クリニックブログ

2021.03.06更新

人生の中で80%~90%の人が経験すると言われている腰の痛み。
その内、80%の人が骨、椎間板、靭帯などに異常がなく、原因不明だと言われ、残りの20%の人には何かしらの原因があるとも考えられています。
ここでは、良く耳にする「腰椎椎間板ヘルニア」についての主な症状や治療法について紹介させて頂きます。

▼症状▼
【自覚症状】
・腰の痛み
・片側の下肢痛又は痺れ
・咳やくしゃみなどで増悪(デジェリーヌ兆候)
・下肢の筋に力が入らなくなる(つま先が上がらなくなるなど)
【他覚症状】
・疼痛性跛行(足を引きずったり、かばう様な歩き方)
・脊柱の側弯(痛みを回避しようとする為、背骨が左右に曲がること)
・膝蓋腱反射消失・反射
・神経根緊張徴候の陽性(SLRテスト・大腿神経伸張テストなど)

▼治療法▼
【保存療法】※多くの場合は3ヶ月以内に保存療法で軽減するとされています
・ブロック注射
・リハビリテーション(症状に適した)など
【手術療法】
・大きなヘルニアにより症状が強い方や排尿障害(尿閉、残尿、力みによる尿漏れ)を呈している方が対象となります

急にヘルニアになったらどうしたら良いの?
✖やってはいけないこと✖
・痛みを我慢して動くこと
・腰を揉んでもらったり、さすったりすること
・冷やしたり、温めること
など・・・

○自分でできること○
・痛みが出ない楽な姿勢を探して、できるだけ安静にする
・痛み止めのお薬等を内服し、しっかりと栄養、休養をとる
・楽な姿勢でゆっくり腹式呼吸をする
 鼻から息を吸ってお腹をふくらませ、口から息を吐いてお腹をへこませる
・寝る時以外はなるべく目をつむらず、テレビやスマートフォンなどを見て気分転換をする
など・・・

▼その他の注意点!▼
・どうしても力を入れないといけない場合は、息を口から吐きながら力を入れる
・荷物を持たないといけない場合は、脇を閉めてお腹に近づける

実際にはどの様なリハビリをするの?
※リハビリの内容に関しては、症状によって様々です。
状態や時期によって、やって良い事、悪い事があります。
担当理学療法士、又は作業療法士に身体の評価、そして各個人に合ったメニューを組んでもらうのがベストです。
おばた内科クリニックにおいても腰椎椎間板ヘニルアに対するリハビリテーションを行っていますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
※また、必ずドクターからの了承を得て行って下さい。

急性期のリハビリテーション
1.ポジショニング指導(寝る時など)
2.ADL指導(生活での注意点等の確認)
3.呼吸(腹式呼吸、胸式呼吸)
4.リラクセーション(やり方は症状によって異なります)
など

術前のリハビリテーション
基本的に手術=状態が悪い、症状が強いという方が多いです。症状が落ち着いた状態で、手術を受ける方が予後が良いと言われています。
担当セラピストにより各個人、状態に合ったリハビリメニューを組んでもらいましょう。

術後のリハビリテーション
リハビリに関しては、手術の種類によって異なります。
また、生活での注意点、禁忌肢位も変わってきますので必ずドクターの指示を守って下さい。

おばた内科クリニックでは腰の痛みについて、患者さんとの病歴聴取に加え、診察と腰のMRIによる精密検査を行い、患者さんにあった内服治療をリハビリテーションによる保存的治療を行わせて頂きます。保存的治療で改善が難しい場合は、外科的治療について大学病院などと連携を取らせていただいています。

投稿者: おばた内科クリニック

2021.01.17更新

新型コロナウイルス感染症の拡大が続き、福岡でも非常事態宣言が発令され、感染が心配なことから家で過ごす時間が増えている方が多いと思います。
高齢の方や、糖尿病や呼吸器疾患などの基礎疾患がある方は重症化のリスクが高いと言われていますが、新型コロナウイルス感染症発症からおよそ1年経過し「足腰が弱くなってしまった」、「物忘れが増えた」、「元気がない」という運動機能や認知機能の障害が問題となってきています。

