神経内科

神経内科について

神経内科は、脳や脊髄、末梢神経、筋肉の病気を専門としています。精神的なことが原因ではなく、脳や脊髄、末梢神経、筋肉に問題があることで、体が不自由になる病気を扱っています。
脳血管障害(脳梗塞、脳出血など)、頭痛、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、認知症、末梢神経障害などの診療を行います。

こんな症状ありませんか?

  • 手や足にしびれがある
  • 顔面にしびれがある
  • めまいがする
  • 頭痛がする
  • 手がふるえる
  • 力が入らない
  • 歩きにくい
  • ふらつく
  • ひきつけを起こす
  • 痙攣する
  • 話しにくい
  • ものが見えにくい
  • もの忘れがひどい
  • 意識障害など

頭痛

頭痛でお悩みの方へ

頭痛は誰にでも起こりうる身近な症状です。一時的な疲れによって起こることもあり、ほとんどのケースは心配ない場合が多いのですが、くも膜下出血や脳動脈瘤などまれに命に関わる重篤な病気が潜んでいることもあります。
頭痛でお悩みの方は、神経内科医や脳神経外科医の診療を受けておくと安心です。
頭痛は身体からのサインです。まずはその原因を明らかにして、根本的に解決できる適切な治療を受けることが大切です。

頭痛の分類:国際頭痛分類第3版beta版(ICHD-3β)

頭痛は国際頭痛分類第3版beta版(ICHD-3β)により、大部分を占める機能性頭痛である一次性頭痛と見逃してはならない器質的疾患による二次性頭痛、有痛性脳神経ニューロパチー、他の顔面痛およびその他の頭痛に分けられます。
頭痛診療はまず、この分類に基づいた診断を行い、診断に基づいた治療を行っていきます。
見逃してはならない二次性頭痛
 くも膜下出血
 細菌性髄膜炎
 脳出血
 側頭動脈炎
 緑内障
 脳腫瘍 など
また、不適切な治療は、薬剤の使用過多による薬物乱用頭痛の原因となるため、初期の診断は重要です。

・第一部:一次性頭痛

 片頭痛
 緊張型頭痛
 群発頭痛およびその他の三叉神経痛・自律神経性頭痛
 その他の一次性頭痛性疾患

・第二部:二次性頭痛

 頭部または頸部の外傷・傷害による頭痛
 頭頸部血管障害による頭痛
 非血管性頭蓋内疾患による頭痛
 物質またはその離脱による頭痛
 感染症による頭痛
 ホメオスターシスの障害による頭痛
 頭蓋骨、頸、眼、耳、鼻、副鼻腔、歯、口あるいはその他の顔面・頭蓋の構成組織の障害に起因する頭痛あるいは顔面痛
精神疾患による頭痛

・第三部:有痛性脳神経ニューロパチー、他の顔面痛およびその他の頭痛

 有痛性脳神経ニューロパチーおよびその他の頭痛
 その他の頭痛性疾患

頭痛の検査

お悩みの症状を詳しくうかがったうえで、診察をします。
首や肩の触診も行いながら、頭痛の原因を明らかにしていきます。
重篤な病気がないか調べるために、これまで頭痛があり、頭のMRI検査を行ったことがない方や、頭痛の程度や頻度が悪化してきている場合は頭のMRI検査を行います。

頭痛の治療方法

投薬、生活指導、リハビリなど原因に応じた治療を行っています。
最近増えているスマートフォンの使い過ぎからくる頭痛には、使用時間を減らして姿勢をよくするだけでもかなりの効果が表れます。
肩こりを伴う場合には、ストレッチが効果的なので、ご自宅でできる体操をお伝えしています。必要に応じて、当院のリハビリ専門スタッフもサポートさせていただきます。
できるだけお薬に頼らない治療法を心掛け、お薬を処方する場合には患者さま一人ひとりに合わせた処方をしています。

