クリニックブログ

2021.12.05更新

脳梗塞や脳出血による脳卒中の後遺症のため、歩きにくさでお困りの方は多いと思います。

ここでは脳卒中(脳梗塞、脳出血)が原因で起こりやすい痙性片麻痺歩行について、当院のリハビリスタッフより解説して頂きます。

麻痺側の上肢は屈曲(ギュッと握った状態)し、下肢は伸展(足先まで伸びた状態)した肢位をとります。(ウェルニッケ・マン肢位)
麻痺側の股関節を中心に、下肢を伸ばした状態で半円を描くように歩くことを指します。
麻痺の程度により杖などの補助具等が必要な場合もあります。
一番重要なのは、発症してから正しいリハビリテーション行うことに尽きます。(特に急性期~回復期)
発症後の痙性(筋肉の緊張が高く、突っ張るような状態)をどの程度リハビリテーションで抑制できるかが鍵となり、正しいリハビリテーションを行えるか、行えないかで歩行状態、予後が劇的に変化します。

歩行障害

麻痺の状態、発症からどの程度期間が経過しているかなどでリハビリテーションのメニューは異なりますが、簡単で自宅でできるリハビリテーションをご紹介します。
なお、おばた内科クリニックでは痙性による動かしにくさに対し、ボツリヌス療法という筋肉に行う注射を行う治療も行っていますので、いつでもご相談下さい。

・重心を前方、後方にかける練習

 椅子に浅く腰を掛け、骨盤を前後に動かしましょう。 20回×3セット

リハ椅子

・重心を左右のおしりにかける練習

骨盤を左右に動かしましょう。 20回×3セット
※肩の高さを水平に維持しましょう。

リハ椅子1

多くの場合、重心が後方、非麻痺側にずれてしまう為、緊張(痙性)が髙い状態が続いてしまいます。
重心を正しい位置に戻す事で、緊張(痙性)をある程度抑制することができます。
※麻痺の程度により効果は異なります。

-麻痺側の手足を動かせる場合-
手と体を伸ばす運動(壁を利用) 20回×3セット
① 壁に両手をつけます。
② 背中や胸が伸びるのを感じながら、両手をゆっくりと伸ばします。
③ 肘を曲げてゆっくりと両手を戻します。
※肩の痛みのない範囲で行ないましょう。

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-麻痺側の足を動かせる場合-
足首の運動(テーブルなどを利用)
① テーブルに軽く手をつきます。
② 足趾の下にタオルを入れます。
③ かかとから前足部に体重がかかっていることを確認しながらまっすぐにしゃがみます。
④ ゆっくりと体を起こします。
※お尻を深く下すぎないように注意しましょう。
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投稿者: おばた内科クリニック

2021.10.24更新

✩パーキンソン病の3つの歩行特徴✩
1 すくみ足歩行
・歩き始めの一歩が出にくい
・目的地に近づくと足が出にくくなる
2 小刻み歩行
・歩幅が極端に小さくなり、歩行が小刻みになる
3 突進歩行
・歩行のスピードがだんだんと上がって止まれなくなります

✩歩行時の注意点✩
・しっかりと背中を伸ばして顔を上げましょう
・右足か左足か先に出す足を決めましょう
・歩き始めに「いち、に、いち、に」と声を出すようにしてリズムをつけましょう
・歩く際は歩幅を大きくとり、腕を大きく振りながら歩きましょう
・曲がるときは大きく曲がるように意識しましょう
・ゆっくり呼吸をしながら落ち着いて歩きましょう

◎自宅で気軽にできるリハビリをご紹介します!!
寝たままできるリハビリ
①あおむけに寝て片方の膝を抱えましょう。
 次に反対側の膝を抱えましょう。
 呼吸をしながらしましょう。
 →歩幅が大きくなります!

 

②あおむけに寝て、両膝を軽く曲げます。
 両手を合わせてバンザイをしましょう。
 20回×3セット
 →背筋が伸びやすくなります

 

③あおむけに寝て、両膝を軽く曲げます。
 両膝を左右にゆっくりと倒しましょう。
 20回×3セット
 →体をひねる事により足が出しやすくなります

 

座ってできるリハビリ
①ベッドに浅く腰掛けます
 骨盤を前後に動かしましょう
 20回×3セット
 →背筋が伸びやすくなります

 

②骨盤を左右に動かしましょう
 ※肩の高さを水平に維持しましょう
 20回×3セット
 →歩くときに一歩が出やすくなります

 

③両手を合わせて、前方に手を伸ばしましょう。
 背中を伸ばしたまま行いましょう
 20回×3セット
 →重心を前にかけることにより歩きやすくなります

 

◎おばた内科クリニックでは上記運動以外にも、各個人に合った運動を提供しています。
 まずはお気軽にスタッフにお声かけください!!