人混みを避けることは重要ですが、過度な行動制限はフレイル(心身が脆弱した状態)などの健康障害の原因となりえます。
以前より運動習慣が認知症発症の予防に重要であることは知られており、運動習慣がある人はない人と比べアルツハイマー型認知症の発症リスクが40%低い報告もあります。

また、九州大学大学院精神病態医学分野講師の小原知之氏は、孤独感が認知症の発症リスクを5倍以上高めることが明らかになったと昨年11月末に行われた認知症学会で報告しました。
これは日本で行われている認知症に対する研究の一つ(久山町研究)として報告されたもので、65歳以上の高齢者1,141人を対象に5年間経過をおったところ、孤独感がある人はない人と比べ、認知症の発症リスクが1.5倍高いことが判明しました。
さらに、同居していない親族や友人との交流が月に数回以上ある人では、認知症発症リスクに差が認められなかったとのことです。
極端に言ってしまえば、月に数回でも人と会えば孤独感に関連した認知症のリスクを抑えられる可能性があるということです。

人との接触

新型コロナウイルス感染症が拡大している現在、運動や人と会うことに抵抗があるとは思いますが、何もせずに家にこもってしまうのは、新たな健康被害を引き起こすかもしれません。

介護保険をお持ちの方であれば、デイケアやデイサービス利用により運動や人との交流の機会を持つことができます。
複数の方との接触が心配な方は、訪問リハビリテーションという、ご自宅で運動を行うことも可能です。
訪問リハビリテーションであれば、自分にあった必要な生活動作のための訓練を行うことができます。

家で過ごすことが多くなり、このまま過ごす事が大丈夫なのかご心配な方は、いつでも当院にご相談下さい。
当院ではデイケアによるリハビリテーションに加え、訪問リハビリテーションも行っており、必要に応じて訪問診療も行っています。

時間はかかると思いますが、必ず新型コロナウイルス感染症を克服するあるいはインフルエンザウイルスと同じように共存することができると信じています。
その時に笑顔でいままでと同じように迎えられるように、当院にできることを行わせて頂きたいと思います。
なにか気になることがありましたら、いつでもご相談下さい。

出典
Emotional loneliness is associated with a risk of dementia in a general Japanese older population: the Hisayama Study

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33170218/

投稿者: おばた内科クリニック

2020.10.18更新

肩の痛みについて

「肩が痛い」肩の痛み一つでも様々な病名があります。
「四十肩かな?」「すじが切れているのかな?」「首からきているのかな?」
肩の痛みを経験した事がある方は一度考えた事ありませんか?
原因、症状によって対処の仕方、リハビリの内容が違ってきます。
ここではリハビリテーションの適応となり、発生頻度が高い①肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)、②腱板断裂・損傷、③石灰沈着性腱板炎、④Quadri lateral space(QLS)症候群の特徴を説明させて頂きます。

①肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)

中高年者で特に誘因がなく肩の痛み、可動域制限をきたし、年齢からくる肩の退行変性(機能の低下)が主な原因だと考えられています。
痛みが出る部位は様々で、なかには肘に痛みが出る事もあります。
肩が上がらない、エプロンを結びにくい、頭を洗いにくいなど日常生活にも支障が出る場合もあります。
炎症期、拘縮期、回復期に分けられ、時期によってリハビリの内容が異なります。
〈特徴〉
◆自然と痛くなった 
◆拘縮(肩周りが固くなる)
◆夜間時の痛み

