クリニックブログ

2021.08.15更新

運動は物忘れなどの認知症に対し有効であることが分かっていますが、どのような運動が最も効果的であるのかは分かっていませんでした。

中国・北京大学のXiuxiu Huang氏らは、認知症または軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)の患者さんに対する認知機能に対する運動の効果を検討し、報告しましたのでご報告させて頂きます。

検討方法
2019年9月までに公表されている、認知機能に対する様々な運動介入について調査されたランダム化比較試験を検索。
*71試験、73文献(5,606例)
評価項目として全般的な認知機能、実行機能、記憶としています。
ほか、日常生活動作(ADL:Activities of Daily Living)、精神症状、生活の質(QOL:Quality of Life)を評価しています。

主な結果
どのような運動であっても、全般的な認知機能の維持や改善に効果を認めました
特にレジスタンス運動は、全般的な認知機能の維持や改善に効果的でした
なお、軽度認知障害の方にはマルチコンポーネント運動(レジスタンス運動、バランス運動、ウォーキングなどの2種類以上の組み合わせ)が、全般的な認知機能および実行機能の低下を予防するうえで、最適な運動介入である可能性が示唆されました。

レジスタンス運動
スクワットや腕立て伏せ、ダンベル体操など、筋肉に負荷をかける運動を繰り返して行う運動です。
運動する人の状態や負荷をかける筋肉によって、自分の体重(自重)やゴム製のチューブやダンベルなど道具を使います。
運動に不安がある方やこれから運動を行おうと考えている方、特に高齢の方は、腕の力よりも足の力が落ちている場合が多いです。
足の力が落ちますと、歩く能力にも影響しますので、まずは足の力を改善させる目的に運動することをおすすめします。
レジスタンス運動の注意点としては、運動を頑張って行うことは良いのですが、頑張りすぎますと筋肉が疲労から回復出来ないことがあります。
よって、毎日行うよりも2〜3日に1回程度行い、無理のない範囲で継続的に行うことが大切です。

まとめ
毎日のウォーキングに2〜3日に1度の割合でレジスタンス運動を行うことにより、物忘れを防ぐあるいは改善が期待でき、運動することにより糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病も予防や改善もあわせて期待できます。

レジスタンス運動

出典
Comparative efficacy of various exercise interventions on cognitive function in patients with mild cognitive impairment or dementia: A systematic review and network meta-analysis
Xiuxiu Huang

https://reader.elsevier.com/reader/sd/pii/S209525462100051X?token=AF5C50D2722361EF6DF779BB80E40B984061F367E2A3B3640A2CF7C36E9F12136D6664B3C8D96DF8D077B6F34AD5E2E3&originRegion=us-east-1&originCreation=20210807063055

レジスタンス運動の効果と方法
健康長寿ネット
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shintai-training/resistance.html

 

投稿者: おばた内科クリニック

2021.07.04更新

アルツハイマー型認知症の治療薬はいくつかありますが、症状の改善が期待できるものではあるものの、病気の根本的な改善は難しい状態でした。
aducanumabはアルツハイマー型認知症の原因とされる脳内アミロイドプラークの沈着の有意な減少を認めており、根本的な治療の改善が期待できます。

バイオジェン社とエーザイ社が共同で開発していた治療薬アデュカヌマブaducanumabはアルツハイマー型認知症の原因とされる脳内アミロイドβに作用するものとして期待されていましたが、2019年3月効果が見込めないと一旦開発が中止されました。

ですが、試験中止後に得られたデータを含め再検討したところ、効果が期待できる結果が得られ2021年6月7日米食品医薬品局(FDA)にて条件付きで承認されました。

アデュカヌマブはアミロイドβを標的とした抗アミロイドβ抗体で、脳内に沈着したアミロイドβを取り除くことにより、症状が改善するとされています。

注意点としてアデュカヌマブは2つの臨床試験(ENGAGE、EMERGE)結果から1度は効果が達成される可能性が低いと試験中止されたことです。

今回承認された根拠は、EMERGE試験の追加情報として、アデュカヌマブの高用量投与群では主要評価項目できある臨床症状の改善に加え、アデュカヌマブ低用量群と高用量群ともにアミロイドプラークの沈着が非投与群と比べ減少していましたが、ENGAGE試験では効果の改善が確認されていません。