投稿者: おばた内科クリニック

2021.10.10更新

パーキンソン病は、中脳の黒質にあるドパミン神経細胞が障害を受けることにより、黒質で作られるドパミンが減ることにより体が動かしにくい、手足が震えるなどの運動障害が出現するとされています。

この障害の原因としてαシヌクレインが関係しているとされており、パーキンソン病だけではなく、レビー小体型認知症や多系統萎縮症など他の神経疾患にも関係しているとされています。

大阪医科薬科大学は9月14日、既存のモノアミンオキシダーゼ-B阻害薬*に、パーキンソン病の原因となるαシヌクレインタンパク質を細胞外に排出する作用があることを発見したと発表しました。

現在行われているパーキンソン病に対する治療は、脳内で不足しているドパミンを補う薬物治療やリハビリテーションが中心となっています。
なお、薬物治療での治療が困難となってきますと、現在は脳深部刺激療法など外科的治療を検討していきます。

ドパミンを補う治療として、ドパミン自体を外から補充する方法や、ドパミンの放出を促す方法、ドパミンが分解されるのを抑える方法などがありますが、これらはドパミンを補う治療であり、パーキンソン病の根本的な治療ではなく、徐々に治療薬の効果が低下し、体の動きや食べる能力が悪くなり自己での自立した生活が難しくなることもあります。

現在根本的な治療として、遺伝子治療やiPS細胞を用いた治療について研究がすすんでいますが患者さまへの治療が可能になるにはもうしばらく時間がかかるのが現実です。

モノアミンオキシダーゼB阻害薬であるセレギニン(エフピー)は、DATATOP研究において、レボドパ製剤による治療を遅らせることが報告されており、以前より神経保護作用が期待されていました。

大阪医科薬科大学ら研究チームは、神経保護作用について培養細胞とラットを用いてモノアミンオキシダーゼB阻害薬(セレギリン製剤:エフピー)がαシヌクレインの異常蓄積に対して何らかの作用を発揮しないか調べ、αシヌクレインを細胞外に排出させる作用があることと、αシヌクレインが過剰に発現したラットにモノアミンオキシダーゼB阻害薬を投与することにより、αシヌクレインの脳内の異常蓄積が抑えられ、ドパミン神経細胞の脱落が遅延し、運動機能の低下が抑えられたことを発見しました。

これらの結果は、既に使用されているモノアミンオキシダーゼB阻害薬が運動障害の改善だけではなく、これまで通り安全性が担保された上で、パーキンソン病の根本的な治療の1つになり得ることが期待できると考えて良いことです。

現在のパーキンソン病治療は、2018年のパーキンソン病診療ガイドラインに準じますと、認知症などの精神症状のリスクが高い方や、運動障害の治療が優先される方はドパミンを補充するレボドパ製剤での治療を開始し、65歳未満の方はドパミンの放出を促すドパミン作動薬あるいはモノアミンオキシダーゼB阻害薬での治療を開始するとされています。

しかし、今回の研究結果から運動障害が軽い場合、まずはモノアミンオキシダーゼB阻害薬での治療を開始し、症状がある程度認められる場合で、65歳以下であればドパミン作動薬を開始し、65歳以上であればレボドパで開始するのも良いかと考えます。

*モノアミンオキシダーゼB阻害薬
 ドパミンやセロトニンを分解する酵素であるモノアミン酸化酵素Bの働きを阻害することにより、脳内のドパミン濃度を上昇させる薬剤
エフピー:セレギリン製剤
アジレクト:ラサギリン製剤
エクフィナ:サフィナミド製剤

PDガイドライン

出典
既存のパーキンソン病症状改善薬にパーキンソン病の進行抑制につながる作用を発見、大阪医科薬科大学

https://www.omp.ac.jp/public/vqh17r0000002xno-att/vqh17r000003e9xe.pdf

パーキンソン病診療ガイドライン2018、日本神経学会

https://www.neurology-jp.org/guidelinem/parkinson_2018.html

 