肩の痛み

②腱板断裂・損傷

腱板とは棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つの筋で構成されています。
原因としては、外傷(肩を打ったなど)、腱板収縮力による応力集中(力仕事、肩の使い過ぎ)、加齢による腱の変性が考えられています。
症状としては、肩に力が入らない(上がらない)、痛くて眠れない、肩を動かすと痛むなどが挙げられますが、痛みが伴わない例もあり様々です。
完全断裂よりも、部分断裂の方が症状が強い例もあります。
治療には保存療法(リハビリ)、手術療法(ARCR)があります。
まずはリハビリで治療をし、効果がなければ手術を検討という流れが一般的です。
「腱が切れている=上がらない」、「腱が切れている=手術」ではありません。
〈特徴〉
◆外傷(肩を打ったなど)
◆肩に力が入らない(上がらない)
◆夜間時の痛み

腱板

③石灰沈着性腱板炎

突然、激烈な痛みが生じ、肩の自動運動(自力で動かすこと)が全くできなくなり、肩の他動運動(第三者あるいは器具を用いて動かすこと)も著しく制限されます。

40~50歳代の女性に多くみられます。
原因は不明ですが、股関節や肩周りの筋の柔軟性が悪いと発症しやすいとも言われています。
治療としては、注射針で石灰を吸引し、その後副腎皮質ステロイドを注入します。
痛みが落ち着いてくればリハビリを行うが一般的です。
〈特徴〉
◆激烈な痛み 
◆肩が動かせない 
◆夜間時の痛み(眠れない程の)

肩のレントゲン

④Quadrilateral space(QLS)症候群

上腕三頭筋長頭腱、大円筋、小円筋、上腕骨によって囲まれた四角形の隙間があり、この隙間には腋窩神経、後上腕回旋動脈(肩関節の栄養を支配している)が通っています。
前屈み姿勢、パソコンを打つ姿勢などで同部位が狭くなる事があります。
狭くなる事により神経、血管を圧迫してしまい、三角筋(肩周り)筋力障害、肩全体の鈍い痛み、前腕の痺れなどの知覚障害などがみられます。
リハビリでの治療が主で、リラクセーション、肩周りの筋緊張緩和、肩甲骨の調整などを行います。
〈特徴〉
◆肩全体の痛み 
◆前腕の痺れ
◆肩周りの筋肉の萎縮

肩の解剖

肩の痛みが気になる方、肩の痛みについて詳しく知りたい方はおばた内科クリニックスタッフまでお気軽にお声掛け下さい。

 

投稿者: おばた内科クリニック

2020.07.19更新

おばた内科クリニックでは、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害による手足がうまく動かせない症状(麻痺)を改善させるために、随意運動介助機能的電気刺激(Integrated Volitional control Electrical Stimulation:IVES)を用いたリハビリテーションを行っています。
もう良くならないと諦めずに、ぜひご相談下さい。

手足を動かそうとするとき、脳から神経を通して筋肉に運動指令が伝わり、筋肉が収縮して手足が動きます。
筋肉が動くときには微弱な筋活動電位が発生しますが、IVESはその微弱な筋活動電位を読み取り、目標とする筋肉に電気信号を送ることにより筋肉の動きを助けますので、一般的なリハビリテーションで効果が認められなかった患者さんでも手足の動きが改善する可能性があります。

脳卒中ガイドライン2015において、脳血管障害などの中枢神経疾患の麻痺に対する治療的電気刺激(therapeutic electrical stimulation:TES)による随意運動(自ら動かそうと思った運動)の促通や痙性の抑制などは、脊髄内の中枢神経の可逆性によって生じ得ることが報告されており、中等度の麻痺筋に対して使用が勧められています。(グレードB)

IVESから得られる効果
・筋力低下の予防や改善
・手足の麻痺症状の改善(脳の可塑性)
・運動学習
・脳神経ネットワークの再構築

IVESが利用出来ない方
・ペースメーカーなど体内植込型の医療機器を使用している方
・強い感覚障害がある方
・コントロールが出来ていないてんかんのある方

促通:神経系または神経筋の接合部に複数の刺激を加える事により、その効果が単独の効果よりも大きくなる現象のこと
痙性:脳や脊髄など中枢神経の障害のために、手足が突っ張ったようになり、手足がうまく動かせいない状態

IVES1

IVES2

IVES3

*OG技研株式会社ホームページより 

投稿者: おばた内科クリニック

2020.05.24更新

転倒すると10%で骨折や脱臼、捻挫などを起こすとされます。
骨折による寝たきりを防ぐためにも、転倒予防が大事です。
転倒の危険因子に当てはまる場合は、ぜひ予防を心がけましょう!