今回条件付きで承認された根拠はこの事により、今後ランダム化比較試験RCTでその効果が確認できない場合は承認が撤回される可能性があります。
なお、日本では2020年12月に承認申請が行われています。

認知機能障害に対する根本的な治療薬の承認は世界初であり、高齢化に伴い認知症患者さんは増え続けており、日本でも効果と安全性が確認されれば早期承認と使用が望まれます。

アデュカヌマブ
アルツハイマー型認知症の原因とされるアミロイドβに作用し、認知症治療の根本的な治療が期待される
アミロイドβプラーク減少率はENGAGE試験では59%の減少(p<0.0001)、EMERGE試験では71%の減少(p<0.0001)、PRIME試験では61%の減少(p<0.0001)。
特に注意する副作用としてアミロイド関連画像異常(Amyloid related imaging abnormalities;ARIA)が挙げられている。
ARIAは血液脳関門の障害による脳浮腫による変化のARIA-Eと微小出血によるヘモジデリン沈着によるARIA-Hに大別される。
ARIA-Eでは脳浮腫の程度により頭痛や錯乱などの精神症状、吐き気や嘔吐、歩行障害が認められ、ARIA-Hは健常者ではその危険性は低いが、脳血管障害を持つ高齢者では注意が必要であり、治療開始前や治療開始後も定期的頭部MRI検査による評価が必要とされる。

認知症

文責:尾畑 十善
最終更新日時:2021年7月4日

投稿者: おばた内科クリニック

2021.01.17更新

新型コロナウイルス感染症の拡大が続き、福岡でも非常事態宣言が発令され、感染が心配なことから家で過ごす時間が増えている方が多いと思います。
高齢の方や、糖尿病や呼吸器疾患などの基礎疾患がある方は重症化のリスクが高いと言われていますが、新型コロナウイルス感染症発症からおよそ1年経過し「足腰が弱くなってしまった」、「物忘れが増えた」、「元気がない」という運動機能や認知機能の障害が問題となってきています。

人混みを避けることは重要ですが、過度な行動制限はフレイル(心身が脆弱した状態)などの健康障害の原因となりえます。
以前より運動習慣が認知症発症の予防に重要であることは知られており、運動習慣がある人はない人と比べアルツハイマー型認知症の発症リスクが40%低い報告もあります。

また、九州大学大学院精神病態医学分野講師の小原知之氏は、孤独感が認知症の発症リスクを5倍以上高めることが明らかになったと昨年11月末に行われた認知症学会で報告しました。
これは日本で行われている認知症に対する研究の一つ(久山町研究)として報告されたもので、65歳以上の高齢者1,141人を対象に5年間経過をおったところ、孤独感がある人はない人と比べ、認知症の発症リスクが1.5倍高いことが判明しました。
さらに、同居していない親族や友人との交流が月に数回以上ある人では、認知症発症リスクに差が認められなかったとのことです。
極端に言ってしまえば、月に数回でも人と会えば孤独感に関連した認知症のリスクを抑えられる可能性があるということです。

人との接触

新型コロナウイルス感染症が拡大している現在、運動や人と会うことに抵抗があるとは思いますが、何もせずに家にこもってしまうのは、新たな健康被害を引き起こすかもしれません。

介護保険をお持ちの方であれば、デイケアやデイサービス利用により運動や人との交流の機会を持つことができます。
複数の方との接触が心配な方は、訪問リハビリテーションという、ご自宅で運動を行うことも可能です。
訪問リハビリテーションであれば、自分にあった必要な生活動作のための訓練を行うことができます。