片頭痛

どのような病気?
 10〜30歳ごろに発症し、右や左など片側優位にずきずきとした拍動性の頭痛を特徴とする
 加齢とともに頻度は減少し、日常生活に与える影響も少なくなっていく
疫学
 日本国内の頭痛患者は4000万人と推定され、なかでも片頭痛の有病率は840万人にのぼるとされる
 片頭痛の有病率は8.4%で、女性の有病率は男性の3.6倍
 20〜50歳代に多く、40%以上に家族内発症を認め、特に母親に頭痛を有する事が多い
症状
 視野の中心が見えにくくなる、ぎざぎざとした模様がみえるなど視覚的な前兆の最中あるいは消退後1時間以内に、通常反対側の前頭〜側頭部に拍動性の頭痛が出現する
 痛みのピークが過ぎるとズーンとした痛みに変わることがあり、患者の半数以上は拍動性ではないと感じる
 約60%は片側性であるが、常に同側とは限らず反対側に痛みが起こったり、両側に起こることもある
 1〜6時間増強したあと、通常4〜24時間で消退し、長いときは3日間持続することがある
 前兆とは頭痛発作の前に認めるか、あるいは頭痛と同時に起こる脳の局所的な神経症状で、視覚症状、感覚症状、言語症状がある
 最もよくみられるのは視覚症状で、閃輝暗点が多い。閃輝暗点とは、視野の中心が見えにくくなり、その周辺にきらきら輝く鋸歯状の模様が見えるもの
 なお、前兆のない片頭痛は前兆のある片頭痛より約2倍多いとされる
原因
 血管や三叉神経を起源とする末梢説と片頭痛発生器官や下行性痛覚抑制系を重視する中枢説があり、両者とも関与しているとされるが詳細は不明
誘因
 身体・精神的因子:疲労、ストレス、激しい運動、性交、睡眠不足・過多、空腹など
 食事因子:チョコレート、コーヒー、紅茶、熟成チーズ、ソーセージ、柑橘類、海藻、香辛料、ナッツ、飲酒など)
 薬剤:経口避妊薬、エストロゲン療法・離脱、亜硝酸・降圧薬などの血管拡張薬など
 環境因子:入浴・冷暖房による温度差、騒音、炎天、気圧差、臭気など
 アレルギー性因子:アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、気管支喘息など)など
治療
 発作時に内服する治療薬としてアセトアミノフェン製剤、非ステロイド系鎮痛薬、トリプタン製剤、エルゴタミン製剤が主に使用される
 ただし、エルゴタミン製剤は従来広く使用されていたが、発作の早期にしか有効でないこと、吐き気や嘔吐などの副作用が多いことなどから使用頻度は減ってきている
 月に10回以上発作のために薬を服用する場合は、薬物乱用頭痛を起こさないように抗てんかん薬、β遮断薬、Ca拮抗薬、抗うつ薬などの予防薬を投与する
 妊娠中にも予防治療が必要な場合は、β遮断薬を用いる

緊張型頭痛

どのような病気?
 通常両側性で、後頭部や前頭部あるいは頭部全体が圧迫される感じ、締め付けられるような感じの頭痛を生じる
疫学
 生涯有病率は30〜78%と比較的高く、国内に約2000万人以上いると言われ、中年以降に多い
症状
 頭を締め付けるような頭痛や頭重感が数十分から数日間続く
 痛みは夕方に強くなる傾向があり、脳腫瘍などによる頭痛が朝方多いのと異なる
 嘔気や嘔吐は少ないが、光や音に対する過敏反応を認めることがある
原因
 頭頸部の姿勢異常や精神的ストレスにより、頭頸部を中心とする筋肉が持続的に収縮し、筋肉の虚血に痛みを生じる物質が生じるとされる
誘因
 姿勢異常
 強い不安感や心労などの精神的なストレス
治療
 ストレスのコントロールと薬物療法が中心となります
 ストレスのコントロール
  過労を避け、適度な休息をとるとともに、首や肩の筋肉に負担がかからないよう正しい姿勢を保つ
  ストレスの存在を自覚し、気分転換のための趣味を持つなど、ストレスをコントロールすることが大切
 薬物療法
  身体的ストレス・精神的ストレスを緩和するために、必要に応じて薬を用いる
  身体的ストレスの場合
   鎮痛薬、筋弛緩薬など
  精神的ストレスの場合
   抗不安薬、三環系抗うつ薬、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)など
  緊張型頭痛のセルフケア
   緊張型頭痛を軽減するためには、心と体をリラックスさせることが大切
   デスクワークなど長時間同じ姿勢で仕事をするときは、ときどき席を立ってストレッチや体操をするようにしましょう
   マッサージや入浴は、筋肉を温めて血流をよくするため、頭痛を緩和する働きがあります
   水泳やウォーキングなどの運動を生活に取り入れると体がほぐれ、気分転換もされます
   また、枕の高さが合わなかったり、眼鏡の度が合っていなかったりすると頭痛の原因になるので枕の高さや眼鏡の度を調整してください

