薬品局(FDA)にて条件付きで承認されました。

アデュカヌマブはアミロイドβを標的とした抗アミロイドβ抗体で、脳内に沈着したアミロイドβを取り除くことにより、症状が改善するとされています。

注意点としてアデュカヌマブは2つの臨床試験(ENGAGE、EMERGE)結果から1度は効果が達成される可能性が低いと試験中止されたことです。

今回承認された根拠は、EMERGE試験の追加情報として、アデュカヌマブの高用量投与群では主要評価項目できある臨床症状の改善に加え、アデュカヌマブ低用量群と高用量群ともにアミロイドプラークの沈着が非投与群と比べ減少していましたが、ENGAGE試験では効果の改善が確認されていません。

今回条件付きで承認された根拠はこの事により、今後ランダム化比較試験RCTでその効果が確認できない場合は承認が撤回される可能性があります。
なお、日本では2020年12月に承認申請が行われています。

認知機能障害に対する根本的な治療薬の承認は世界初であり、高齢化に伴い認知症患者さんは増え続けており、日本でも効果と安全性が確認されれば早期承認と使用が望まれます。

アデュカヌマブ
アルツハイマー型認知症の原因とされるアミロイドβに作用し、認知症治療の根本的な治療が期待される
アミロイドβプラーク減少率はENGAGE試験では59%の減少(p<0.0001)、EMERGE試験では71%の減少(p<0.0001)、PRIME試験では61%の減少(p<0.0001)。
特に注意する副作用としてアミロイド関連画像異常(Amyloid related imaging abnormalities;ARIA)が挙げられている。
ARIAは血液脳関門の障害による脳浮腫による変化のARIA-Eと微小出血によるヘモジデリン沈着によるARIA-Hに大別される。
ARIA-Eでは脳浮腫の程度により頭痛や錯乱などの精神症状、吐き気や嘔吐、歩行障害が認められ、ARIA-Hは健常者ではその危険性は低いが、脳血管障害を持つ高齢者では注意が必要であり、治療開始前や治療開始後も定期的頭部MRI検査による評価が必要とされる。

認知症

文責:尾畑 十善
最終更新日時:2021年7月4日

投稿者: おばた内科クリニック

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