家で過ごすことが多くなり、このまま過ごす事が大丈夫なのかご心配な方は、いつでも当院にご相談下さい。
当院ではデイケアによるリハビリテーションに加え、訪問リハビリテーションも行っており、必要に応じて訪問診療も行っています。

時間はかかると思いますが、必ず新型コロナウイルス感染症を克服するあるいはインフルエンザウイルスと同じように共存することができると信じています。
その時に笑顔でいままでと同じように迎えられるように、当院にできることを行わせて頂きたいと思います。
なにか気になることがありましたら、いつでもご相談下さい。

出典
Emotional loneliness is associated with a risk of dementia in a general Japanese older population: the Hisayama Study

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33170218/

投稿者: おばた内科クリニック

2020.11.22更新

Diabetes Care誌11月号にて、糖尿病治療薬の一つであるメトホルミンが認知機能の低下と認知症発症との関連についての研究で、メトホルミンを服用している糖尿病患者さんは、メトホルミンを服用していない患者さんよりも認知機能の低下が遅く、認知症の発症リスクが低いことが報告されました。

2型糖尿病は、認知機能障害や認知症発症との関連が先行研究で示されています。
糖尿病治療薬の一つであるメトホルミンは米国糖尿病学会の2型糖尿病薬物療法ガイドラインの2020年度版でも第一選択薬として推奨されており、日本人でも禁忌でない場合は第一選択薬とされています。

今回報告されたSydney Memory and Ageing Studyは1037人の認知症でない70歳から90歳を対象とした研究で、メトホルミンを服用している糖尿病患者67人、メトホルミンを服用していない糖尿病患者56人、糖尿病でない903人の3群に分け、6年間の経過観察のなかで神経心理学的検査を行って評価しています。

3群とも6年間の経過で認知機能は低下していましたが、メトホルミンを服用している糖尿病患者はメトホルミンを服用していない糖尿病患者や糖尿病でない群と比較して、全般的な認知機能の低下は有意に遅く(P=0.032)、実行機能の低下はメトホルミンを服用していない糖尿病患者で早く低下していました(P=0.06)。
なお記憶、言語、注意、処理速度の低下はメトホルミンを服用していない糖尿病患者で早かったですが、統計的な差は認められませんでした。
6年間の経過観察期間中に認知症を発症したのは91人で、73人(同群の8.2%)が糖尿病でない群で、8人(同群の14.5%)がメトホルミンを服用していない糖尿病患者で、メトホルミンを服用している糖尿病患者は4人(同群の6%)と最も少なかったです。
メトホルミンを服用していない糖尿病患者での認知症発症率は、メトホルミンを服用している糖尿病患者の5.29倍でした。
認知症を発症するまでの期間を分析した結果(Cox回帰モデル)、メトホルミンにより認知症発症のリスクが81%低下していました。

今回の研究結果から、メトホルミンの神経保護作用の可能性が支持されましたが、研究から脱落した方は非脱落者よりも認知機能が低下していたため、生存者の偏りが影響している可能性あり、今後も無作為比較試験などさらなる研究が必要と考えます。

認知症

出典元
日経メディカル
Samaras K, et al. Metformin use is associated with slowed cognitive decline and reduced incident dementia in older adults with type 2 diabetes: the Sydney Memory and Ageing Study. Diabetes Care. 2020:43:2691-2701.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32967921/

投稿者: おばた内科クリニック

2020.09.20更新

 

認知症とは、一度正常に達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続性に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を言います。
軽度認知機能障害(MCI)とは認知症の前段階とされますが、肥満や糖尿病などの生活習慣病について生活習慣を改めることにより、認知症の発症を防ぐことも可能と言われています。
おばた内科クリニックでは認知症予防や治療に効果が期待されるサプリメントの1つであるフェルガードを使用しています。
フェルガード100Mは認知症予防学会より認定されたサプリメントですが、今回軽度認知機能障害に対するフェルガード100Mの予防効果が発表(出典)されましたので、ご報告させて頂きます。