群発頭痛

どのような病気?
 右や左など片側の眼の奥から側頭部のえぐられるような激しい痛みを生じる頭痛
疫学
 発病率は10万人あたり約50〜400人で、遺伝的要因は明確でない
 20〜40歳ごろに発症し、男性が約75〜90%を占める
症状
 片頭痛と異なり、前駆する症状は認めず、嘔気や嘔吐は少ない
 片側の眼窩、眼窩上部または側頭部にかけて灼熱感が数分間起こった後に、同部から側頭から頭頂部にかけて突き刺されるような、えぐられるような、灼けるような激痛が突発し、15分〜3時間持続する
 発作は就寝後1〜3時間以内の最初のREM期、あるいは早朝に起こることが多い
 発作は定期的に起こることがあり、アルコールにより誘発されることがあり、発作期間中は禁酒が望ましい
 *REM期;睡眠中の状態のひとつで、身体は休んでいるが、脳は活動している状態
 頭痛側に流涙、結膜充血、鼻閉・鼻汁などの症状を認めることがある
原因
 海綿静脈洞部における内頚動脈の拡張、同部位の無菌性炎症、神経ペプチド異常や視床下部に発生源があるなどの説があり、いまだ確立していない
 遺伝的要因の関与も指摘されているが、まだ解明されていない
誘因
 飲酒
 薬剤:ヒスタミン製剤、ニトログリセリン
治療
 消炎鎮痛薬は効果が乏しく、トリプタン製剤と酸素吸入が最も即効性で有効とされる
 スマトリプタン皮下注は保険適応もあり、有効性が高い
 頭痛が激しいときはフェイスマスクにて酸素吸入を併用する
 酸素吸入は、頭痛発作が起こってから10分以内に吸入するのが望ましい
 予防としては、Ca拮抗薬のベラパミル塩酸塩を用いる
 有効な予防治療が少ないことから、発作期にはアルコールを控える
 また群発頭痛ではヘビースモーカーが多いとされており、禁煙も有効と思われる

一次性頭痛のまとめ

頭痛まとめ

めまい

めまいについて(症状・原因)

身体のバランスを保つ機能に障害が起こることで発症し、ぐるぐる回る感じ、フワフワした感じ、宙に浮いた感じなど、さまざまな症状があります。
めまいには、耳から生じるもの、脳から生じるもの、脊髄から生じるもの、末梢神経から生じるもの、貧血によるものなどがあります。また、疲労やストレスが原因でめまいが起こることもあります。

めまいの治療と効果

めまいは耳から生じていることが多く、平衡感覚をつかさどる三半規管が関係しています。重篤な病気ではないと確認できた場合には、目を動かしたり、体を動かしたりして三半規管を鍛える治療を行います。ご自宅で簡単な体操を続けていただくほか、ご希望の方にはリハビリ担当のスタッフがサポートいたします。
めまいがあっても安静にするのではなく、適度に体を動かすほうが症状の改善につながります。
運動療法に加え、症状を緩和するためのお薬も処方します。お薬はずっと飲み続けていると効かなくなるため、飲む頻度やタイミングをアドバイスしています。

急に起こるめまいや手足の動きがよくない場合は、脳から生じていることもあるため、脳梗塞や脳出血など脳血管障害や、脳腫瘍などの問題がないかMRIで検査をします。診断の結果、治療に適切な専門医療機関をご紹介することもあります。

めまい治療の流れ

1初診

予約は必要ありません。
めまいでお悩みの方は、お気軽にお越しください。

矢印

2検査・診察

お悩みの症状を詳しくうかがったうえで、診察をします。
首や肩の触診も行いながら、めまいの原因を明らかにしていきます。
必要に応じてMRIの画像診断もいたします。

矢印

3治療

運動療法に加え、症状緩和のために薬物療法も組み合わせて行います。

しびれ

しびれについて(症状・原因)

手・足・顔など体の一部がしびれることで、麻痺したように動かしにくくなることを伴うこともあります。
しびれが起こる原因は、血流の障害(閉塞性動脈硬化症・下肢静脈瘤)、脳の障害(脳出血・脳梗塞・脳腫瘍)、脊髄および脊髄神経根の障害(椎間板ヘルニア・変形性脊椎症・脊椎管狭窄症)、末梢神経の障害(手根幹症候群・糖尿病性末梢神経障害・アルコール多飲)などが考えられます。