転倒の危険因子
 歩行・バランス障害
  歩く速さが0.6m/秒以下 
   100m歩くのに3分近くかかってしまう。
  Timed Up and Go testで12秒以上かかってしまう
   *椅子に座り立ち上がって3m歩き、椅子にまた座るまでの時間
  The 4-Stage Balance Testで②が達成できない

The 4-Stage Balance Test
   10秒続ける事ができなければ終了します
   ①まず両足をそろえて立ちます
   ②この形から足の大きさの半分、片足だけ前に出します
   ③次に片足の爪先を反対側の踵に付けます
   ④片足立ち
 視力が0.25以下
 認知症がある
 安定剤、睡眠剤、ループ利尿薬を服用している

転倒予防対策 
 散歩や筋肉トレーニングに加えバランス訓練を行う
  バランス訓練:下記を1日に10~15回繰り返す。
  1)椅子の後ろに立ち片手で背もたれをつかみ片足で10秒間立つ
  2)慣れたら背もたれは指1本でタッチする
  *散歩や筋肉トレーニングだけではバランスの改善が難しいです
 視力や骨の密度の検査行う

片足立ち
Prevention of Falls in Community-Dwelling Older Adults.
Ganz DA、Latham NK
N Engl J Med.2020 Feb 20;382(8):734-743 より作成

投稿者: おばた内科クリニック

2020.05.10更新

新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言に伴い、外出自粛要請によりお家で過ごされている時間が多いと思います。
カラオケで認知機能や食べ物や飲み物がうまく飲み込めない嚥下機能障害の改善が期待できる研究報告がありました。
ストレス発散を兼ねてお家でのカラオケはいかがでしょうか?
*カラオケの音量や時間帯には、近隣へのご配慮をお願いいたします。
 
Miyazaki Atsukoらは、介護施設に入所中の65歳以上の26人の方を対象に、カラオケの練習をされる郡(14人)とされない郡(12人)で12週間観察を行い、カラオケを練習すると認知機能障害と嚥下機能障害の改善が期待される結果を認めました。
 
対象
カラオケ練習郡
週に1回1時間教えてもらい、追加として週に1時間の課題がある
カラオケを練習されない郡
ストレス発散や認知機能訓練にも期待ができるスクラッチアートを
週に1回教室で行うことに加え、課題として1枚追加
 
評価項目
 認知機能:Frontal Assessment Battery (FAB)スコア
 身体機能:舌圧、呼吸機能
 
結果
 カラオケ練習郡では、FABのうち葛藤的指示への反応が有意差を持って改善し、抑制制御は
 カラオケ練習郡でより改善を認めた。
 また、カラオケ練習郡では、舌圧の改善を認め、呼吸機能については1秒量で有意差を持って
 改善を認めた。
 *葛藤的指示への反応:指示された内容と正反対のことを瞬時に実行できるか
   抑制制御:指示された内容のうち実行しなくてよいものを瞬時に判断できるか
   一秒量:1秒間で吸い込める空気の量
 
結論
カラオケを行うことにより、認知機能と嚥下障害や呼吸機能の改善を認め、その効果は従来の学習療法と比較して遜色のないものであった。
これらの改善は、これからの生活の質の向上につながるものと考えられる。
*学習療法:文章を声に出して読む、算数問題を解く学習プログラム

カラオケ

Int J Environ Res Public Health. 2020 Feb 24;17(4). pii: E1459. doi: 10.3390/ijerph17041459.
Miyazaki A、Mori H
Frequent Karaoke Training Improves Frontal Executive Cognitive Skills, Tongue Pressure, and Respiratory Function in Elderly People:
Pilot Study from a Randomized Controlled Trial. より作成

投稿者: おばた内科クリニック

2020.04.26更新

食事の時に咳き込む場合は、飲み込みの機能(嚥下機能)が悪くなっているかもしれません。

気になる場合は、反復唾液嚥下テストを試されてみてはいかがでしょうか?