投稿者: おばた内科クリニック

2021.09.12更新

頭痛の原因として片頭痛や筋肉の緊張などが原因による筋緊張型頭痛などがあります。
また、経験的に頭痛など痛みが出やすい方には、雨や台風など天候が悪いのに一致して痛みがひどくなることが度々経験されます。

天気が崩れる時に慢性の痛みが増強する天気痛は、気圧や温度、湿度などの気象の悪影響をうける気象病の代表であり、片頭痛などの頭痛だけではなく、頚部や腰の痛みにも悪影響を及ぼすことが多いです。

佐藤らはこれまえ天気痛が起こるメカニズムなど報告してきましたが、第55回日本ペインクリニック学会で、天気痛予報を活用した抗めまい薬による予防的治療について報告しましたので、ご報告させて頂きます。

ウェザーニューズとロート製薬が国内で実施した天気痛調査2020(佐藤氏監修)では、「天気痛を持っている」または「天気痛を持っている気がする」と回答した割合は、男性でそれぞれ20%、27%だったのに対し、女性では43%、35%と、女性では約8割と多くの方で天気痛との関連が示唆されました。

また、天気痛の主な痛みや症状については、頭痛が51.0%と最も多く、肩こり・首こり13.4%、関節痛12.8%、腰痛7.2%と続きました。

天気痛調査2020では、天気痛に関係している気象要素として78.4%が「気圧」と回答しています。

佐藤氏は、内耳における前庭の機械刺激受容チャネルが気圧センサーの役割を担い、同チャネルが低気圧によって刺激されることで前庭神経を介して前庭神経核ニューロンが興奮し、平衡障害および自律神経のストレス反応が起こり、天気痛が生じるという仮説を立て、マウスを用いた実験を行い矛盾ないことを示してきています。

また、耳の後ろから経皮的に前庭を刺激したところ、天気痛患者さんは天気痛がない方と比べ、低い電気刺激でめまいが生じました。

以上より、佐藤氏は「天気痛患者さんは内耳が敏感で、気圧の影響を受けやすい可能性があり、気圧の低下により痛みの悪化だけではなく、めまいなどの様々な症状を引き起こす可能性がある」との見解を示しました。

佐藤氏はウェザーニューズとの共同研究により、天気(気圧)の変化をもとに天気痛予測モデル(天気痛予報)を開発しました。
天気痛予報は①低気圧や高気圧、台風などによる大きな気圧変動②大気潮汐のずれ(1日2回、ほぼ決まった時間で繰り返される気圧変動)③微気圧変動(周期性のある小さな気圧変動)の3つの気圧変動パターンを指数化し、天気痛発症リスクを「警戒」「注意」「やや注意」「安心」の4段階で表示しています。

佐藤氏はリスクの高い日には、事前に抗めまい薬や利水漢方薬(五苓散など)を服用することで天気痛を予防することが期待されるとしています。

これから台風など天候の変動が多く、例年痛みでお困りの方は事前の治療について検討されてみて良いかもしれません。

頭痛

出典

天気痛予報:福岡

https://weathernews.jp/s/pain/index.html?map=FUKUOKA

気象変化と痛み

https://www.jstage.jst.go.jp/article/spinalsurg/29/2/29_153/_pdf/-char/ja

気象変化による慢性痛悪化のメカニズム

https://www.jstage.jst.go.jp/article/seikisho/40/4/40_4_219/_pdf/-char/ja

天気痛には抗めまい薬の予防投与を! Medical Tribune

投稿者: おばた内科クリニック

2021.04.18更新

食事や水分を摂られる時にむせ込んだり、食べ物や水分が肺に落ち込んでしまうことを誤嚥と言います。

むせ込んだり、誤嚥することを嚥下機能障害と呼び、原因として加齢による食べる能力の低下や脳梗塞などの脳血管障害、パーキンソン病などの脳神経疾患、口の中や食道などに病変がある、など原因は様々です。

嚥下機能障害により肺炎を発症した場合(誤嚥性肺炎)は通常の細菌による肺炎よりも重症化や治療に難渋することがあり、いかに嚥下機能障害を早期に発見しその障害を回復させるかが大事となります。
また、今問題なくてもこれから先問題とならないように日常生活を心がける事が大事となります。