しびれの治療方法

しびれが起こる原因はさまざまなので、問診や検査で原因を明らかにしていきます。
診断結果に応じて、運動療法や薬物療法を組み合わせた治療を行います。ヘルニアにより生じている場合には、必要に応じてコルセットの作製もしています。

脳卒中

脳卒中とは

脳の血管の血流障害によって起こる疾患です。脳卒中にはいくつかの種類があり、脳の血管がつまる脳梗塞、脳の血管が破れて出血する脳出血、くも膜下出血などがあります。

脳卒中の症状

突然起きる激しい頭痛、ろれつが回らない、手足が動かない、ものがつかめない、うまく歩けない、しびれがある、記憶障害など。

脳卒中の治療方法

MRI検査で脳の状態を調べ、薬物療法や手術によって治療をします。手足のしびれや言語障害などがある場合は、機能を回復するためにリハビリを行います。

パーキンソン病

パーキンソン病とは

中脳黒質にあるドパミン神経細胞の減少により、神経伝達物質であるドパミンが不足することにより発症する病気です。
ドパミンが不足することにより、体が動きにくくなる、体が震えるなどの運動障害が中心となる症状が目立ちますが、便秘などの自律神経障害や痛みや睡眠障害などの運動障害以外の非運動症状も認められます。

パーキンソン病の診断基準 International Parkinson and Movement Disorder Society(MDS)診断基準(2015)

臨床的に確実なパーキンソン病
パーキンソニズムが存在しさらに
1.絶対的除外基準に抵触しない
2.少なくとも2つの支持的基準に合致する
3.相対的除外基準に抵触しない

臨床的にほぼ確実なパーキンソン病
パーキンソニズムが存在しさらに
1.絶対的除外基準に抵触しない
2.相対的除外基準と同数以上の支持的基準がみられる。ただし2つを超える相対的除外基準がみられてはならない。

支持的基準
1.明白で劇的なドパミン補充療法に対する反応性がみられる。この場合、初期治療の段階では正常かそれに近いレベルまで改善がみられる必要がある。もし初期治療に対する反応性が評価できない場合は以下のいずれかで判断する。
 *用量の増減により顕著な症状の変動がみられる。または患者または介護者より治療により顕著な改善がみられたことが確認できる
*明らかに顕著なオン/オフ現象がみられる
2.L-ドパ誘発性のジスキネジアがみられる
3.四肢の静止時振戦が診察上確認できる
4.他のパーキンソニズムを示す疾患と鑑別診断上、80%を超える特異度を示す検査法が陽性である。現在この基準を満たす検査として以下の2つが挙げられる
 *嗅覚喪失または年齢・性を考慮したうえで明らかな嗅覚低下
 *MIBG心筋シンチグラフィによる心筋交感神経系の脱神経所見

絶対的除外基準
1.小脳症状がみられる
2.下方への核上性眼球運動障害がみられる
3.発症5年以内に前頭側頭型認知症や原発性進行性失語症の診断基準を満たす症状がみられる
4.下肢に限局したパーキンソニズムが3年を超えてみられる
5.薬剤性パーキンソニズムとして矛盾のないドパミン遮断薬の使用歴がある
6.中等度以上の重症度にもかかわらず、高用量のL-ドパによる症状の改善がみられない
7.明らかな皮質性感覚障害、肢節観念運動失行や進行性失語がみられる
8.シナプス前性のドパミン系が機能画像検査により正常と評価される
9.パーキンソニズムをきたす可能性のある他疾患の可能性が高いと考えられる

相対的除外基準
1.5年以内に車椅子利用となるような急速な歩行障害の進展がみられる
2.5年以上の経過で運動症状の増悪がみられない
3.発症5年以内に重度の構音障害や嚥下障害などの球症状がみられる
4.日中または夜間の吸気性喘鳴や頻繁に生じる深い吸気など、吸気性の呼吸障害がみられる
5.発症から5年以内に以下のような重度の自律神経障害がみられる
 *起立性低血圧:立位3分以内に少なくとも収縮期で30mmHgまたは拡張期で15mmHgの血圧低下がみられる
 *発症から5年以内に重度の尿失禁や尿閉がみられる
6.年間1回を超える頻度で繰り返す発症3年以内の転倒
7.発症から10年以内に、顕著な首下がりや手足の関節拘縮がみられる
8.5年の罹病期間のなかで以下のようなよくみられる非運動症状を認めない
 *睡眠障害:睡眠の維持障害による不眠、日中の過剰な傾眠、レム睡眠行動障害の症状
 *自律神経障害:便秘、日中の頻尿、症状を伴う起立性低血圧
 *嗅覚障害
 *精神症状:うつ状態、不安、幻覚
9.他では説明できない錐体路症状がみられる
10.経過中一貫して左右対称性のパーキンソニズムがみられる