お一人で簡単にできるテストで、30秒間に何回飲み込みができるかをみるテストです。

飲み込みが3回未満の場合は、飲み込みの機能が落ちている可能性があります。

飲み込みの機能が落ちてしまいますと、食べ物が肺に誤って落ち込んでしまって発症する誤嚥性肺炎の危険度が上がってしまうかもしれません。

お食事前の簡単な体操で飲み込みの機能の改善が期待できますので、ぜひ試されてみて下さい。

気になられる方はぜひご相談下さい。 


専門スタッフ(言語聴覚士)と一緒にリハビリしませんか?

嚥下体操

50・60代〜「歯の教科書」より

投稿者: おばた内科クリニック

2020.04.12更新

パーキンソン病は手や足が震える(振戦)、体が動かしにくい(動作緩慢)、体が固くなる(固縮)、歩きにくく転倒してしまう(姿勢反射障害)を特徴とする病気です。

飲み薬や貼り薬などの薬による治療に加え、いかに運動するかが大事となります。

今回、パーキンソン病における歩きにくさに対する、歩くイメージについて動画を作成しましたのでパーキンソン病だけではなく、進行性核上性麻痺などほかの神経変性疾患や脳梗塞や脳出血後遺症などによる歩きにくさでお困りの方もぜひ参考にされて下さい。 

投稿者: おばた内科クリニック

2020.03.31更新

加齢に伴い、筋肉量は低下し身体機能や認知機能が低下し、適切な対応を行わなければフレイル(虚弱)という状態となります。

加齢などにより筋肉量や筋力が低下しますと、家から出ない、家の中で寝てばかりいるなど活動量が減りやすくなります。

活動量が減りますと食欲がわきませんので、食事摂取量が低下し栄養の偏りなどから低栄養となります。

低栄養の状態となりますと、筋肉のもととなるタンパク質も低下するためさらに筋肉量が低下し、さらなる活動量の低下と悪循環がすすみ、転倒や骨折の原因となります。

よって、適切な運動と栄養摂取が必要となります。

ですが、具体的にどのような運動を行えば良いか難しく、今回は運動療法について話をさせていただきます。

運動療法は大きく分けると有酸素運動、無酸素運動があります。

 

有酸素運動
 歩行や水泳などの全身運動を指し、骨格筋などで酸素を取り入れて糖質や遊離脂肪酸を燃焼させる運動です。
 運動の強さとしては、ややきついと感じる程度が適当とされ、心拍数で120拍/分程度あるいは安静時の1.5〜2倍が目安となります。
 筋肉を動かすエネルギー源として糖質や遊離脂肪酸を使うことから、血糖や脂質の改善が期待できますので糖尿病や高脂血症がある方は特に心がけて頂けると良いと思います。
 なお、糖尿病の患者さんが血糖の改善を期待して行う場合、歩行であれば1回20〜30分を1日2回が理想とされますが、これまで運動習慣がない方がいきなり20分は難しいと思われますので、1日5〜10分の歩行など無理のない範囲から開始し、徐々に増やしていくことをおすすめします。
 1日1回の場合、食後の血糖上昇を抑える効果を期待して、食後1時間程度から行うことをおすすめします。

 

無酸素運動
 酸素を使わない運動で、筋肉に強い負荷がかかります。
 ダンベル体操やスクワット、腹筋などで、有酸素運動と比べると短い時間でエネルギー消費が多いですが、乳酸が溜まりやすく、疲れやすいため長時間の運動には向いていません。
 運動習慣がない方やフレイル(虚弱)の状態であれば、無酸素運動については軽い負荷から開始し、徐々に慣らしていくのが良いと思われます。
 慣れてくれば、週2回以上を目安に行うことをおすすめします。