堀らは軽度認知機能障害に対するフェルガードの効果について偽薬との比較について検討しました。
56人を対象にフェルガード群(アクティブ群)と偽薬群(プラセボ群)に無作為に振り分けし、最終的に40人のデータを解析。
評価項目として、24週間後と48週間後のMini-Mental State Examination (MMSE)とAlzheimer‘s Disease Assessment Scale-cognitive component-Japanese version(ADAS-jcog)を用いて検討を行いました。
MMSEとは30点満点の認知機能をみる検査の1つで、23点以下が認知症疑い、27点以下が軽度認知機能障害疑いとされます。
ADAS-jcogとはアルツハイマー型認知症などの認知機能の変化を評価する検査で、抗認知症薬の治療効果を評価する際にも用いられます。70点満点で、得点が高いほど認知機能障害が強いことが示されます。

フェルガード郡において、MMSEでは24週目(P=0.041)で有意に改善し、MMRM解析においても有意に改善(p=0.016)を認めました。
ADS-jcogにおいても24週目(p=0.015)と48週目(p=0.015)で有意に改善を認め、MMRM解析においても同様に有意に改善(p=0.031)を認めました。
MMRM:反復測定による混合効果モデル(mixed effect model for repeated measures;MMRM)
フェルガードの効果 

*C)はMMRM解析

フェルガード100Mの主成分はフェルラ酸とガーデンゼリカで、フェルラ酸はアルツハイマー型認知症発症に関わるとされるアミロイドβというタンパク質の一種を抑制し、ガーデンアンゼリカは、抗酸化作用や抗炎症作用に加え、細胞死(アポトーシス)などアルツハイマー型認知症の様々な病態メカニズムの軽減が期待されます。

軽度認知機能障害から認知症あるいはアルツハイマー型認知症への移行率は年間10〜15%とされていますが、フェルガードによる軽度認知機能障害から認知症への移行を遅延させる効果として8.35%であったという報告もあり(参考文献)、今後もさらなる研究が必要ですが認知症発症予防として生活習慣病対策に加えフェルガード100Mなどのサプリメント使用を選択することも良いと考えます。

出典
Effects of Ferulic Acid and Angelica archangelica Extract (Feru-guard ®) on Mild Cognitive Impairment: A Multicenter, Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Prospective Trial
Journal of Alzheimer's Disease Reports, vol. 4, no. 1, pp. 393-398, 2020

https://content.iospress.com/articles/journal-of-alzheimers-disease-reports/adr200211#adr-4-adr200211-t001

参考文献
軽度認知障害へのフェルラ酸・ガーデンアンゼリカ摂取についての予備的研究-軽度認知障害から認知症への移行を遅延させる効果-
KIMURA Takemi
新薬と臨床63(11)1848-1855

投稿者: おばた内科クリニック

2020.08.16更新

Klodian DhanaらはChicago Health and Aging Project (以下CHAP、参加者1,845人)とRush Memory and Aging Project (以下MAP、参加者920人)のデータを用いて、健康的な生活習慣とアルツハイマー型認知症のリスクについて検討を行い、4〜5個の生活習慣を持つ参加者では60%アルツハイマー病のリスクが低かったことをNeurologyに報告した。

方法
生活習慣として
・禁煙
・150分/週以上の中等度/重度の身体活動
・軽度から中等度のアルコール摂取
  アルコールと認知症
 厚生労働省(e-ヘルスネット、アルコールと認知症より)から1週間で1〜6本(1本350mlのビール相当)程度の飲酒量であれば認知症の危険性が最も低いという報告があります。
 *認知症の危険性とは、飲酒しない人が認知症になる危険性を1とした場合に、各飲酒量でどの程度認知症の危険性が増減するかということを示します。
・高品質の地中海食(DASH)
 地中海食の特徴として
  ①果物や野菜が豊富、
  ②乳製品や肉よりも魚が多い、
  ③オリーブオイルやナッツなど未精製の穀物を多く使う、
  ④食事と一緒に適量の赤ワインを飲む
・高齢者向けの認知活動への参加
 読書やゲーム、新しい技能や趣味を学ぶなど、常に頭を働かせる