 

パーキンソニズムの主な原因薬品 *パーキンソン病診療ガイドライン2018より

パーキンソンニズムの原因薬品

パーキンソン病の原因は?

明らかな原因は分かっていませんが、遺伝や環境に影響するとされています。 日本では10万人あたり100〜180人の方がパーキンソン病とされています。年齢も発症に影響されるとされ、高齢社会がすすむ日本では今後さらに増えるとされています。 50歳から65歳に多いですが、高齢になるほど発症率が高くなり、60歳以上では100人に1人程度が発症するとされています。 なお40歳未満では極めて低く、10万人あたり1人未満の発症と推計されています。 性別については世界的には女性よりも男性に高い傾向ですが、アジアでは他の地域よりも男女差が少ない傾向で、全体的には男女差は認められません。 環境因子として、除草剤や殺虫剤など農薬への暴露や乳製品の摂取は発症を促進するとされています。一方で喫煙の習慣、アルコールやカフェインの摂取、抗酸化作用のある食品やサプリメント、運動の習慣は発症を抑制することを示唆する報告がありますが、結論は出ていません。

パーキンソン病の症状は?

パーキンソン病の特徴的な症状は、 体が動かしにくくなる動作緩慢、手や足がふるえる振戦、体が固くなる固縮、バランスを崩してしまう姿勢反射障害が特徴的な症状で、これらを総称して4大症状と呼びます。 また、便秘などの自律神経症状、匂いがわかりにくくなる嗅覚を含めた感覚障害、物忘れや元気がないうつ症状などの認知・精神機能障害、睡眠障害などの非運動症状も注目されています。

無動(動作緩慢)

 字が書きにくい、字が小さくなってしまう、箸が使いにくい、歩こうとした時に足がすくんでしまうすくみ足、歩くと段々と早くなって止まれなくなってしまう加速歩行などがあります。

静止時振戦

 じっとしている時に手や足が震えてしまう症状で、緊張など精神的ストレスがかかると増悪してしまうことがありますが、睡眠中は消失することが多いです。 パーキンソン病では右が強いなど左右差が目立つことが特徴です。

筋強剛(固縮)

 体が固くなってしまうことです。

姿勢反射障害

 体が前かがみになる、バランスを崩しやすくなることで、初期にみられることは少なく、病気の進行に従って出現します。 病初期からみられる場合は、進行性格上性麻痺など他のパーキンソン病と似た疾患でないか見極める必要があります。

パーキンソン病の検査・診断は?

血液検査

 パーキンソン病により異常は認めませんが、甲状腺ホルモン異常によってパーキンソン病と似た症状が出ることがありますので鑑別するために検査を行います。

画像検査

・頭部MRI、CT検査

 パーキンソン病と似たような症状を起こす疾患の鑑別として頭部MRI検査や頭部CT検査を行います。

・MIBG心筋シンチグラフィ

 パーキンソン病を含むレビィ小体病では、心臓交感神経の変性・脱落に伴い、心臓のMIBG(3 meta-iodobenzylguanidine)集積が低下します。MIBG心筋シンチグラフィの集積低下の程度は、病理学的に心臓交感神経の脱落と相関するとされています。

MIBG

A:健康成人、 B:パーキンソン病患者さん:心臓部分にMIBGの集積がほとんど認められません
*パーキンソン病診療ガイドライン2018より

・脳血流シンチグラフィー:SPECT(single photon emission CT)

 パーキンソン病では、後頭葉、頭頂葉、前頭葉、両側の後部帯状回、楔前部、前部帯状回の血流低下が起こりえます。特に、後頭葉の血流低下がパーキンソン病に特徴的であり、認知機能障害の有無に関わらず存在し、レヴィ小体型認知症や認知症を伴うパーキンソン病とアルツハイマー型認知症との鑑別や、パーキンソン病を似た多系統萎縮症などとの鑑別に有用です。
ただし、病状の程度や治療などの影響を受けやすいため、検査結果の解釈には注意が必要です。

・ドパミントランスポーターイメージング(DATスキャン)

 線条体にはドパミンの働きに関係するドパミントランスポーター(DAT)が多く認められますが、パーキンソン病やレビー小体型認知症ではこのDATが減少しています。この検査により、パーキンソン病やレビー小体型認知症、本態性振戦と黒質線条体系に変化を来さないパーキンソン病と似た疾患との鑑別が有効です。

パーキンソン病の治療は?