 

腰や膝が悪い場合におすすめなのは、プールなどの水中での歩行です。
プールに通うという手間がかかってしまいますが、腰や膝に負担をかけずに有酸素運動と無酸素運動の効果が期待できます。
その場合、1回30分程度を週2回程度行えれば十分と考えます。

ですが、運動習慣がなく、この寒いような状況で運動が難しいと考える場合は家の中で行う運動も良いです。
具体的にはテレビを見る際は横にならずに、座って見る。
座って見ている場合は、立って見るや座った状態で見る場合は、椅子で足踏みをする、膝を高くあげる。これを問題なく行えるのであれば足をまっすぐ伸ばした状態で足を上げたまま維持するも効果的です。

投稿者: おばた内科クリニック

2019.11.24更新

フレイルとは、加齢に伴う種々の機能低下を基盤とし、様々な健康に対する脆弱性が増加している状態で、健康障害に陥りやすい状態です(1)。

Friedらは①体重減少、②主観的疲労感、③日常生活活動量の低下、④身体能力(歩行速度)の減弱、⑤筋力(握力)の低下、のうち3項目が当てはまればフレイルと定義し、1〜2項目が当てはまる場合はフレイル前段階と定義しました(2)。

フレイルの状態をそのままにしておくと、生活の質を落とし現在の生活を維持できなくなるだけではなく、糖尿病や心臓病などの持病の悪化にも繋がりかねません。

一方で食生活や運動をこころがけるなど介入を行うことにより、フレイルの状態からの改善も期待できます。

ですが、自身がフレイルであるのかを判断するには、握力・歩行速度の測定と判断をするのに時間を要するものが含まれており、気軽に判断することが難しいです。

フレイル定義

九州大学のキャンパスライフ・健康支援センターの熊谷 秋三らは、簡単に評価できるチェックシートを開発し報告しました(3)。

適宜フレイルの状態であるのかセルフチェックを行い、当てはまる場合は、生活習慣病の予防を行いつつ、散歩などの運動を少しでも日常生活に取り入れる、タンパク質などの栄養摂取を増やすことが大事です。

運動や食生活をどうすれば良いかわからない場合は、かかりつけの先生に相談される、または介護保険によるデイサービスやデイケアなどを利用されることも良いと思います。

 

チェックシート

5項目、6つの質問に「はい」「いいえ」で答えるだけで身体的フレイルの判定が可能。 3点以上ある場合は、身体的フレイルの状態と判断して良いとされます。 なお、各項目の頭文字を並べると「Frail(フレイル)」となります。

 Fatigue(疲労感)

  気分が沈み込んで、何が起こっても気が晴れないように感じましたか  何をするのも骨折りだと感じましたか  1.はい・0.いいえ(どちらか1つにあてはまる場合も「はい」に〇)

 Resistance(筋力)

  階段を手すりや壁をつたわらずに昇っていますか  0.はい・1.いいえ

 Aerobic(有酸素能力)

  1kmぐらいの距離を続けて歩くことができますか  0.はい・1.いいえ

 Inactivity(活動量低下)

  1日のうち、座っている又は横になっている時間は、起きている時間の80%以上ですか  1.はい・0.いいえ

 Loss of weight(体重減少)

  6カ月間で2~3kg以上の体重減少がありましたか  1.はい・0.いいえ

 

参考文献、出典

(1)葛谷雅文:老年医学におけるSarcopenia & Frailty の重要性.日老医誌2009;46:279─85

(2)Fried LP: Cardiovascular Health Study Collaborative Research Group. Frailty in older adults : evidence for a phenotype. J Gerontol A Biol Sci Med Sci 2001; 56 : M146─56.

(3)Si Chen:Journal of the American Medical Directors Association. 2019 Sep 12;pii:S1525-8610(19)30567-5.

ケアネットより参照:https://www.carenet.com/news/general/hdnj/48829

投稿者: おばた内科クリニック

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