これまでの生活習慣を急に変えることは難しいかもしれませんが、可能な範囲で生活習慣を組み合わせることで、アルツハイマー型認知症の発症を抑える事が期待されますので、ぜひ心がけてみてはいかがでしょうか?

・Healthy lifestyle and the risk of Alzheimer dementia

 https://n.neurology.org/content/early/2020/06/16/WNL.0000000000009816
・e-ヘルスネット(厚生労働省)アルコールと認知症

 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-007.html

・健康長寿ネット、地中海食の特徴 

 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shokuhin-seibun/chichukaishoku-tokucho.html

投稿者: おばた内科クリニック

2019.12.08更新

高齢化に伴い認知症患者さんは増え続けており、認知症の多くを占めるアルツハイマー型認知症の治療薬はいくつかありますが、根本的な治療は難しい状態で、新薬の開発は難しい状態でした。

11月2日中国国家薬品監督管理局より、上海市の製薬会社などが開発したアルツハイマー病の新薬を条件付きで承認したと発表しました。

軽度から中等度の患者さんが対象で、認知機能の改善効果があり、年内に中国で販売を始める計画で、新薬が承認されたのは実に17年ぶりとなります。

作用機序については詳細不明ですが、発表資料によりますと、投与4週目から軽度から中等度のアルツハイマー病患者さんの認知機能に改善が認められたということです。

また、バイオジェン社とエーザイが共同で開発していた治療薬(aducanumab)も2019年3月効果が見込めないと一旦開発が中止されましたが、試験中止後に得られたデータを含め再検討したところ、効果が期待できる結果が得られ承認申請を予定していると発表しました。

これまでのアルツハイマー認知症治療薬は、症状の改善が期待できるものではあるものの、病気の根本的な改善は難しい状態であったが、aducanumabはアルツハイマー型認知症の原因とされる脳内アミロイドプラークの沈着の有意な減少を認めており、根本的な治療の改善が期待できます。

治療の選択肢が増えることにより、今後も増加するとされる認知症患者さんの改善が期待されますので、安全性と効果が確認できれば日本での早期使用を期待します。

認知症新薬

投稿者: おばた内科クリニック

2019.09.22更新

認知症の原因として最も多いとされるアルツハイマー型認知症。

物忘れの症状を軽減させる、不安や感情のコントロールが難しいなどの症状を緩和させる治療法はありますが、根本的な治療は難しいのが現状です。

ですので、生活習慣に気を配り認知症発症の危険度を少しでも下げる、認知症かな?と思った時点での早期の病院受診を心がける事が大事です。

アメリカのアルツハイマー型認知症の研究者であるDale Bredesen氏は2014年に「リコード法」という統合的な治療法を報告しました。

一般的に、アルツハイマー型認知症の発症には脳内に蓄積したアミロイドβ(Aβ)の蓄積による神経障害が原因とされています。

リコード法では、この原因を(1)炎症性、(2)萎縮性、(3)毒物性、(4)糖毒性、(5)血管性、(6)外傷性の6つに分類し、食事(栄養)、運動、睡眠、ストレスケア、脳トレなどの生活習慣の改善が柱となっています。

具体的には、(1)肉ではなく野菜を中心とする、(2)ココナッツオイルを用いる、(3)ビタミン、ポリフェノールなどの摂取、(4)睡眠の質の向上、(5)運動を心がける、(6)脳トレ、(7)グルタチオン点滴などです。