原因がはっきりしていないため病気の進行をおさえる治療薬は残念ながら現時点ではありませんので、症状を改善させる対症療法が中心となります。 対症療法は、L-ドパ、ドパミンアゴニストなどを中心とした内服療法と脳深部刺激療法などの手術療法、リハビリテーションなどを状況にあわせて組み合わせていきます。 早期に治療を開始したほうが有効とされていますので、症状でお困りの場合は早期に脳神経専門の病院やクリニックを受診されることをお勧めます。

アルゴリズム

*パーキンソン病診療ガイドライン2018より

内服療法
・L-ドパ単剤
 脳内に入りドパミンに変わり、減少したドパミンを補い、パーキンソン病の症状改善効果を現す
 抹消においてもドパミンに変わるため、消化器系や循環器系の副作用の原因となるため使用頻度は減っている
・L-ドパ/末梢性ドパ脱炭酸酵素阻害薬(DCI)
 DCIと併用することにより末梢でドパミンに変わることが減り、L-ドパ単剤と比較し有効性と安全性が高くなった薬剤
 体が勝手に動くジスキネジアの副作用がある
・L-ドパ/DCI/COMT阻害薬配合剤
 DCIによる抹消のドパミンに変わることが減ったが、代わりにCOMT系によるドパミンが作られるのを防ぐCOMT阻害剤が併用された薬剤
・ドパミンアゴニスト
 麦角系ドパミンアゴニスト
  心臓弁膜症関連問題があり、使用には心臓のエコー検査(超音波検査)などで定期的な検査が必要
・アポモルヒネ
 非選択的なドパミンD1およびD2受容体に作用する非麦角系のドパミンアゴニスト
 効果時間が短いことから、進行したパーキンソン病で体が動かなくなったオフ症状時に症状の改善を期待して皮下注射として投与する
・モノアミン酸化酵素B(MAOB)阻害薬
 ドパミンを分解する酵素であるMAOBの働きを抑える薬剤
 三環系抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI、抗うつ薬の一種)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI、抗うつ薬の一種)などを服用されている場合は、セロトニン症候群を引き起こす可能性があるため使用できない。
 *セロトニン症候群
  セロトニン濃度があがることにより、自律神経症状(高温、発汗異常、血圧上昇など)、神経・筋肉症状(筋強剛、振戦など)、精神症状(興奮、錯乱、頭痛など)が生じる
・カテコール-O-メチル基転移酵素(COMT)阻害薬
 DCIによる抹消のドパミンに変わることが減ったが、代わりにCOMT系によるドパミンが作られるのを防ぐ薬剤
 ウェアリングオフのオン時間の延長効果が期待できる
 *ウェアリングオフ
  レボドパを長年服用すると薬の効果時間が短くなり、体が動かなくなる、震えがでるなど治療前の状態になることがあります。この状態をオフと呼び、体の動きが良い時間をオンと呼ぶ。
・アマンタジン
 ジスキネジアに有効とされる
・抗コリン薬
 シナプス後膜側の細胞の働きを活性化することにより、ドパミン減少を抑える
 主に向精神薬など薬によるパーキンソン症状の治療や振戦に対して使用する
 認知機能障害やせん妄、喉の乾きなどのリスクがあり、高齢者や認知機能が低下している患者さんへの使用は控える
・ドロキシドパ
 足がすくんでしまうすくみ足や起立性低血圧に使用する
・ゾニサミド
 運動症状やオフ時間の短縮に効果が期待される
・アデノシンA2受容体拮抗薬:イストラデフィリン
 アデノシン受容体が活性化すると、γ-アミノ酪酸(GABA)による抑制性のシグナルが分泌され運動機能が悪化するため、それを阻害することにより、運動症状が改善すると考えられている

 