【嚥下のメカニズム】
先行期
 食べ物を認識して口まで運ぶ。
準備期
 口の中に入った食べ物は歯で噛み砕いて、唾液と混ざりながら食べ物の塊を作っていく。
口腔期
 食べ物の塊を舌と口の天井で挟んで押しつぶしながら喉の奥へと送り込む。
咽頭期
 食べ物の塊を喉の奥から食道へ送り込む。
食道期
 食べ物の塊を食道から胃へ送り込む。

嚥下機能障害は上記のどこかあるいは複合的に問題があると生じます。
よって、どこに問題があるかを調べることにより、対処法も変わってきます。
嚥下機能障害で最も注意しないといけない誤嚥性肺炎は準備期から咽頭期に問題がありますので、食べ物の大きさや硬さなどに心がけるようにします。

【嚥下障害かな?(気をつける項目)】
以下の項目に一つでも当てはまる場合は注意が必要です。
□食事中によくむせる。
□夜間に咳き込むことがある。
□食事の後に声がかれるようになった。
□食事量が減った。
□食事に時間がかかるようになった。
□食事中に疲れるようになった。
□食べ物を飲んだり食べたりすると喉に違和感がある。
□食べこぼしが多くなった。
□食べ物を飲み込んだ後も口の中に食べ物が残ってしまう。
□体重が減った。
□発熱を繰り返したり、微熱が続いている。

ムセ込み

【家でもできる簡単嚥下テスト(反復唾液嚥下テスト)】
〈方法〉
 ①楽な姿勢で座る。
 ②口の中を水などで湿らせる。
 ③喉仏に指を当てる。
 ④30秒間つばを飲み込む。
  飲み込めた回数を数える。

〈判定〉
 ・3回以上「ごくん」とつばを飲み込むことができれば問題ありません。
 ・0~2回であれば嚥下機能の低下が疑われます。

姿勢

【食事の正しい姿勢】

正しい姿勢

*車椅子で食事する際も同様に姿勢を整える。
車椅子のフットレストから足を下ろして床にしっかり両足をつける。

【食事の安全な食べ方】
☆一口量が多い場合
 →小さなスプーンを使って一口に食べる量を少なくする。
※急いで食べるとうまく飲み込めなかったり、食べ物が気道や肺に入り込み誤嚥を起こすリスクが高くなるため、一口ずつゆっくり食べることが大切です。

☆飲み込んだ後も、喉に違和感があったり口の中に残りやすい場合
 →一口食べたら何も口にせずにもう一度「ごくん」と飲み込む空嚥下を行い、口の中に食べ物が残らないように心がける
 →一口固形物を食べたらごく少量の水や汁物などを口に入れて飲み込む(交互嚥下)ことにより、口の中に食べ物が残らないように心がける

☆食後は必ず歯磨きやうがいをして口の中を清潔にすることも大切。

☆食後は座った姿勢でゆっくりする。
 →食後すぐに横になることによって食べ物が胃から逆流することによる誤嚥を防ぐため可能であれば1~2時間程度は横になることは避けることが望ましいです。

【食事の際に気をつける食べ物】
・サラサラな食べ物 
 例)水、お茶、汁物

・つるっと入りやすい食べ物 
 例)こんにゃく、ところてん、ゼリー

・硬い食べ物 
 例)イカ、たこ、ごぼう、こんにゃく、せんべい、餅、蓮根、ねりもの

・パサパサしている食べ物  
 例)パン、クッキー、芋類、ゆで卵

・口の中やのど、上顎にくっつきやすい食べ物 
 例)もなか、海苔、わかめ、ウエハース、餅

・口の中に入るとバラバラになりやすい食べ物 
 例)ピーナッツ、ひき肉

・酸味が強い食べ物 
 例)柑橘類、酢の物

*離水に注意!!
→お粥は時間が経つと米と水が分離してしまいサラサラな状態となり、むせる原因となるためとろみ剤等をつけて対応すると食べやすくなる場合があります。


参考にした資料
・機能解剖からよくわかる!「誤嚥」に負けない体をつくる間接訓練ガイドブック 大野木宏彰 著
・嚥下障害のことがよくわかる本 藤島一郎 監修

投稿者: おばた内科クリニック

2020.08.29更新

パーキンソン病は体が動かしにくくなる病気の一つで、特徴的な症状は体の動きが緩徐になる無動、手や足が震える振戦、体が固くなる固縮、バランスが取りにくくなる姿勢反射障害で、これらを総称して4大症状と呼びます。