2018年2月に「アルツハイマー病 真実と終焉 "認知症1150万人"時代の革命的治療プログラム」が発売され、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、気になる方は目を通されてみてはいかがでしょうか。

大事なのは、

(1)出来る事から無理のない範囲で生活習慣の改善を行うこと、

(2)生活習慣の改善を目指す治療プラグラムであるため、家族や介護者などの協力が必要不可欠であることです。

投稿者: おばた内科クリニック

2019.08.11更新

糖尿病は血管性認知症(脳梗塞や脳出血による認知症)の危険因子のみならず、アルツハイマー型認知症との関係も指摘されています。

デンマークのBispebjerg-Frederiksberg病院のJørgen Rungby氏らは2019年6月アメリカ糖尿病学会にて、糖尿病治療薬と認知症の関係を検討し、一部の糖尿病治療薬が認知症の発症リスクを軽減させる可能性について報告しました。

研究は、2型糖尿病患者17万6250例を対象とし、糖尿病治療薬が認知症発症リスクに与える影響を検討しました。 糖尿病治療薬として、インスリン、メトホルミン、SU薬またはグリニド系薬、チアゾリジン系薬、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬、アカルボースに分類。

結果は糖尿病治療薬の使用者では、GLP-1受容体作動薬とSGLT2阻害薬でリスクが半減。 糖尿病治療薬の使用歴がない者では、メトホルミン、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬でリスクが低減していました。なお、これらの治療薬の使用量増加に伴い認知症発症のリスクは低減することが示唆されましたが、治療薬を複数用いても効果は認められませんでした。

糖尿病治療薬と認知症 Medical Tribuneより抜粋 https://medical-tribune.co.jp/news/2019/0612520413/

Rungby氏は「2型糖尿病患者において、メトホルミン、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬の使用は認知症リスクの低下と関連していた」と結論しました。

注意点は、高齢者糖尿病の特徴として、発汗・動悸・手のふるえなどの低血糖症状が目立たず、ふらふらする・動作がぎこちない・目がかすむなどの非典型的な症状が出やすいことです。2017年に報告された「高齢者糖尿病診療ガイドライン」では、重症低血糖が心配されるインスリン、SU薬またはグリニド系薬の使用がある患者さんでは、血糖コントロール目標として、認知機能が正常な方でもHbA1cは8.0%未満とし7.0%以下にならないようにする。中等度以上の認知症がある患者さんでは7.5%以下にならないように加減している事です。

現在糖尿病の診断、あるいは糖尿病予備群の診断がある患者さんで、認知症が心配としてもご自身の判断で薬は調整せずに、かかりつけの先生に相談されて下さい。

投稿者: おばた内科クリニック

2019.07.27更新

イギリスのエクセター大学のAnne Corbett氏らは、クロスワードパズルや数独が高齢者の脳の老化を防ぐ効果があることを報告しました。

この研究は、認知機能が正常な50〜93歳の男女1万9,078人を対象に、オンライン上で実施したもので、参加者には毎年、クロスワードパズルや数字のパズルを行う頻度について尋ねたほか、複数の認知機能テストを行い、記憶力や注意力、判断力、実行力などを評価しました。

その結果、これらのパズルを1日1回以上行う人では、たまに行う人や全く行わない人に比べて認知機能テストの成績が高いことが分かりました。

注意点は、これらのパズルを行うと脳の老化を防ぐ効果がありますが、アルツハイマー型認知症などの認知症を予防できることを示したわけではない事です。

アルツハイマー型認知症は認知症を発症する20年以上前から、脳の病変が生じはじめていることが分かっています。 認知症の根本的な治療が困難な現在においては、体を動かすなどの身体的な老化の衰えを予防しつつ、パズルを解くなどの脳の活動も習慣的に行うことが大事と考えます。

参考文献

Brooker H, et al. Int J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov 15.

Brooker H, et al. Int J Geriatr Psychiatry. 2019 Feb 11.

投稿者: おばた内科クリニック

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