手術療法
 薬の治療で改善不十分な運動症状の日内変動とジスキネジアに対して、考慮する
 認知症が合併している場合は、原則として考慮しない
 脳深部刺激療法
  治療手技:定位脳外科手術
  効果の出来る症状:運動合併症
  合併症:脳出血、機器の感染、認知機能への影響、精神症状の発現
  その他:定期的なバッテリー交換、磁場発生機器使用に対する制限の可能性、電極やバッテリートラブル
 空腸投与用L-ドパ/カルビドパ配合剤(L-ドパ持続経腸療法)
  L-ドパの欠点である薬の効果時間が短いことを、持続的に投与することによりパーキンソン病の症状改善効果を期待する。
  進行したパーキンソン病の運動症状の改善が著明であり、非運動症状の改善も期待できる。
  治療手技:内視鏡を用いた胃瘻造設術
  効果の出来る症状:運動合併症
  合併症:胃瘻造設部の皮膚トラブル、他はL-ドパ製剤と同様の副作用の可能性
  その他:ポンプ携帯や操作が煩雑、チューブのトラブル、薬代が高価

ウェアリングオフ時の治療手順 *パーキンソン病診療ガイドライン2018より

アルゴ

*1:ウェアリングオフ出現時は薬剤投与量が不足している可能性もあるので、L−ドパを1日に3回から4回投与していない、あるいはドパミンアゴニストを十分加えていない場合はまずこれを行う
*2:体が動かなくなったオフ症状時に症状の改善を期待して皮下注射として投与する
*3:DAT(Device aided therapy):脳深部刺激療法、空腸投与用L-ドパ/カルビドパ配合剤(L-ドパ持続経腸療法)

 

ウェアリングオフを呈する進行期パーキンソン病患者さんに対する治療
 L-ドパ製剤にドパミンアゴニストを加えるべきか:2A弱い推奨/エビデンスの質「高」
 COMT阻害薬を加えるべきか:2B弱い推奨/エビデンスの質「中」
 MAOB阻害薬を加えるべきか:2C弱い推奨/エビデンスの質「低」
 イストラデフィリンを加えるべきか:2C弱い推奨/エビデンスの質「低」
 ゾニサミドを加えるべきか:2C弱い推奨/エビデンスの質「低」
 脳深部刺激療法を行うべきか:2C弱い推奨/エビデンスの質「低」

 

リハビリテーション

 内服治療や外科的治療に加えて行うことで、症状のさらなる改善が期待できる
 一般に、理学療法士(PT)は運動療法、作業療法士(OT)は主に上肢の機能訓練、言語聴覚士(ST)は発声などの言語訓練や飲み込みなどの食べる機能についての嚥下訓練を行う。
 運動療法
  リラクゼーションや緩徐な体の撚る運動や関節可動域の訓練とストレッチング、歩行やベッドからの立ち上がりなどの移動訓練などを行う
 作業療法
  上肢を伸ばしたり曲げたりする訓練、ビーズなどを用いた細かい運動、移動訓練などを行う
 言語訓練・嚥下訓練
  横隔膜を使った呼吸訓練、構音訓練、嚥下訓練などを行う

てんかん

てんかんとは

発作を繰り返し発症する脳の病気です。
小児期と高齢期に発症することが多く、発症比率は120人にひとりといわれています。高齢者の場合は、脳梗塞など脳の病気を発症した後に起こる傾向があります。

てんかんの症状

手足がつっぱる、意識を失う、口から泡を吹くなどの痙攣発作のほか、短い時間ボーっとする、意識はあるのに手足が勝手に動いてしまう発作もあります。

てんかんの治療方法

MRIや脳波の検査などを行い、症状に合った薬を飲んで発作をコントロールしていきます。定期的に医師の診察を受け、経過を診ていくことが大切です。
薬によって治るケースが3割ほど、薬によって発作をコントロールできるケースが3割ほどです。

院長からのメッセージ

体に痛みがある、動きに違和感があるときは、脳からきていることが多いものです。まずは原因をしっかり調べ、患者さまに合った治療を選択することが重要です。
当院は神経内科の専門医として、豊富な経験をもとに診察を行っております。緻密な検査とリハビリができる環境も整えていますので、痛みや動きが気になるときは、どんな小さなことでもご相談ください。

何でも相談できる身近なかかりつけ医です

総合内科専門医として幅広い診療科目に対応しています。検査、治療、リハビリまで一貫した医療を提供していますので気になる 症状や病気のこと、お困りのことがあればまずはご相談ください。

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