原因として、黒質などの脳内の神経細胞が減少することにより、神経伝達物質の1つであるドパミンが減ることが考えられています。

パーキンソン病の治療の中心は薬による治療とリハビリテーションに加え、外科的治療である脳深部刺激療法とデュオドーパがあります。
しかしこれらの治療はパーキンソン病の根本的な治療ではなく、症状を緩和させることが中心の治療です。
これに対し根本的な治療として期待されているのが、iPS細胞を用いた治療と遺伝子治療があります。
iPS細胞を用いた治療については京都大学などですでに治験が始まっています。

今回、アメリカカルフォニア大学サンディエゴ校のXiang-Dong Fu氏らはマウスの実験ではありますが、「PTB」というRNA結合タンパク質に注目した報告を2020年6月Natureに報告しました。

PTBは細胞内の遺伝子のスイッチのオンとオフに関係するタンパク質で、PTBの働きを抑える実験にて、脳内に存在する支持細胞という細胞が、ドパミンを作る細胞に変わったことを発見し、パーキンソン病でみられるような運動障害が改善したと報告しています。

この、特定の種類の細胞が別の細胞に変わることを分化転換と呼びますが、障害のある細胞を他の細胞に変えることにより機能が回復するというこの技術が確率されればパーキンソン病だけではなく、脊髄損傷など他の病気の治療にも役立つことが期待されます。

現在はマウス実験レベルで、これからの人の治療に用いることが出来るかは、多くの研究と安全性の確認が必要となりますが、根本的な治療法の可能性が少しでも広がることを期待します。

おばた内科クリニックは、パーキンソン病や認知症などの脳神経疾患を専門に力を入れて診療行っています。
糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病含めこれからも定期的に情報発信させて頂きますので、今後ともよろしくお願いいたします。

原著論文
Reversing a model of Parkinson’s disease with in situ converted nigral neurons
Nature volume 582, pages550–556(2020)
https://www.nature.com/articles/s41586-020-2388-4

投稿者: おばた内科クリニック

2020.07.19更新

おばた内科クリニックでは、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害による手足がうまく動かせない症状(麻痺)を改善させるために、随意運動介助機能的電気刺激(Integrated Volitional control Electrical Stimulation:IVES)を用いたリハビリテーションを行っています。
もう良くならないと諦めずに、ぜひご相談下さい。

手足を動かそうとするとき、脳から神経を通して筋肉に運動指令が伝わり、筋肉が収縮して手足が動きます。
筋肉が動くときには微弱な筋活動電位が発生しますが、IVESはその微弱な筋活動電位を読み取り、目標とする筋肉に電気信号を送ることにより筋肉の動きを助けますので、一般的なリハビリテーションで効果が認められなかった患者さんでも手足の動きが改善する可能性があります。

脳卒中ガイドライン2015において、脳血管障害などの中枢神経疾患の麻痺に対する治療的電気刺激(therapeutic electrical stimulation:TES)による随意運動(自ら動かそうと思った運動)の促通や痙性の抑制などは、脊髄内の中枢神経の可逆性によって生じ得ることが報告されており、中等度の麻痺筋に対して使用が勧められています。(グレードB)

IVESから得られる効果
・筋力低下の予防や改善
・手足の麻痺症状の改善(脳の可塑性)
・運動学習
・脳神経ネットワークの再構築

IVESが利用出来ない方
・ペースメーカーなど体内植込型の医療機器を使用している方
・強い感覚障害がある方
・コントロールが出来ていないてんかんのある方

促通:神経系または神経筋の接合部に複数の刺激を加える事により、その効果が単独の効果よりも大きくなる現象のこと
痙性:脳や脊髄など中枢神経の障害のために、手足が突っ張ったようになり、手足がうまく動かせいない状態

IVES1

IVES2

IVES3

*OG技研株式会社ホームページより 

投稿者: おばた内科クリニック

2020.04.12更新

パーキンソン病は手や足が震える(振戦)、体が動かしにくい(動作緩慢)、体が固くなる(固縮)、歩きにくく転倒してしまう(姿勢反射障害)を特徴とする病気です。

飲み薬や貼り薬などの薬による治療に加え、いかに運動するかが大事となります。

今回、パーキンソン病における歩きにくさに対する、歩くイメージについて動画を作成しましたのでパーキンソン病だけではなく、進行性核上性麻痺などほかの神経変性疾患や脳梗塞や脳出血後遺症などによる歩きにくさでお困りの方もぜひ参考にされて下さい。 

投稿者: おばた内科クリニック

2019.12.22更新

パーキンソン病の治療はL-ドパ製剤を中心とした薬による薬物療法とリハビリテーションが基本となります。

しかし、病状の進行に伴い、薬の効果が弱まり、薬の投与量が増えることによる副作用が問題となります。

薬の投与量が増えるほど薬の濃度が高く体が動きやすいon時間と、くすりの濃度が低く体が動かしにくいoff時間が出現してきます。

また、薬を服用する前に効果が切れるウェアリングオフ現象や薬の濃度が高くなり勝手に体が動くようなジスキネジアなどの副作用も出現しやすくなります。

そのため、病状が進行してきますと薬の濃度変化をなるべく起こさないように、L-ドパ製剤を少量ずつ頻回に服用する方法が選択される事が多くなります。

現在はこのような薬の服薬調整に加え、デバイス補助療法を用いることにより、これらの問題が軽減されることが期待されています。

主なデバイス補助療法として、①脳に電極を挿入して電気信号を送る脳深部刺激療法(DBS)、②ポンプとチューブで小腸に薬を持続的に注入するレボドパ/カルビドパ配合剤持続経腸療法(LCIG)があります。

 

 脳深部刺激療法:DBS(Deep Brain Stimulation)

  ドパミン放出の減少に伴う脳回路の異常を、電極からの電気信号によって回路を正常に機能させる治療。

  off時間が改善され、薬の投与量・投与回数を減らすことができ、その結果ジスキネジアの発現が抑制され、安定した状態を24時間保つことができる。

  治療ターゲットとして、視床下核、淡蒼球内節、視床腹中間核の3つがあり、症状などにより刺激部位が選択される。

  ・ 視床下核STN:subthalamic nucleus

   最も一般的に用いられ、震え(振戦)、体が動かない(無動)、体が硬い(固縮)症状に対し効果が期待できる。

   特にoff時間の症状改善に期待され、抗パーキンソン病薬の減量が期待出来る。

   一方で精神症状、認知機能障害悪化の懸念が指摘されている。

  ・ 淡蒼球内節Gpi:globus pallidus internus

   STNと同様の効果が期待出来るが、off時間の症状改善は困難で抗パーキンソン病薬の減量は期待できないが、認知機能症状への悪化が少ないとされる。

  ・ 視床腹中間核Vim:ventral intermediate nucleus

   振戦に対して効果が期待されるが、他の運動症状の改善は乏しく、適応されるケースは限られる。

 

 レボドパ/カルビドパ配合剤持続経腸療法:LCIG(Levodopa-carbidopa continuous infusion gel (LCIG) therapy)

  ウェアリングオフ現象やジスキネジアが生じて十分な治療が困難となった場合に検討される。

  ゲル状のレボドパ/カルビドパ配合剤を胃瘻から空腸に進めたチューブを経由して持続的に薬剤を注入する治療法。

  持続的に薬剤を投与することから、薬の濃度を一定に保つ事が期待でき、体の動きが悪い時間(off時間)が短くなり、薬の濃度が急激に高くならないことからジスキネジアも軽減できる。

  注意点は、夜間が使用できないため夜間は経口摂取で対応が必要なこと、朝の装着に介助者の補助が必要であること、胃瘻チューブの閉塞などのトラブルの問題がある。

  * レボドパを24時間連続投与すると、効果を得るまでの投与量が増えやすくなります。一方で1日16時間投与では効果を得るまでの投与量が低下することが報告されています。また、血中ドパミン濃度は夜間低下し早朝に上昇する生理的日内変動があり、活動量が低い夜間の相対的過剰投与をさけるために夜間は使用しないこととなっています。

 

DAT

投稿者: おばた内科クリニック

2019.11.10更新

パーキンソン病は進行性のため、病状が軽いときは薬物治療のみで日常生活に問題ないことが多いです。

ですが、病状が進むことにより、徐々に薬物治療のみでは転倒や誤嚥の出現など日常生活に支障が出てくることが多いです。

病状が進む前の早期の段階から活動的な生活を行い、バランスや筋力、関節可動域を改善する積極的な運動を行い、体の動かしにくさやバランス障害を予防することが大事です。

体を動かすこと、リハビリテーション治療を薬物治療に併用することにより、運動機能の向上を図ることができ、薬物治療の効果を最大限に引き出せます。

パーキンソン病のリハビリテーション治療には、病状にあわせた治療が必要です。 早期においては、活動的な生活によるバランスや筋力、関節可動域を改善する積極的な運動を行います。ですが、バランスを崩しやすくなり転倒するような段階になりますと、リハビリテーションの専門スタッフによる姿勢や起き上がり動作、歩き方について指導を受けて頂くことが大事です。あわせて自宅で行うことが出来るリハビリについても指導を受けて頂くとより効果的です。

PDリハ

H-Y stage 1:体の片側だけに手足のふるえや筋肉のこわばりがみられる。体の障害はないか、あっても軽い。

2:両方の手足のふるえ、両側の筋肉のこわばりなどがみられる。日常の生活や仕事がやや不便になる。

3:小刻みに歩く、すくみ足がみられる。方向転換のとき転びやすくなるなど、日常生活に支障が出るが、介助なしに過ごせる。職種によっては仕事を続けられる。

4:立ち上がる、歩くなどが難しくなる。生活のさまざまな場面で、介助が必要になってくる。

5:車いすが必要になる。ベッドで寝ていることが多くなる。

病状が進むことにより、パーキンソン病に対するリハビリテーションと運動が難しくなることにより生じる筋力低下や持久力低下などに対するリハビリテーションも必要となります。

パーキンソン病に対するリハビリテーションとして、リズムや音楽にあわせた歩行訓練などがあり、cueを利用した訓練が効果的とされています。Cueである視覚刺激や聴覚刺激を利用した運動(リズムにあわせた歩行訓練)は、以前より自分のペースで行った歩行訓練よりも歩行速度や歩行率などにおいて優位に改善したとの報告があります(文献1)。

視覚的cueは歩行開始時の歩行時の振り幅に影響し、聴覚的cueは歩行のタイミングに影響し、方向転換時のバランス障害を軽減させます。

音楽のリズムにあわせた歩行訓練を行う音楽療法の有効性や、自宅の廊下の床にテープを貼って歩行時にまたぐ印とすることなども、視覚的cueを応用したものです。

運動を行わなくなってしまったことによる筋力低下や持久力低下に対しては、関節拘縮予防の関節可動域練習やストレッチ、首や体感の回旋運動、前傾姿勢などに対する練習、下肢などの筋力訓練、バランス訓練、歩行訓練、手指の細かい運動などが必要となります。

パーキンソン病においては、固縮(体が固くなること)や動作緩慢(体がゆっくりとした動きになること)は主な症状であり、それにより日常生活の動作が障害されることが多いため、肩や腰の痛みが出現することが多くなるため、肩関節や股関節などの関節可動域の訓練やストレッチが重要となります。

パーキンソン病ではドパミン神経細胞が障害されますが、運動によりドパミン神経細胞によるドパミン産生が促され、強い運動や複雑な活動はドパミン神経細胞の活性につながるとされる報告もあります(文献2)。

医療機関に対して行われたアンケートでは、リハビリテーションの開始時期はすくみ足など歩行障害など日常生活に支障が出てきてから開始されることが多いとの結果がありますが、パーキンソン病では早期から運動学習の低下があり、運動スキルの保持の低下や新しいスキルの保持の低下もあると言われていまので、可能な範囲で早期からリハビリテーションを受けて頂くことが大事です。

Cue:手がかりを取り入れた運動や音楽療法

文献1 M.H.Thaut:Rhythmic auditory stimulation in gait training for Parkinson's disease patients.Movement Disorders Vol11, March 1996, Pages 193-200

文献2 Schenkman M:Effect of High-Intensity Treadmill Exercise on Motor Symptoms in Patients With De Novo Parkinson Disease: A Phase 2 Randomized Clinical Trial.JAMA Neurol.2018 Feb1;75(2):219-226.

 

投稿者: おばた内科クリニック

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